事業一覧(アーカイブ)
1996年
事業
中東水資源解決へのシナリオ
事業実施者 | 国際水資源協会(International Water Resources Association/英国) | 年数 | 4/4 |
形態 | 自主助成委託その他 | 事業費 | 9,258,968円 |
事業内容
冷戦構造の崩壊は、中東地域にとっても、和平プロセスへの世界の関心の高まりと新たな関係構築に向けての歩み寄りが始まるなど、大きな影響を及ぼしました。政府間ベースの交渉を前進させるのは関係当事者の相互間の信頼醸成であるのは論を待ちません。SPFでは、中東にとって石油よりも重要な意味を持つ水資源が長期的な中東和平の中核となる問題であるという認識のもと、さらに紛争地域における民間のイニシアティブによる信頼醸成の機会を提供するという観点から、早くも1992年に国際水資源協会のビスワス教授によって組織された中東水問題の国際会議を助成しました。この国際会議の延長として、1993年には新たに当財団の助成によりビスワス博士を中心に技術、経済、政治、社会、環境という各分野の国際的な第一人者からなる「中東水委員会」が組織され、4年間にわたり中東の水資源開発と管理に関して中東各国に受入可能な代替案の検討と解決へのシナリオを検討してきました。この間、委員会の各委員はイスラエル、パレスチナ、ヨルダン、シリア、トルコ等の水関係の政府代表や国際援助機関ならびに先進国の援助機関の関係者等と精力的に意見交換を行い、特に最終年度である今年度はマルセイユにおいてシリアならびに中東関係各国の水資源関係政府高官と国際援助機関の代表を集め、今後の中東における水問題解決のための非公式協議を開催しました。この非公式協議においては、水資源不足国であるパレスチナ、ヨルダン、シリアにおける新技術による水供給増加の可能性、ならびに周辺国であるトルコ、イラク、エジプトからの水供給の可能性と協力の具体的措置が討議の中心となりました。また、これまでの研究成果はオックスフォード大学から『Core and Periphery:A Comprehensive Approach to Middle Eastern Water』と題して出版されました。特筆すべき成果として、これまでの5年間、公式・非公式を問わずこのような場には姿を見せなかったシリアの水問題担当の政府高官が中東各国との話し合いのテーブルにつき、周辺各国との関係改善のための具体的な示唆がなされたこと等があげられます。さらに、「中東水委員会」の活動そのものがNGOによる紛争解決と仲介機能にむけてのひとつのあるべき姿を提示したことも特記したいと思います。
一般事業 揺れる国民国家と新たなる地球社会 に属する事業
- 予防外交と日本の役割 日本予防外交センター設立支援
- 地域紛争とビジネスリーダーの役割
- 文化と民族-アジアの民族共存メカニズム探求
- アジア太平洋地域におけるアメリカの役割:21世紀へ向けての日米関係の含意
- 北東アジアの多国間非公式対話促進
- 北東アジアの多国間非公式対話促進-朝鮮半島の経済改革政策研究
- 北東アジア多国間非公式対話促進-朝鮮半島の市場経済人材育成
- 米国-アジアの対話促進
- 中東における新たな対話メカニズムの促進
- 予防外交と日本の役割
- 文化と民族-アジアの民族共存メカニズム探求
- アジア太平洋地域におけるアメリカの役割:21世紀へ向けての日米関係の含意
- 日本・米国・中国と東アジア
- 文化と民族-アジアの民族共存メカニズム探求
- 予防外交と日本の役割
- 朝鮮半島和平へのシナリオ再考
- ニュージェネレーション・リーダーシップ
- 日本・米国・中国と東アジア
- 文化と民族-アジアの民族共存メカニズム探求
- ヨーロッパとアジア太平洋地域の協調戦略