会長からのご挨拶

公益財団法人 笹川平和財団会長 田中 伸男

笹川平和財団は、国際社会をフィールドに民間財団ならではの自由な発想と手法により、人間社会の新しいガバナンスのあり方を追求するために自ら積極的に活動し、政策提言、国際協力、国際交流を促進する公益財団法人です。

2017年度は、中長期的な観点から財団運営の在り方を見直し、当財団が実施する公益事業のさらなる充実に努めるため、3つの大きな組織改革を実行しました。

1つ目は、資産運用の効率化の視点から、限られた運用益を公益目的事業に効果的に配分することを目的として、地域別にできていた特定資産の一部を統合しました。2つ目は、ミッションの実現に向けた新たな重点目標として、日米関係のさらなる強化、アジアにおける日本のプレゼンス拡大、中東地域を中心とするイスラム諸国への理解と関係強化、海洋ガバナンスの確立、女性のエンパワーメントの5つを設定しました。3つ目は、5つの重点目標を達成するために予算の柔軟な執行方式や事業部門を統廃合し、環境の変化に応じてフレキシブルに事業を執行できる体制に移行しました。

事業活動における新たな取り組みにおいては、当財団の運用資産のうち100億円を限度として投資し、東南アジア地域の女性と女性起業家の支援を目的とする「アジア女性インパクトファンド」を創設しました。

世界情勢は、米国第一主義を掲げるトランプ政権が、戦後のリベラルな国際秩序に自ら背を向け、同盟国との関係性を弱体化させています。米国の影響力が低下するなか中国やロシア等が影響力拡大を図り、中東でもサウジアラビア、イラン、トルコ等の地域大国を中心に勢力図が大きく変化し、新たな武力衝突の懸念が高まっています。欧州では、ポピュリズム支持の拡がりが一息つくかに思われましたが、ドイツにおける選挙後の政権基盤の流動化や困難さを示す英国のBREXIT交渉、ギリシアの債務危機など、いまだ先行き不透明な状態にあります。

日本周辺では、北朝鮮の核・ミサイル開発がかつてないほどの緊張をもたらしました。最近の南北和解、核放棄に向けた米朝の動きは歓迎するものですが、決して予断を許しません。世界的なリーダー不在のなか、サイバー攻撃を含むテロへの対処はより難しくなり、各国の協調が求められる持続可能な開発目標(SDGs)の達成への向けての影響も懸念されています。こうした混沌とし先行き不透明な国際情勢のなかにあって、政府間交渉と違い既存の枠組みに捉われず独自の判断で対応できるトラック2(第2の道)の役割はますます重要となっています。

2018年度は、昨年度新たに設定した5つの重点目標を引き続き掲げ、事業計画を策定しました。民間の非営利組織ならではの自由な発想に基づき、長期的な視野を持ちつつも、上述のように激変する世界情勢の変化に対してより迅速に対処していけるような計画と柔軟性を意識した予算配分としました。

引き続き当財団は、自ら考え、実行することで、問題意識を共有する世界中の方々と協働し、政策立案に貢献するユニークな財団組織としてさらなる成長を目指します。

皆様のご期待に添うべく、積極的な公益事業を展開してまいります。何卒ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

2018年 4月

公益財団法人 笹川平和財団
会長 田中 伸男

財団について
助成申請
日米交流事業
年度
年度
メルマガ登録はこちら

ページトップ