アフターコロナにおける財団の役割
笹川陽平名誉会長「国際協力・理解のための民間組織」
角南篤理事長「壁なくし共存社会構築を」

「アフターコロナ」を見据え、笹川平和財団が果たすべき役割や情報発信の重要性などについて、笹川陽平名誉会長と角南篤理事長が対談しました。

笹川平和財団 名誉会長 笹川 陽平

 角南理事長 新型コロナウイルス禍で、世界はさまざまな影響を受けました。
 笹川名誉会長 アメリカのトランプ前大統領は自国ファーストの政策を強力に進め、WHO(世界保健機関)からの脱退も通告しました。またドイツ、フランス、イギリスの3カ国によって秩序が保たれていたEU(欧州連合)から、イギリスが脱退した。戦後長い間培ってきた国際機関や地域連合などの枠組みが崩壊しつつあることが、大変な懸念材料になっているところに、今度は新型コロナウイルスの感染拡大により、資本主義社会の原則であるヒト、モノ、カネの移動が壊滅的な打撃を受けた。近代社会においてこれほど深刻な状況に陥ったことは、スペインかぜの流行以来、初めてのことです。

 アフターコロナの社会をどうしたらいいのか、どのような新しいステージ、世界秩序を築いていくのかということが、最大の問題なのではないでしょうか。そうした中で、笹川平和財団はどのような仕事をしていくのか、非常に重要です。
 角南理事長 世界が徐々に分断していく中で、我々のミッションは逆に、人類の宗教、歴史などによって作られた人と人との間の壁をなくして、共存していく社会を築くことです。国家レベルでは逆行しており、民間財団である笹川平和財団への国内外の期待は非常に大きいと感じます。
 笹川名誉会長 人と人とのつながりによって政治、思想、宗教、人種、国境を越えたヒューマンなお付き合いができるわけで、この基盤があらゆるものの出発点になる。政治活動と笹川平和財団の活動というものはまったく違い、基盤をしっかり押さえていくことは、大変地味で時間がかかることではありますが、実は最も重要なことではないでしょうか。国際協力・理解のための民間組織は、笹川平和財団しかないのです。

情報発信を強化

 角南理事長 そうした仕事をする財団、組織はなくなってきています。もう一度原点に立ち返りやっていきたい。財団の全職員と一緒に、アフターコロナにおける我々の役割について議論しており、笹川平和財団らしい仕事をしっかりやっていきたいと思います。
 我々の活動をさらに期待に応えていくものにするために、何か新しい手法と考え方も取り入れなければなりません。笹川平和財団は世界と仕事をしており、我々の事業などに関する情報を、英語で海外へいっそう発信していく努力も必要です。コロナ禍で人と人が会えない中で、オンラインなどを使った情報発信にも、ますます力を入れなければなりません。
笹川平和財団 理事長 角南 篤
 笹川名誉会長 逆に言えば、ウェビナーの活用もそうですが、コロナ禍によって人との付き合い方や連絡、交流の方法がもっと容易になった。そういう点では、国際交流の在り方が新しい時代のものへと相当変わってきたし、また変わっていくべきではないでしょうか。
 それと日本人のメンタリティには、国際社会で通用しない部分がひとつあります。自分たちがやってきたいいことをアピールすることは、はしたないことだという日本人の伝統があり、この「隠匿の世界」が国際社会では大変マイナスに作用している。知る人ぞ知るでは立ち行かない時代です。日本も財団も、海外へもっと情報を発信していくことが、とても大事なことです。

1+1=3…

 角南理事長 笹川平和財団は5つの重点目標を明示しています(こちらhttps://www.spf.org/about/program/)。その中に「海洋ガバナンスの確立」がありますが、世界から見ると、海洋の課題がますます取り上げられ、笹川平和財団海洋政策研究所が日本財団と一緒に海洋問題に長年取り組んできたことに、世の中が今、ついてきたという感じがしています。
 笹川名誉会長 海洋問題が人類の生存の原点だということに、ようやく気がつき始めた。これからのステージは、いわば「兄弟財団」である笹川平和財団、日本財団、東京財団政策研究所がお互いに情報交換、連携しながら、1足す1が3にも5にもなる新しいプロジェクトも開発し実施していただきたい。
 プロジェクトを作るうえでは、私たちがいいと思うものと、相手がいいと思うものとはまったく違う場合があり、一方的な押し付けでは独り相撲になりかねず、いい結果が出てこない。相手が何に興味をもっているのか、常に理解しながら進めることが大事です。
 角南理事長 笹川平和財団は人的資源が豊富で、職員一人ひとりが高い能力と専門知識、問題意識をもっています。
 笹川名誉会長 人材のリクルートということも大変重要です。優れた人材がいたらどんどん採用し、外国人もさらに入れて真の国際的な財団に成長してもらいたい。仕事の成果は、各人の能力にかかっています。
アフターコロナにおける財団の役割

(2020年10月13日に対談)

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