笹川日中友好基金
現代日本紹介図書
2010年発行:【現代日本紹介図書 001】 戦後日本の大衆文化カテゴリー区分 | 現代日本紹介図書 |
---|---|
発行 | 2010.06 |
著者/編者 | 鹈饲正树,永井良和,藤本宪一编/苑崇利,史兆红,秦燕春译 社会科学文献出版社 |
備考 | 中国語タイトル《战后日本大众文化》 ISBN978-7-5097-1425-6 |
著者は学術研究の立場から「大衆文化は何か」を究めるのではなく、戦後という時代から出発し、戦後日本の特徴を論じ、戦後日本社会に広く普及した物事に対して、文化の角度から解読を試み、そこから「大衆文化」の探求に繋げていきます。大きな視点として、「くらし」「家族」「からだ」「遊び」の4つが取り上げられ、具体的には、学校給食、冷蔵庫、ファミリーレストラン、結婚式と披露宴、子ども部屋、ゴールデンウェーク、ペット、健康法、化粧、野球、海外旅行、大道芸、写真など10以上の文化事象を分析しています。ふつう大衆文化といえば、テレビや漫画、映画などが注目されますが、本書では、大衆の日常的な生活にもっとも密接な関係を持っている事象(=文化)にスポットを当てることによって、まさしく大衆文化の真相を明らかにしています。このような視点は、中国の読者にとって新鮮味があるといえるでしょう。たとえば、学校給食ひとつだけ取り上げてみても、日本人のものの考え方やその当時の日本における状況を一瞥できるだけでなく、日本文化の深層につながるものが見出せるのではないかと思います。
