学長メッセージ

やしの実大学、学長挨拶

やしの実大学長 嘉数啓 琉球大学副学長

新学長就任 2007年4月より琉球大学嘉数啓副学長が2代目のやしの実大学学長に就任されました。

「やしの実大学」学長就任にあたって

著名な考古学者である條遠喜彦博士の後を継いで、おこがましくも「やしの実大学」の学長に就任した嘉数啓(かかず・ひろし)です。「やしの実大学」は、「ヤシ」をテーマにして学習する実体のある大学ではありません。笹川太平洋島嶼基金の自主事業として10年前に奄美でスタートし、石垣島、八丈島、佐渡島などを選んで、島について語り、島について情報交換し、島を舞台に国際交流する不定形、インフォーマルな「出会いの空間」であると理解しています。これまでのプログラムを拝見しますと、太平洋の島嶼地域からジャーナリスト、写真家、文化人類学者、学生、NGOなどの多様なバックグランドをもった参加者をお招きし、日本の島で「シマンチュ(Islanders)」同士の交流を行う企画が中心になっています。

学長就任の要請は、多分、琉球大学が2006年から、「やしの実大学」の公開講座をお引き受けし、実施プログラムを企画しているということが背景にあると思います。
2006年のプログラムでは、「沖縄・太平洋教育ネットワークイニシャティブ事業」の一環として、高校生、大学生を中心に水問題をテーマとした学習交流会をパラオ共和国で実施しました。その後、舞台を奄美に移して、パラオ、ミクロネシア、グアムからの学生と沖縄、奄美からの学生、教員、一般市民が参加する水問題に関する「奄美交流フォーラム」を開催しました。本プログラムを企画・実施しているのは琉球大学アジア太平洋島嶼研究センターです。

小職はエコノミストですが、島嶼研究をライフワークとしています。これまで沖縄のすべての有人離島を回り、日本本土周辺の島々はむろんのこと、ハワイの島々、東シナ海、南太平洋、カリブ海、インド洋、地中海などの島々を訪問し、論文あるいはエッセイを書いてきました。南太平洋については、アジア開発銀行に赴任していた頃の担当地域ということもあって、何度か足を運び、多くの論文を書きました。1994年に国際島嶼学会を沖縄で旗揚げし、ユネスコ傘下の国際島嶼発展協議会(INSULA)の東アジア地区代表、日本島嶼学会の会長なども仰せつかっており、島嶼学(nissology)の構築にも力を注いでいます。

人口100万人前後の有人島は世界に約18万ありますが、そのすべてが異なった自然、歴史、文化を持つと同時に、また深刻化する環境問題、経済自立など、共通の問題も抱えています。特に日本とも関係が深い南太平洋の島嶼地域は、沖縄の島々と共通するところが多く、相互交流によってお互いが得るところが多いことがこれまでの経験からわかってきています。「やしの実大学」という媒体を通して、島に興味をもつ人々が集い、島についての情報を共有し、微力ながらも島の課題解決につながるような活動ができればと思っています。

2007年7月24日
やしの実大学長
嘉数啓(琉球大学副学長)

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