インド北東部における記憶と記録
2019年度事業
所属 | アジア事業グループ |
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実施者 | 笹川平和財団 |
委託先名 | ズバーン出版、インド国民財団、セント・アンソニーズ大学、 認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭 |
年数 | 3年継続事業の1年目 |
事業形態 | 自主事業 |
事業費 | ¥30,000,000 |
事業概要
豊かな文化や民族的な多様さを持ちつつも、これまで紛争などに苦しんできたインド北東部において、現地住民が自らの手で、同地の記憶と記録を次世代に継承していくための支援を行います。出版活動や多文化共生イベントの開催、記録映像のアーカイブ化支援など、文化活動を通じて多文化共存と、地域全体の安定化に貢献します。
担当研究者
中村 唯
活動報告(出張報告、会議開催、イベント)
インド北東部出身のドキュメンタリー映像作家を迎えて
1989年以来、山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)は世界中のドキュメンタリー映像作家の登竜門としての地位を確立してきました。通算16回目の「YIDFF2019」(2019年10月10日~17日)では、当財団とYIDFFの協同特別プログラム「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」が話題を集め、インド北東部のドキュメンタリー作品16本が上映され、5人の映像作家を招いてのトークやシンポジウムも開かれました。インド北東部を代表する映画監督であるアリバム・シャム・シャルマ氏をはじめ、ハオバム・パバン・クマール氏、ピンキー・ブラフマ・チョウドリー氏の3人に、YIDFFでの体験や歴史資料としてのドキュメンタリー映画の役割、ドキュメンタリー映画制作に抱く将来の期待などについて話を伺いました。
(英文記事)
1989年以来、山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)は世界中のドキュメンタリー映像作家の登竜門としての地位を確立してきました。通算16回目の「YIDFF2019」(2019年10月10日~17日)では、当財団とYIDFFの協同特別プログラム「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」が話題を集め、インド北東部のドキュメンタリー作品16本が上映され、5人の映像作家を招いてのトークやシンポジウムも開かれました。インド北東部を代表する映画監督であるアリバム・シャム・シャルマ氏をはじめ、ハオバム・パバン・クマール氏、ピンキー・ブラフマ・チョウドリー氏の3人に、YIDFFでの体験や歴史資料としてのドキュメンタリー映画の役割、ドキュメンタリー映画制作に抱く将来の期待などについて話を伺いました。
(英文記事)
インド北東部特集プログラム―山形国際ドキュメンタリー映画祭
「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」―。今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭(10月10日―17日)では、笹川平和財団の企画協力により、インド北東部の作品と監督をフィーチャーした特集が初めて組まれ、11日から4日間にわたり計16本が上映されました。
YIDFFとの共同特別プログラム「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」パンフレット
「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」―。今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭(10月10日―17日)では、笹川平和財団の企画協力により、インド北東部の作品と監督をフィーチャーした特集が初めて組まれ、11日から4日間にわたり計16本が上映されました。
YIDFFとの共同特別プログラム「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」パンフレット
笹川平和財団とズバーン出版社の共同事業
Fragrance of Peace: Preserving and sharing histories and memories of Northeast India(平和の香り:インド北東部の歴史と記憶の保存と共有)
2016年、「インド北東部に係る情報発信」の一環として、笹川平和財団とズバーン出版社は、インド北東部において大々的な文化・文学なプログラムである「平和の香り」プロジェクトを立ち上げました。その事業は、2019年度から「インド北東部の記憶と記録」に引き継がれています。
目的
本取り組みは、北東部地域における対話、文学交流、平和構築を通じたネットワークの構築と連帯感の醸成を目的として開始されました。また、この地域のアーティスト、作家、ジャーナリスト、研究者がそれぞれの地域の特殊性について議論し、アイデアを出し、活動するためのプラットフォームを構築し、インド各地の文学祭、ブックフェア、文化イベントに参加することで、これらの対話を支援することを目的としています。
最近の活動
これまで、インド北東部から女性作家や研究者を招き、ジャイプール、ムンバイ、コルカタなどの主要な文学・文化祭でパネルディスカッションなどのイベントを開催してきました。また、インド北東部地域出身の女性やマイノリティの人々によるフィクション、ノンフィクション、翻訳などの書籍の出版も行っています。代表作には、例えば、『センターピース:インド北東部の新しい執筆と芸術(Centrepiece: New Writing and Art from Northeast India)』(2017)、『言葉を紡ぐ:マニプールからの書き物(Crafting the Word:Writings from Manipur)』(2019)、『私という多くのもの:ナガランド(The Many That I Am: Nagaland)(2019)があります。ちなみに、2020年に予定されている書籍は、アルナチャル・プラデーシュ州の女性によるアンソロジー(選集)の他、異なる北東部の州と隣接する地域出身の作家による、「ホーム:家、ふるさと」をテーマにしたフィクション、ノンフィクション、詩、イラストのコレクションが計画されています。
また、研究助成金を創設することで、同地域の若手作家や研究者への支援も拡大しています。2019年に2年目を迎える本研究助成は、インド北東部の若手作家や研究者の育成を促進し、多様な視点から見た制作・研究活動に貢献することを目的としています。さらに、ジェンダーに焦点を当て、女性・マイノリティの歴史という幅広い枠組みに照らし合わせた研究論文・エッセイ・口承史を通して、この地域における新しい知の創造を後押ししたいと考えています。
研究助成プログラムの一環として、ズバーンはまた、助成対象者と審査員、メンター、著名な作家、ジャーナリストなどが参加する執筆方法論ワークショップを開催し、方法論の問題、研究と執筆のフェミニズム的倫理、紛争地域での執筆の課題などを取り上げています。これらのワークショップはまた、相互学習を促し、作家や研究者が助成期間中、さらなる関与と支援のための場を提供します。
Fragrance of Peace: Preserving and sharing histories and memories of Northeast India(平和の香り:インド北東部の歴史と記憶の保存と共有)
2016年、「インド北東部に係る情報発信」の一環として、笹川平和財団とズバーン出版社は、インド北東部において大々的な文化・文学なプログラムである「平和の香り」プロジェクトを立ち上げました。その事業は、2019年度から「インド北東部の記憶と記録」に引き継がれています。
目的
本取り組みは、北東部地域における対話、文学交流、平和構築を通じたネットワークの構築と連帯感の醸成を目的として開始されました。また、この地域のアーティスト、作家、ジャーナリスト、研究者がそれぞれの地域の特殊性について議論し、アイデアを出し、活動するためのプラットフォームを構築し、インド各地の文学祭、ブックフェア、文化イベントに参加することで、これらの対話を支援することを目的としています。
最近の活動
これまで、インド北東部から女性作家や研究者を招き、ジャイプール、ムンバイ、コルカタなどの主要な文学・文化祭でパネルディスカッションなどのイベントを開催してきました。また、インド北東部地域出身の女性やマイノリティの人々によるフィクション、ノンフィクション、翻訳などの書籍の出版も行っています。代表作には、例えば、『センターピース:インド北東部の新しい執筆と芸術(Centrepiece: New Writing and Art from Northeast India)』(2017)、『言葉を紡ぐ:マニプールからの書き物(Crafting the Word:Writings from Manipur)』(2019)、『私という多くのもの:ナガランド(The Many That I Am: Nagaland)(2019)があります。ちなみに、2020年に予定されている書籍は、アルナチャル・プラデーシュ州の女性によるアンソロジー(選集)の他、異なる北東部の州と隣接する地域出身の作家による、「ホーム:家、ふるさと」をテーマにしたフィクション、ノンフィクション、詩、イラストのコレクションが計画されています。
また、研究助成金を創設することで、同地域の若手作家や研究者への支援も拡大しています。2019年に2年目を迎える本研究助成は、インド北東部の若手作家や研究者の育成を促進し、多様な視点から見た制作・研究活動に貢献することを目的としています。さらに、ジェンダーに焦点を当て、女性・マイノリティの歴史という幅広い枠組みに照らし合わせた研究論文・エッセイ・口承史を通して、この地域における新しい知の創造を後押ししたいと考えています。
研究助成プログラムの一環として、ズバーンはまた、助成対象者と審査員、メンター、著名な作家、ジャーナリストなどが参加する執筆方法論ワークショップを開催し、方法論の問題、研究と執筆のフェミニズム的倫理、紛争地域での執筆の課題などを取り上げています。これらのワークショップはまた、相互学習を促し、作家や研究者が助成期間中、さらなる関与と支援のための場を提供します。
成果物
Crafting the Word:Writings from Manipur (2019年度)
The Many That I Am: Writings from Nagaland (2019年度)
e-Essays from the Northeast(2018~2019年度)
The Many That I Am: Writings from Nagaland (2019年度)
e-Essays from the Northeast(2018~2019年度)