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「小さき民」の抵抗運動

 紛争の根源と本質を理解するために、歴史を駆け足で紐解かねばなるまい。
 「パタニ王国」はかつて、海洋交易の要衝として栄え、東南アジアにおけるイスラム教育の要所でもあった。パタニから日本の長崎に入港した貿易船の記録も残っているという。この王国を交易拠点とするアユタヤ朝(シャム=タイ)はやがて、朝貢国としてパタニを支配し、何度も反乱を抑え込んだ。
 堀場の共著「中東・イスラーム世界の歴史・宗教・政治」(明石書店)などによると、19世紀に入りパタニは、シャムの中央政府の直轄統治下に置かれる。1902年にはスルタン制も廃止された。そして1909年、マレー半島を植民地として支配していた英国と、タイとの間で、現在のタイとマレーシアの国境が画定される。この国境により、旧パタニ王国の地域は割譲され、末裔たちはタイの深南部と、マレーシアのクランタン州などに分かれて生きることになった。
 深南部ではタイ政府による統合・同化政策が進められ、パタニの人々の反発を引き起こしていく。例えば、マレー語やアラビア語の名前を名乗ることは禁じられ、教育や行政機関での公用語には、タイ語の使用が義務付けられた。
 1947年には、カリスマ的なウラマー(イスラム教の指導者)であったハジ・スロンが、タイ政府に対し、公用語としてタイ語とマレー語を併用することなど、7項目の要求を突きつける。彼をタイ当局が投獄したことから、ナラティワートでは暴動が起こった。ハジ・スロンは7年後に釈放されたものの、行方不明となった。
「パタニ」の人々から、今も英雄と仰がれているハジ・スロンの肖像画

「パタニ」の人々から、今も英雄と仰がれているハジ・スロンの肖像画

 この事件の後、政府は統合・同化政策をいっそう強化していく。これに反発を強めるマレー系イスラム教徒は、1960年代から70年代にかけて、パタニ解放戦線(BRN)など多くの武装組織を結成し、武力闘争化していった。
 とりわけタクシン政権下の2004年1月には、ナラティワートにある軍施設への攻撃へと発展し、100人を超える武装集団によって大量の武器が略奪され、4人の兵士が殺害された。この年の4月には、武装集団が「クルセ・モスク」に立てこもり、軍兵士はモスクを襲撃し31人全員を射殺した。さらに、10月には国境の町タクバイで、デモに参加したイスラム教徒がタイ軍兵士に逮捕され、軍施設へ移送される途中に78人が窒息死する事件も起こった。この2つの事件にイスラム教徒は激怒し、反政府攻撃が急増する。
武装したイスラム教徒が立てこもり、射殺されたクルセ・モスク。 多数の弾痕が残っている

武装したイスラム教徒が立てこもり、射殺されたクルセ・モスク。 多数の弾痕が残っている

 堀場は指摘する。
 「深南部紛争の要因は、政府の同化政策による『パタニ・マレー』というアイデンティティの喪失に対する懸念であり、政府の対応は不正義だという不信感だ」
 タイのある歴史家は「パタニの紛争は、小さき民の抵抗だ」と書いた。武装組織は犯行声明を出すでもない。ゲリラ戦による抵抗運動だという見方もされている。
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