書籍『「台湾有事」は抑止できるか -日本がとるべき戦略とは-』の刊行
公益財団法人笹川平和財団(東京都港区 理事長・角南篤)は2024年11月5日、安全保障研究グループが2022年~2023年にかけて実施していた「日米台安全保障研究」事業における研究成果として、書籍『「台湾有事」は抑止できるか -日本がとるべき戦略とは-』を刊行いたしました。
笹川平和財団では、多極化と大国間競争が同時並行的に進行する国際社会において、国際平和活動および各国の関わりが転換期にあることを踏まえ、その動向を把握し、国連やその他の主体による平和活動への関与の在り方を明らかにすべく、2022年度から「国際平和活動の今後」と題した研究事業を行っています。この事業ではこれまで、国連平和維持活動(PKO)に留まらず、欧州連合やアフリカ連合などが行う各種の平和活動、さらにはそれらを踏まえた日本による今後の国際平和活動への関与について議論を重ねてきました。
今般、日本で暫く意識されることのなかった国際平和活動について、最新の情報とともに、その現状と展望を示すことを目的として、国連や欧州連合などに焦点を充てた冊子シリーズを発行します。「ポスト冷戦後」世界と称される新たな秩序をめぐる国際社会のせめぎあいにおいて、国際平和活動も新たな意味を持ちつつあります。この動向を正しく把握し、日本の抱える各種の制約を踏まえつつ適切に対応することは、相対的な国力の低下とともに国際的な影響力に陰りを見せる日本にとって意味のある事ではないでしょうか。
本シリーズの冊子が読者の国際平和活動についての認識を新たにし、日本の関与について再考する一助となれば幸いです。
<その他のレポート>
レポート「国際平和維持活動(PKO)-『停滞』の構造と新たな方向性の模索 |(山下 光)
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Report "UN and its Peace Efforts in the Era of Great Power Rivalry" (Stephen Browne)
レポート
「欧州連合(EU)の安全保障アクターとしての発展と危機管理における日EU協力の可能性
-CSDPミッションの展開を手掛かりに-」(田中(坂部)有佳子)
カテゴリー区分 | 日本語論文紹介 |
著者 | 田中(坂部)有佳子 |
発行 | 2024.11 |
目次 | 1)CSDPミッションの趨勢と特徴 (1)趨勢:ミッション設立、派遣先 (2)CSDPミッションの特徴 (3)予算枠と人員 (4)第三国とのパートナーシップ 2)CSDPミッションの安全保障上の位置づけと課題:EUが結ぶ パートナーシップと統合アプローチの採用から (1)国連とのパートナーシップ深化にみる国際安全保障環境への 対応 (2)欧州共通の課題としての地域的安全保障環境への対応 (3)危機管理における紛争予防志向と統合アプローチを 適用することの課題 3)EUによるアフリカへの平和と安全保障への関わり: 統合的アプローチの適用の実態と示唆 (1)対ソマリア協力にみるEUの多様なツールとその連携 (2)平和と安定分野におけるEU-国連-AUの三角連携 おわりに―危機の認識、多面的、多層的な 協力イニシアティブの調整 |