
政策提言「防衛力における人的基盤の強化にむけて」
笹川平和財団では2024年4月、安全保障に係る政策立案・実務における有識者をメンバーとして「安全保障戦略のあり方研究会」を立ち上げ、防衛力の人的基盤強化に向けて、第三者の視点を活かした既存の枠組みにとらわれない大胆な発想で検討を行って参りました。この度、政策提言「防衛力における人的基盤の強化にむけて」を公表します。
笹川平和財団は、豪州シドニー大学米国研究センター(USSC)と共に、インド太平洋地域の戦略的危機に関する戦略シミュレーションを実施しました。このシミュレーションは、台湾海峡両岸危機と朝鮮半島の核危機という二つの相互に関連する危機を中心に行われました。日米豪の三カ国は、エスカレーション抑制、軍事的ヘッジ、関係国との関与を追求し、米国は地域安全保障の信頼性を示すかエスカレーションを回避するかの板挟みに直面しました。各チームの優先順位やリスク許容度に違いがありましたが、国際的ステークホルダーの関与が強調され、米国のリーダーシップの重要性が示されました。三カ国は異なる利害を抱えつつも妥協し、政策を調整する能力を発揮し、信頼関係が強調されました。
このシミュレーションには、各国から現職および元職の国会(連邦議会)議員の他、元大使、元外交官、退役将官を含めた、元政府高官などのシニアエキスパートが参加しました。報告書の目的は、インド太平洋地域の平和と安定に寄与するための重要な洞察を提供することです。