Ocean Newsletter
第54号(2002.11.05発行)
- シップ・アンド・オーシャン財団 海洋政策研究所長◆寺島紘士
- インフォメーション◆市川吉郎(ジェトロ・ニューヨーク・センター船舶部)
- インフォメーション◆Ship & Ocean Newsletter 編集部(監修:中原裕幸 (社)海洋産業研究会常務理事)
- インフォメーション◆Ship & Ocean Newsletter 編集部(監修:中原裕幸 (社)海洋産業研究会常務理事)
- インフォメーション◆Ship & Ocean Newsletter 編集部(監修:中原裕幸 (社)海洋産業研究会常務理事)
- ニューズレター編集委員会編集代表者 (横浜国立大学国際社会学研究科教授)◆来生 新
編集後記
ニューズレター編集委員会編集代表者 (横浜国立大学国際社会学研究科教授)◆来生 新◆特集「WSSDと主要国の海洋戦略」をお届けする。52号の「21世紀初頭における日本の海洋政策」特集と比較していただければ幸いである。
◆寺島オピニオンの指摘、わが国には縦割り各省庁の手に余る大きな問題を総括する常設の行政部局がなく、大きな問題ほど放置され対応がなされていない、をわが国の政策担当者はどう聞くのだろうか。アメリカ、カナダ、イギリス、EU、フランスそれぞれの国の最新の政策動向は、いずれも統合的沿岸域管理への傾斜をますます強めつつあるように見える。海の問題がさまざまな人間活動のある意味での最終の集約点での問題として発生し、多くの利害関係者がかかわり、そこでの利害の対立がしばしば異なる価値の対立となることは、各国共通の事情である。多人種国家であり、国民の合意形成がおのずとなる内心の合致ではありえないアメリカにおける、徹底した事前手続きの重視によるさまざまな情報の収集の手法は、わが国においても大いに学ぶべきものであるように思われる。
◆日本でさまざまな状況で「総合管理」という言葉が用いられ、なぜ「統合管理」という言葉が用いられないのか、本来、integratedの訳は統合ではないのか、という外国の友人の指摘を改めて思い出す。そこに強い原理での統一を嫌う日本的心情が無意識のうちに現れていると考えるのは編集子だけであろうか。
◆「鰯食ふ大いに皿をよごしては」(八木林之助)。いわしは世界的に食される魚である。焼くにしても、煮るにしても日本のいわしの味は醤油の香りと結びつく。地中海では塩で焼いてレモンで食べたり、トマトと煮る。韓国では甘辛く煮た鰯の身をほぐして、韮、しろじく、唐辛子、にんにく等で煮込むスープがある。各国風いわしの食べ合わせで、少しインターナショナルに世界の海に思いをはせ、すばらしく安上がりな晩秋の美味を楽しんでみてはいかが。(了)
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- 編集後記 ニューズレター編集代表(横浜国立大学国際社会学研究科教授)◆来生 新