【コロナ禍の米国シンクタンクの発信】

【コロナ禍の米国シンクタンクの発信】②
バイデン『大統領』の外交政策

2020年10月23日

佐野 裕太
笹川平和財団 日米グループ 研究員

 来月に迫った米国大統領選挙は、現在の世界の最大関心事といっても過言ではない。選挙結果は、今後の米国社会の姿や国際政治の動向に大きな影響を与えるだろう。世論調査ではバイデン候補の優勢が伝えられているが、仮に「バイデン大統領」が誕生した場合、米国外交の何が変わり、何が変わらないのだろうか。

 「【米国シンクタンク発信】新型コロナウイルスが変える国際政治」2回目となる本稿は、「バイデン『大統領』の外交政策」をテーマに、ハドソン研究所、ブルッキングス研究所、外交問題評議会のウェブサイトで公開された3つの記事を選んで紹介する。

 

1 2020年の先:民主党政権下のインド太平洋戦略

                                                           
 Beyond 2020: Indo-Pacific Strategy Under A Democrat White House
https://www.hudson.org/research/16002-beyond-2020-indo-pacific-strategy-under-a-democrat-white-house
著者:John Lee ハドソン研究所シニアフェロー
出典:ハドソン研究所ホームページ(2020年5月)
                                                           

 本論考は、「バイデン政権」下の米国の「自由で開かれたインド太平洋戦略」に関して、特にASEAN・東南アジア諸国との関係を中心に論じられたものである。筆者は、米中競争が今後ますます鮮明になる中で、バイデン氏は日本や豪州に加えて東南アジアの同盟国やパートナー国を重視し、場合によっては中国に対して厳しい姿勢をとるように彼らに圧力をかけるようになり、バイデン氏の東南アジア外交はブッシュ政権、オバマ政権、トランプ政権のいずれとも異なるものになると考えている。
 
序論

 コロナ危機の中にある米国にとって、中国との対峙は最大の優先事項となり、コロナ後においてもそれは変わらないだろう。トランプ政権下で進められた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)戦略」をはじめとする政策のうち、バイデン政権で何が引き継がれ、何が変わるのだろうか。
 
穏やかなレトリック、しかし継続する中国へのバランシング

 昨今の米国議会においては、チベット人権法や台湾旅行法が可決されたが、これらの法案成立には民主党も強い支持を示していた。また、バイデン政権が誕生した場合に高官となることが予想されるカート・キャンベル(Kurt M. Campbell)とジェイク・サリバン(Jake Sullivan)は、外交上の目的はグランド・バーゲンいわゆるG-2ではなく、「軍事、経済、政治、グローバル・ガバナンスの4つの主要な競争領域で中国との共存の有利な条件を確立すること」と主張している。トランプ政権における中国への対立的アプローチはそのままバイデンに引き継がれるだろう。

 バイデン氏の認識は、中国との戦略的競争の現実へと徐々に移行している。バイデン政権下では、例えば「競争(rivalry)」ではなく「競争的共存(competitive coexistence)」というように、使用される言葉や表現は現政権から大きく変わるだろうが、中国へのバランシングや対峙が最大の外的挑戦であることに同意する民主党のエスタブリッシュメントや穏健派が後退することはないだろう。ただし、中国の挑戦をどのように迎え撃つのかという点について、バイデン政権は自身とトランプ政権とを異なるものにしたいとも考えている。
 
差異ある「自由で開かれたインド太平洋」

  民主党政権になっても、ほとんどのインド太平洋戦略は維持される。日本との同盟は最もプライオリティが高いだろう。台湾の政治的戦略的重要性は高まる。南シナ海においては、中国の冒険主義への抑止が強調される。

 外交政策における現トランプ政権に対する最大にして一貫した民主党の批判は、「米国第一(America First)」に要約される「単独主義(unilateralism)」に向けられたものである。しかし、仮に民主党政権になっても、米国における多国間アプローチに対する懐疑論は消えないだろうと考える向きもある。「米国第一(America First)」は拒否され、多国間制度やアプローチへの敵対性は今ほどではなくなるが、単独主義(unilateralism)やアドホックな連合(ad hoc coalitions)への依存はより強まるだろう。

  それでも、同盟国の基地提供やコミットメントといった負担に関する議論は減少する。トランプ氏は同盟国やパートナー国に対して「米国にとってどのような利益があるのか」との問いへの答えを求めてきたが、それに代わって、バイデン氏は「中国の挑戦に対峙するため、米国と同盟国・パートナー国は協働して何を行うべきか」との問いを提起するだろう。
 
ASEAN及び加盟国にとっての良いニュースと悪いニュース

  バイデン氏は、自身の政権を、日本の安倍政権をまねて、「好ましい秩序の保証人(a guarantor of the preferred order)」、「問題解決者(a problem solver)」として位置付けようとするだろう。しかし、それはトランプ大統領より前の外交アプローチに戻ることを意味するわけではない。バイデン氏の下で、より大きな負担が東南アジア諸国にかかる可能性がある。バイデン氏が東南アジアに再び重点を置いているのは、これらの国々が「ステップアップ(step up)」するとの期待による。

  「米国は東南アジアおよびインド洋全体に軍事的プレゼンスを拡大し、中国の戦略的・戦術的環境をより複雑にする必要がある」という民主党の主張について考えてみると、同じ目的を達するために日豪に頼ってきたトランプ政権とは異なり、バイデン政権は東南アジアの同盟国やパートナー国に対して安全保障上の負担に貢献させようとして、より積極的なアプローチをとることを要求する可能性がある。

  また、民主党内には「米国は中国との構造的不均衡に苦しんでいる。中国は知的財産盗用、技術強制移転、補助金等によって国際経済システムに違法に対抗しており、彼らは地経学を競争の主戦場と見ている」というコンセンサスがあり、中国の経済的ふるまいに対して同盟国・パートナー国・友好国と共に集団的な経済・外交行動をとる可能性が高い。そのような中で、米国は、東南アジア諸国が一帯一路構想のような略奪的・不透明な中国の経済慣行に中立的な態度をとることを認めないだろう。中国と東南アジアの政権エリート間の腐敗や内部取引についても、黙ったままではいないだろう。

  民主党政権は、米国への脅威や挑戦に対してより集団的な対応を試みる中で、ASEANと別個に行動するのではなく、ASEANを通じて米国の課題を解決し、戦略を実行することを目指すだろう。中立性を強調するASEANの行動計画をバイデン政権が尊重することはないが、バイデン政権はASEANを無視したり軽視したりすることはなく、むしろ特定の問題に対しては、ASEANおよびその構成国が中国により強い姿勢をとるよう、彼らに圧力をかけることになる。そして、もしそれがうまくいかない場合には、米国はASEANに重点を置かず、米国と同じ考えを持つASEAN構成国やクアッド(日米豪印)のような存在に集中し、クアッドの役割の制度化や拡大を求めていくだろう。

  民主党は、価値観の「兵器化(weaponisation)」との言葉を是認こそしないだろうが、民主党の外交政策エスタブリッシュメントや人権派の中では、常に政治的価値観にその焦点が当てられている。トランプ氏は対中政策や地域政策において価値観を強調することはあまりなかったが、バイデン氏はこれまで頻繁に強調してきており、「民主国家のためのグローバルサミット(バイデン氏が大統領就任1年目に世界中の民主主義国家の首脳を米国に招いて開催し、民主主義国家の共通のアジェンダを策定することを計画するもの)」を通じた「米国の道徳的リーダーシップ(America’s moral leadership)」の再建を目指していることもその一例である。バイデン民主党のインド太平洋戦略において、民主主義の促進とリベラルな価値観は際立つこととなるだろう。
 
結論

  東南アジアの人々は、「テロとの戦い」の失敗を経て、改めて同盟とパートナーシップの構築を重要視した第二期ジョージ・W・ブッシュ政権や、米国が一定の予測可能性があり他国にとっての脅威ではなかったオバマ政権を懐かしく思い起こしている。しかし、2020年11月の米国大統領選挙の結果いかんにかかわらず、そのような日々が戻ってくることはもうない。

  パンデミックの収束と経済再建の到来は、米中両国の関係を更に複雑なものにするだろう。新型コロナウイルスや大統領選挙が終わった後にいかなる事態が生じたとしても、米中競争はますます鮮明になり、地域の相互作用に影響を及ぼすことは間違いない。
 


2 バイデンは中国をどのように扱うべきか

                                                           
How should Biden handle China?

https://www.brookings.edu/blog/order-from-chaos/2020/05/28/how-should-biden-handle-china/
著者:Thomas Wright  ブルッキングス研究所シニアフェロー
出典:ブルッキングス研究所ホームページ(2020年5月)

                                                           

 本論考は、「バイデン政権」がとるべき対中政策に関して、昨今のEU・欧州諸国の対中政策の失敗に対する反省に基づいて提言を行う内容となっている。筆者は、米国や欧州が望むような協力を中国が提供することはなく、あくまでも中国の目的は民主主義国の分裂であり、米国としては国益や価値観において妥協することなく、他の考えを一にする民主主義国と共に中国と交渉することが重要であると考えている。

  バイデン氏は、トランプ大統領を、新型コロナウイルスをめぐって中国に甘すぎると批判した。バイデン氏が中国に対してより厳しいアプローチをとるというシグナルは、米国内の進歩派を不安にさせており、米国各紙には「アジア系米国人への差別を助長し地政学的対立を促進する『好戦的愛国主義(a jingoistic fantasy)』である(ピーター・ベナール:Peter Beinart)」、「トランプ氏に追随し新冷戦を招きかねず共通の課題に対してより中国と協力するべき(レイチェル・エスプリン・オデル:Rachel Esplin Odell、ステファン・ヴェルトヘイム:Stephen Wertheim)」、とのバイデン氏への批判が掲載された。

  しかし、筆者はこれらのバイデン批判に対して、「あらゆる進歩的な外交政策は中国に対する現実的な評価に基づかなければならない」と述べ、欧州の事例を用いながら反論を行う。欧州の経験は、中国との協力には限界があり、中国が他国の弱点や分裂を利用しようと常に考えていることを証明した。当初、EUは、中国との協力に関して米国との差別化を図ろうとし、2020年1月にコロナウイルスが発生した際には中国を支援し、中国の体制に対する批判を控え、そうすることで中国との間に善意の関係が築かれることを期待していた。EUの中国に対する姿勢は、想像できるいかなる米国の対中アプローチよりもソフトなものであったが、その結果、EU各国は落胆することになった。

  新型コロナウイルス危機の前から既に、中国はEUを分断しようと試みたり、欧州諸国における中国の政治体制への批判に圧力を加えたりしており、このような中国のEU各国に対する様々な行動によって、EU各国の政府の対中懸念は増大し、彼らの中国に対する態度は徐々に変わりつつあった。そして、コロナウイルスによって、中国の行動は更にエスカレートするようになった。このような中国の強硬姿勢はEUに対してのみならず、例えばコロナウイルスの起源に関する国際調査を提案した豪州政府に対し、牛肉の輸入禁止や大麦への高関税の措置を課したことにも表れている。

  現在、欧州の人々は、中国との経済統合が新たな脆弱性を生み出すことを懸念している。その結果、EUは、不本意ながら、中国に対してよりタフな外交的経済的アプローチをとるようになった。さらには、欧州の人々は、新疆ウイグル問題、香港問題、一帯一路構想等といった、リベラルな価値観に対する中国の直接的な挑戦についても徐々に理解している。

  バイデン氏を批判する進歩的な人々は「欧州は何を間違えたのか。EUの中国に関与しようとする熱意はなぜ報いられないのか」との問いに答えなければならない。結局のところ、これは、中国にとってはEUと協働して米国を孤立させる絶好の機会なのである。上記の問いに対する唯一の妥当な答えは「中国にはEUが提案しバイデンの批評家も望むような協力を提供する意思がないかもしくはその能力がない」ということである。

  米国の多くの進歩主義者はこのことを知っており、エリザベス・ウォーレン氏やバーニー・サンダース氏も、中国との安全保障上の競争のエスカレーションには懐疑的であったが、中国を政治的経済的、更には民主主義や人権の脅威と認識しており、アジアにおける米国の民主主義同盟国に対して支援することを強く主張している。その意味で、彼らは、同盟関係からの撤退を望むような以下の進歩派とは異なる。

  例えば、ベナール氏は、以前、「中台統一の推進を含む、アジアにおける中国の影響力の拡大を米国が受容する必要性」について書いている。また、ヴェルトヘイム氏は、「米軍のほとんどをアジアから撤退させ、グローバルな覇権を放棄すべき」と主張した。これらの主張に対し、筆者は、「米国の地政学的敗北と引き換えに中国が譲歩をする可能性は確かにあるが、しかし、それは、中国の欲望を刺激し、米国の同盟国を弱体化させるといった不安定化をもたらす」と反論する。(ただし、これらの進歩派の批判の中で、「中国政府と中国国民を区別し、あくまでも中国共産党政権と習主席に関して声をあげるべき」との指摘については傾聴に値するとも述べている。)

  民主党の対中政策は、中国政府の振舞に対する現実的かつ客観的な評価によって動かされるものでなければならない。そうであるからこそ、欧州の事例は重要だ。バイデン氏が中国との協力を確保するためには、米国の利益や価値を妥協するのではなく、考えを同じくする民主主義国と共に、1つの集団となって、強い立場から中国と交渉をすることが最良である。


 

3 外交政策における2020年大統領選挙候補者

                                                           
The 2020 Candidates on Foreign Policy

https://www.cfr.org/election2020/candidate-tracker?utm_medium=social_share&utm_source=emailfwd#diplomacy-and-foreign-aid
外交問題評議会2020 ELECTION SERIESの一環
出典:外交問題評議会ホームページ(最終更新2020年8月)

                                                          

 本稿は、外交問題評議会が、現職のトランプ大統領と、バイデン元副大統領の2人の候補の外交政策に関する14の項目について、両者のこれまでの実績や主張する政策を対比する形でまとめた記事である。上述の2本の論考とは形式が異なるが、トランプ外交と比較する形で分かりやすくまとめられており、想定されるバイデン外交の全体像を理解する一助になると考え、紹介する。

  なお、本稿はトランプ外交に批判的な色彩が強い箇所が散見され、バイデン氏の政策を比較的好意的に受け止めている内容であると感じた。特に、「コロナウイルス」については、単なる両者の政策の比較ではなく、「トランプ氏は新型コロナウイルスの脅威を繰り返し軽視(Trump has repeatedly downplayed the threat of the novel coronavirus disease, COVID-19.)」、「新型コロナウイルスを撃退するための連邦政府としての強力な努力を指揮することを拒んだ(resisted directing a strong federal effort to defeat it.)」といったように、筆者のトランプ政権への厳しい評価が垣間見える書きぶりとなっている。

  また、本稿を読む限りにおいては、トランプ政権とバイデン政権との間で、「中国」、「北朝鮮」のように脅威認識においてはあまり差がないが、その脅威に対抗する手段に大きな違いが見られるような問題と、「気候とエネルギー」、「コロナウイルス」、「経済政策」のように、そもそもの脅威認識や守るべき対象について双方に見解の相違がある問題とが存在していることが浮き彫りになる。米国政治に関心を持つ者としては、このような点に意識をしながら各項目を見ることで、より両者の政策の相違への理解が深まるように思われる。

 

中国

トランプ:米国の労働者を守るためには中国に対するアグレッシブな行動が必要。
バイデン:中国の勃興は深刻な挑戦であり、同盟国との緊密な連携が必要。
 
気候とエネルギー

トランプ:気候変動問題が人間の活動が原因かは不明であるとして、この問題に対し繰り返し疑問を投げかけ、米国国内の化石燃料生産拡大を擁護。
バイデン:気候変動問題は「私たちの安全に対する最大の脅威」であり、排出量削減や新しい技術・インフラへの投資計画を発表。
 
コロナウイルス

トランプ:新型コロナウイルスの脅威を繰り返し軽視し、新型コロナウイルスを撃退するための連邦政府としての強力な努力を指揮することを拒んだ。
バイデン:大統領の指導力を強化し、検査・追跡・治療等、(新型コロナウイルス対策として)必要なことは全て行うことを約束。
 
テロ対策

トランプ:国内での監視の強化、アフリカや中東でのドローンを利用したテロ組織への攻撃の拡大、移民・難民の入国制限の強化を主張。
バイデン:大規模な軍隊の配備ではなく、小規模特殊部隊と空爆によってテロリストネットワークと戦うことを主張。
 
サイバー・セキュリティとデジタル政策

トランプ:大手のテクノロジー企業が2020年大統領選挙で自らを負かそうとしていると主張し、彼らと反目。
バイデン:サイバーの脅威は、米国の国家安全保障、選挙の尊厳、民主主義の健全性にとって大きな課題であり、プライバシー、監視、ヘイトスピーチに関する慣行を改革するためにテクノロジー企業に圧力を与えるべきと主張。
 
国防

トランプ:軍の重視、中国との大国間競争、アフガニスタンや中東への関与削減。
バイデン:同盟とグローバル機関を通じた同盟の重要性を強調。
 
外交と対外援助

トランプ:国際的合意やコミットメントから撤退し、同盟国と対立。
バイデン:米国が対峙する挑戦には同盟国の緊密な関係なしでは太刀打ちできないと強調。
 
経済政策

トランプ:減税と規制緩和により、成長・革新・雇用創出を進めたと主張。
バイデン:中産階級の擁護者として経済の二極化を危惧。
 
移民

トランプ:合法移民、不法移民のいずれをも減らすことを主張。
バイデン:移民の出身国における根本的な原因解決に取り組む必要性を強調。
 
中東

トランプ:イスラエル、サウジアラビア、エジプトへの力強い支援とイランへの対立的姿勢。中東からの撤退。
バイデン:副大統領、上院議員としてのこれまでの経歴の中で中東外交や軍事政策に関与。
 
北朝鮮

トランプ:核開発計画を辞めさせるため、前例のない金正恩との直接交渉を実施。
バイデン:トランプによる金正恩との直接交渉は成功しておらず、金正恩を利するだけと批判。
 
ロシア

トランプ:ウクライナへの軍事援助の拡大。米露間の主要な軍備管理条約から撤退。
バイデン:NATO弱体化、EU分裂、米国の選挙制度の弱体化等、プーチン率いるロシアが西側民主主義の基礎を攻撃していると警告。
 
貿易

トランプ:グローバルな貿易制度が米国の国益を害していると主張。
バイデン:貿易自由化の支持者であり、トランプの関税政策を批判。
 
ベネズエラおよびラテンアメリカ

トランプ:キューバ、ニカラグア、ベネズエラを、腐敗した共産主義・社会主義体制として非難。
バイデン:トランプの政策はラテンアメリカとの関係を壊し、ベネズエラで更なる難民を生み出しているとして批判。
 


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おわりに
 

 3つの論考を通して、バイデン候補の主張や想定される政策について見てきた。仮にバイデン政権が誕生した場合、米国外交はトランプ政権下の4年間と大きく異なる部分もあるが、他方で、国際社会・米国社会の大きな流れの中で、大勢としては変わらない点があることも予想される。

 特に、米国の対中政策は、中国と向き合う上での同盟国や他の民主主義国との協力の仕方においてトランプ・バイデン両陣営の間に違いがあるとは言え、中国を脅威や挑戦者と捉え彼らといかに対峙していくのかという観点から外交政策が立案・実行されていく点では大きな違いはないようにも見える。

 いずれの候補が大統領になったとしても、日本としては米国との同盟関係を緊密なものとすることが必要であり、仮に民主党政権が誕生した場合には、安倍前総理がトランプ大統領との関係構築に成功したのと同様、菅総理がバイデン「大統領」との間で早期に信頼関係を築くことが重要であろう。

(了)

 
【参考】笹川平和財団がこれまでに発信したジョー・バイデン氏に関する論考

 中山俊宏「「不作為のトランプ的空間」としての日本:日本におけるトランプ評価の特異性」
● 久保文明「「バイデン政権」の外交を考える」
● 渡辺将人「「プロチョイス・カトリック」のバイデン」
● 中山俊宏「サンダースと敗退した候補たち」
● 渡辺将人「【大統領選挙現地報告】民主党主要候補集会の特質分析①バイデン、ウォーレン」
● 渡辺将人「民主党大統領候補としてのジョー・バイデン」

【参考】佐野研究員がこれまでに発信した【コロナ禍の米国シンクタンクの発信】の論考

【コロナ禍の米国シンクタンクの発信】①-米国主導の秩序の危機? (Part 1)
【コロナ禍の米国シンクタンクの発信】①-米国主導の秩序の危機? (Part 2)
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