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笹川日中友好基金グループ

2026年度中国伝統工芸関係者訪日交流を実施


2026.11.05
8分
 笹川日中友好基金は、中国の民間公益団体である上海世久非物質文化遺産保護基金会と協力し、2019年から日中両国の伝統工芸関係者の交流事業を実施しています。本事業は、伝統工芸・文化の担い手による相互訪問と交流を通じて、両国の相互理解を深め、日中文化交流の促進に寄与することを目的としています。2026年度の事業計画に基づき、10月20日から27日までの8日間、中国の伝統工芸関係者による訪日団を招へいしました。
 訪日団は、上海世久非物質文化遺産保護基金会の陳学栄理事長を団長とし、中国を代表する国家級の漆芸作家や陶芸作家、無形文化財の研究者、関係者ら9名で構成されました。一行は、岡山、兵庫、京都、奈良、滋賀、茨城などを訪れ、工房や文化施設の視察、伝統行事の見学、日本の伝統工芸関係者との交流を行いました。

訪日団一行が奈良国立博物館にて

◆備前焼の人間国宝・伊勢﨑淳氏の工房を訪問(10月21日)
 一行は岡山県備前市伊部にある備前焼の人間国宝・伊勢﨑淳氏の自宅兼工房を訪問しました。同年7月に逝去された伊勢﨑淳氏に代わり、長男の伊勢﨑晃一朗氏が一行を迎えました。訪日団は登り窯や穴窯を視察し、晃一朗氏と訪日団の陶芸家との質疑応答を通じて交流を深めました。また、伊勢﨑淳氏が制作した備前焼の茶碗で抹茶をいただき、故人を偲びました。

訪日団一行と伊勢﨑晃一郎氏

人間国宝・伊勢﨑淳氏作の備前焼茶碗を手にして交流

伊勢﨑家の薪窯を見学

伊勢﨑家の窯前で交流

伊勢﨑淳氏の工房を訪問

伊勢﨑淳氏の工房を視察

◆国宝・姫路城を見学(10月21日)
 同日午後、京都へバスで移動する途中、兵庫県姫路市の姫路城を見学しました。一行は大天守に登り、1993年に日本で初めて世界文化遺産に登録された、江戸時代初期の城郭建築を見学しました。限られた時間の中で、日本の歴史的建築に触れる機会となりました。

世界遺産姫路城碑の前にて記念写真

天守を背景にした記念写真

姫路城の木造建築を見学(1)

姫路城の木造建築を見学(2)

◆桂離宮、時代祭、鞍馬の火祭を見学(10月22日)
 午前中に京都の桂離宮を見学した後、京都御苑で京都三大祭の一つである「時代祭」を見学しました。明治維新から平安時代まで、約千年の歴史を衣装や行列で再現する祭りを通じて、京都に受け継がれてきた伝統と文化に触れました。夕方には「鞍馬の火祭」を見学し、大松明を掲げた人々が練り歩く伝統行事を間近で体感しました。

桂離宮を見学(1)

桂離宮を見学(2)

京都御苑で時代祭を見学(1)

京都御苑で時代祭を見学(2)

鞍馬の火祭を見学(1)

鞍馬の火祭を見学(2)

◆春日大社の展覧会と正倉院展を見学し、工芸関係者と交流(10月23日)
 一行は奈良を訪れ、午前中に春日大社で開催中の「工芸の巨匠 人間国宝北村昭斎ー蒔絵螺鈿の至宝と春日大社ー」展を見学しました。北村昭斎氏の子息である北村繁氏の解説を受け、蒔絵や螺鈿の作品を鑑賞しました。午後には正倉院展の内覧会に招かれ、奈良・東大寺正倉院に伝わる奈良時代を中心とした貴重な宝物を見学しました。中国、ペルシア、中央アジアなどを結ぶシルクロードを通じた、東西文化交流の価値を再認識する機会となりました。
 夕方の懇親会では、蒔絵の人間国宝・室瀬和美氏、色絵磁器の人間国宝・十四代今泉今右衛門氏、青磁の人間国宝・神農巌氏、重要無形文化財保持団体「柿右衛門製陶技術保存会」会長・十五代酒井田柿右衛門氏、MOA美術館館長・内田篤呉氏と交流しました。日中の伝統工芸関係者が一堂に会し、親交を深めるひとときとなりました。

春日大社国宝殿を訪問

国宝殿の展示を見学

日中伝統工芸関係者が第78回正倉院展内覧会を観覧

バス移動中に交流

東大寺を見学

戒壇院を見学

唐招提寺を見学(1)

唐招提寺を見学(2)

◆重要無形文化財「青磁」保持者・神農巌氏の工房を視察(10月25日)
 一行は京都から滋賀県大津市へ移動し、琵琶湖のほとりにある重要無形文化財「青磁」保持者・神農巌氏の自宅兼工房を視察しました。神農氏から温かいもてなしを受け、完成した青磁作品や制作中の作品を紹介していただきました。また、訪問の記念として神農氏が景徳鎮の陶土を用いて制作した青磁の煎茶碗を訪日団全員に贈っていただきました。

人間国宝神農巌氏の工房を訪問

訪日団一行が神農巌氏の工房関係者と

◆茨城県常陸大宮市で漆芸工房と漆の植栽現場を視察(10月26日)
 一行は東京から茨城県常陸大宮市へ移動し、漆芸作家の室瀬祐氏、本間健司氏の工房を視察しました。あわせて、本間氏が管理する漆の木の植栽現場を訪問し、漆芸を支える原材料の育成の現場にも触れました。

室瀬祐氏の工房を訪問

漆の木の植栽現場を視察

本間健司氏の工房を訪問

奥久慈漆生産組合の関係者と交流

 今回の訪日では、各地の陶芸や漆芸工房や窯、伝統工芸に関する展覧会、歴史的建築、伝統行事を訪ね、日本の伝統工芸・文化への理解を深めました。また、日本の伝統工芸関係者との直接交流を通じて、国境を越えて伝統工芸や伝統文化を継承する意義と価値を再認識しました。訪日団は、10月27日に8日間の日程を終え、帰国しました。
 笹川日中友好基金は、今後も日中両国の無形文化財保持者、無形文化財保護関連の事業に携わる両国の専門家の交流活動を企画・実施し、日中両国の文化交流と国民の親善促進に注力して参ります。
・笹川日中友好基金
・日中伝統工芸文化関係者交流Ⅲ
・日本の人間国宝が中国を訪問 中国の伝統工芸関係者と交流
・日本の人間国宝が中国を訪問
・中国伝統工芸文化関係者が来日
・震災復興へ想いをつなぐ日中交流
・書籍『日本の人間国宝・伝統工芸』刊行
 
笹川日中友好基金グループ 北東アジア地域
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