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海洋白書2019

海洋白書2019表紙
海洋政策研究所では、国内外の海洋・沿岸域に関するさまざまな出来事や動向を総合的・横断的にまとめた『海洋白書』を2004年に創刊し、これまで毎年刊行してきました。海洋白書は、最新の話題に合わせて毎年構成を見直しており、定型にはまらない章立てが特色のひとつです。中高生から専門家、政策決定者に至る幅広い読者に活用いただけるよう工夫をしています。16冊目となる『海洋白書2019』は、2018年の1年間の話題を中心に国内外の海洋の諸問題を分野横断的に整理し、概観しております。
海洋白書2019巻頭特集
昨年に続き13本のコラム記事を掲載するとともに、次のような刷新を行いました。
・創刊から続けてきた表紙をはじめとしたデザインを一新しました。
・初めて巻頭特集を導入しました。「なぜプラスチックが海の問題なのか」と題し、6月に大阪で開催されるG20でも議論される海洋プラスチック問題を取り上げました。1930年代から遡ったこの問題の経緯や、近年の国内外の取組みを紹介しています。
・より分かりやすく視覚に訴えるため、初めて見開きの図解を導入しました。海洋モニタリングや海洋エネルギー、資源の概観をイラストと写真で解説しました。

刊行にあわせて電子版(PDF)を公開します。下記の『海洋白書2019』の構成からダウンロードできます。

『海洋白書2019』

(ISBN978-4-425-53166-0 ※本号はファイルサイズが大きく一括ダウンロード版はございません)
・はじめに・目次

PDF 2.5MB

・巻頭特集 『なぜプラスチックが海の問題なのか』

PDF 3.7MB

第1部 海洋をめぐる取組み
第1章 科学技術が切り拓く海洋

PDF 14.9MB

 第1節 持続可能な開発のための海洋科学の10年に向けて
 第2節 フロンティアを切り拓く(新しい深海生命圏の姿/極地のサイエンス/海洋と宇宙の連携/深海探査の最前線)
第2章 海洋環境の保全

PDF 3.6MB

 第1節 海洋環境の保全に向けた取組み(海洋環境の保全に向けた国内外の動き/気候変動と海洋/海洋生物多様性の保全)
 第2節 ブルーエコノミーの展開と展望(ブルーエコノミーの世界動向/第2次竹富町海洋/基本計画「美ら海とともに生きる町」の策定)
第3章 海洋の新産業

PDF 17.7MB

 第1節 海洋開発を支える新技術
 第2節 海洋鉱物・エネルギー資源(海底のエネルギー・鉱物資源/NEDOにおける洋上風力発電の取組み)
 第3節 海洋産業の新たな潮流(水産業の成長産業化/港湾利用の新たな展開)
第4章 海洋の安全

PDF 4.2MB

 第1節 台風と沿岸防災
 第2節 沿岸域の海上交通安全
 第3節 海洋状況把握(MDA)の展開
 第4節 インド太平洋地域における海洋の安全保障
第2部 日本の動き、世界の動き
日本の動き

PDF 6.4MB

世界の動き

PDF 3.5MB

第3部 参考にしたい資料・データ

PDF 2.9MB

執筆者等

PDF 1.4MB

第1部の注目点

海洋プラスチックの問題を含め、海洋には科学的に解明されていない問題が多くあり、科学技術の側面からの取組みも欠かせません。そこで、巻頭特集「なぜプラスチックが海の問題なのか」に続く第1部の第1章は科学技術をテーマとしました。続く第2章から第4章は、「海洋環境の保全」(第2章)、「海洋の新産業」(第3章)、「海洋の安全」(第4章)という構成とし、第3期海洋基本計画の策定を受けたわが国の海洋環境の保全に関する取組み(第2章)のほか、70年ぶりの大幅な漁業制度改正(第3章)や台風と高潮(第4章)などの2018年の話題を中心に、国内外の取組みを紹介しています。以下が、各章の概要とご注目いただきたい話題です。章や節ごとに抜粋して参照いただけるように編集しました。関心のあるテーマを活用ください。
 

第1章(科学技術が切り拓く海洋):2021年からの開始に向けて議論がすすむ「国連海洋科学の10年」の動向に続いて、明らかになってきた深海生命圏の姿など、わくわくするような海洋の科学について掲載しています。北極海・南大洋のモニタリングや人工衛星、深海無人探査機など、フロンティア域でのイノベーションの最前線に迫ります。
 

第2章(海洋環境の保全):アワーオーシャン会議をはじめとした国内外の海洋環境の保全に関する取組みについて、気候変動と海洋や海洋生物多様性保全の国際的な最新の議論を掲載。また、国際的に注目されているブルーエコノミーについて、世界の動向を紹介するとともに、わが国の取組みをブルーエコノミーの観点から整理し、東南アジアや太平洋島嶼国などへの展開の可能性を示しています。
 

第3章(海洋の新産業):国際競争が進む海底油ガス田開発の最新技術を皮切りに、わが国のメタンハイドレート開発や海底鉱物資源開発、洋上風力発電の技術開発動向を、図解を交えながら紹介。また、漁業制度改正を受けた水産業の成長産業化や港湾の中長期政策「PORT2030」による今後の港湾利用について展望しています。
 

第4章(海洋の安全):台風と沿岸防災、海上交通安全などの2018年に注目されたテーマを深掘りするとともに、第3期海洋基本計画でも注目されている海洋状況把握(MDA)や自由で開かれたインド太平洋構想を取り上げました。
 

第2部の注目点

日誌形式で、国内外の2018年内の海洋に関する動向を分野別にまとめました。国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退や造船への公的支援を巡る日韓の議論、中国国務院機構改革の動向など、第1部で取り上げていない課題にも幅広く言及しています。
 

コラム記事

昨年の「海洋白書2018」に続いて、随所にコラム記事を散りばめました。2017年の国内外の海洋に関する動向を特徴付ける話題を、より身近に理解していただけるよう、豆知識を織り交ぜ、読みやすい内容を目指しました。本文とコラムをあわせ読むことで、多様で複雑な海洋の問題を深く理解していくきっかけになることを期待しています。

タイトル一覧: 世界海事大学に新研究所オープン/環境DNA が描き出す海洋生態系の顔ぶれ/深海を無人機で探る国際コンペ/船舶からの温室効果ガス排出量をゼロに/本格的に開始された公海の生物多様性をめぐる国際交渉/ブルーカーボンへの期待/洋上風力発電の普及に向けて―新法の成立―/人工衛星を用いた資源の国際管理/ホテルシップの活用に向けて/タンカー「SANCHI 号」事故が示す海洋管理にむけての課題/灯台150年/12年ぶりの黒潮大蛇行/東アジアの海洋安全保障の動向
 

第3部の掲載資料

第1部・第2部に関する資料として下記を掲載しています。

第3期海洋基本計画について/第3期海洋基本計画における具体的施策/我が国における海洋状況把握の能力強化に向けた今後の取組方針/健全な海洋及び強靭な縁眼部コミュニティのためのシャルルボワ・ブループリント(仮訳)/G7海洋プラスチック憲章(抄)/海洋プラスチックごみに対処するためのG7イノベーションチャレンジ(概要・仮訳)/漁業法等の一部を改正する等の法律案の概要/海洋再生可能エネルギー発電設備の整備にかかる海域の利用の促進に関する法律案

印刷版販売元

発行:2019年4月19日、(株)成山堂書店(TEL:03-3357-5861)
定価:本体2,000円(税抜き)/ISBN978-4-425-53166-0
販売:全国の書店等でお求めいただけます。
 

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