◆文部省唱歌「われは海の子」の7番までの全歌詞を楽譜つきで仕事上の親しい人から頂戴した。1番はかろうじて記憶に残ってはいるが、2番はやっと断片のみ、それ以降は全く知らずで、初見の歌詞に目をぱちくり。1番でもこんな歌詞だったかと思うのは我らがオヤジ世代。30代くらいのオジサン世代より下の若い人達はほとんど知らないのが実情では。戦後GHQの指令で4番以降は禁止されていたそうなので、最後まで知る世代は既にナシか。
◆「海の日特集」に笹川さんに特別出演していただいたが、簡潔な語り口に現在の海洋政策への思いがにじみ出てくるよう。内容に触発されて、せめてこれくらいは明日にでもどうかと編集子の思うところは、総理大臣が国会における施政方針演説の中で海洋国家としての基本理念を打ち出すこと。
◆3省庁のペーパー、国連での海洋法条約に関する最新の議論をビビッドに伝える外務省、沿岸域管理を中心に海洋政策の幅の広さの自覚が伝わる国土交通省、水産食糧生産の責務を必死に果たさんとする水産庁。読み終わって、もっと取り組みの実際を広報して欲しいものだとの気持ちにせかされたが、逆にそのことによって、霞ヶ関は情報発信がいささか不足しているのではないかと思い至った。しかし、トータルに見ると何かの不足感に襲われるのは何故、と自問しているところ。
◆冒頭の「われは海の子」の7番最後の歌詞は「いで軍艦に乗り組みて、われは護らん海の国」。ナルホドGHQさん仕方ないですかね。しかし、「海の日」に単にノスタルジーに浸るのではなく、海洋のもたらしてくれる恩恵への理解と、海洋の健全な利用と管理への取り組みの、どちらもが希薄であることを憂うる気持ちは、読者諸氏とも共有できるのではないだろうか。(了)
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