Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第47号(2002.07.20発行)

第47号(2002.07.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者 ((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆「海の日」に本誌創刊2周年記念も兼ねて増ページで海の教育特集をお届けする。神戸商船大学の原学長みずからの原稿をいただいた。海洋関係の就業者数が日本の総人口に占める割合はたかが知れているが、海洋立国日本を支える人材育成の必要性を説く。同大学は神戸大学海事科学部としてのリセットが予定されているが、東京水産大学と東京商船大学の統合も予定されており、名称は『東京海洋大学』となる可能性が高いと漏れ伝え聞く。

◆かつての水泳の女王長崎宏子さんから珠玉の小編をいただいた。祝福のドボンの恐怖体験にはぞっとしたが、水難事故に遭遇する時に水着など身に付けているはずはないので着衣水泳は重要だ。でも幼い子供の着衣水泳が楽しまれているとはオドロキである。丸山氏は、もっと子供たちに発見の宝庫=海を体験する場を用意しようと繰り返し訴える。これも全国津々浦々で実現したいものだ。また、わが国の海洋・環境教育の現状調査の概要は、添付の図とともに参考になれば幸い。

◆ところで文中の海胆は何とか読めた編集子も、つい最近読んだ「リアスの海辺から:森は海の恋人」(畠山重篤、文春文庫)で、ホンダワラが馬尾藻、アマモは甘藻と書くのを恥ずかしながら初めて知った。前者では本当に形が似ているからか?後者は噛んで口に含むと本当に甘いのかしらん?(海藻の専門家の方、教えてください。)ヒトデ=海星はうなずけるが、ミジンコ=水蚤、アオサ=石蓴に至っては全くお手上げ。『海藻』と『海草』の違いは飲み会での豆知識クイズにピッタリ。

◆畠山氏の書は、あとがきで木村尚三郎氏が絶賛する文章力で綴られた青少年期の漁業体験やスペインのリアス式海岸旅日記などきわめて興味尽きない内容でイチ押しの書。スペインでは、Elbosque es la mama delmarと言うとのこと。サンチャゴと叫びながら今宵も納涼ビールの杯を傾けましょう。その意味は同書を読んでのお楽しみ。(了)

第47号(2002.07.20発行)のその他の記事

ページトップ