Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第32号(2001.12.05発行)

第32号(2001.12.05 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆約1年前の「アクアポリス解体」報道は、年代や産官学を問わず多くの人々に様々な思いを抱かせたに違いない。計画当時恐らく黙殺されたであろう建造反対意見を唱えた生き証人の言が、四半世紀を経てようやく浮上し語られている。このオピニオンは多方面での波紋を呼び起こすものと予感させられるが、今日言われるLCA(ライフサイクルアセスメント)に通じるトータルライフサイクルコストの必要性は普遍的な問題提起ではなかろうか。

◆「鳴き砂海岸」は全国で30ヶ所あるが((社)全国海岸協会、1999-2000海岸ハンドブック)、そのなかの一つ、若狭湾の現場から地道な活動報告が寄せられた。花火、たき火禁止の例はあるが、琴引浜では罰則規定付きで「禁煙」としたことに注目したい。海岸ゴミで最も始末の悪いのがポイ捨てタバコのフィルターだからだ。他方、EUの統一政策として沿岸域管理デモ・プロジェクトが約30ヶ所で進行中。ひるがえってわが国は......。

◆来生ペーパーでは公共岸壁の効率的使用と公共性について法律的解説が述べられているが、港湾施設など国有財産の目的外使用の許容範囲論議とも一脈相通じるものがあると受け取れる。ともに編集代表の任にある来生は二度目の登場だが、他の編集委員も含めて、オピニオンペーパーを一度も書いていないのは中原だけとの指摘に、いささか肩身が狭い思い。(了)

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