Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第18号(2001.05.05発行)

第18号(2001.05.05 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆2000年に全世界で発生した海賊事件は467件、うちインドネシア119件、マラッカ海峡75件で、日本のシーレーンは危険海域の真っ只中を通っている。「海賊」は公海上、港内や領海内は「船舶に対する武装強盗」で、取り締まりや処罰の責任は犯行地国に属すのみ、という実情を広く認識せねばなるまい。本文中にある消極的属人主義の考慮、共同パトロールや犯行地国の継続追跡権などの提案は傾聴に値しよう。

◆国内ではプレジャーボートの放置艇問題が海洋管理に関係する諸機関で議論されてきたが、海難による外国船の放置問題はほとんど知られていないのではなかろうか。現実にあった比較的早く撤去できた事例や苦労を重ねてやっと解決した事例など、赤裸々な実情の一端を垣間見せられる。強制保険制度の導入についてもまた傾聴に値し、かつ実施に向けて公的な取り組みがなされねばなるまい。

◆エコ・ビレッジ・プロジェクトの草の根運動もまた、必ずしもスポットライトを浴びることの少ない貴重な活動である。読者からの投稿に感謝。インフォーメーションでは「水産基本法案」等の要点を解説した。本号も読者諸氏に新発見と知的刺激剤を提供できれば幸い。(了)

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