【ウェビナー開催】「アジア系米国人へのヘイトクライムと米国社会」(2021.8.19)
西山隆行氏
ラッセル・ジャン氏
マイケル・オミ氏
1.日時: | 2021年8月19日(木)10:00 ~12:00 |
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2.プログラム: | 【開会挨拶】 角南 篤(笹川平和財団理事長) |
【講 演/質疑応答】 <モデレーター>茶野 順子(笹川平和財団常務理事) <パネリスト> ①西山隆行氏(成蹊大学 学長補佐・ 教授) ②ラッセル・ジャン氏(サンフランシスコ州立大学教授) ③マイケル・オミ氏(カリフォルニア大学バークレー校名誉教授) |
本ウェビナーでは、まず西山教授からご報告をいただきました。西山教授は、アジア系米国人へのヘイトクライムが生じる背景について、トランプ前大統領の発言や昨今の米中冷戦の激化に加えて「構造的人種主義」の問題があると指摘した上で、19世紀以降の米国史を振り返りながら、しばしば「アメリカ的な存在ではない」とされてきたアジア系住民の米国内の位置付け、他のマイノリティーとの関係性、アジア系住民内部の関係性等、この問題を理解する上で重要な歴史的、社会的側面についてお話しくださいました。
続いてご発表いただいたジャン教授は、自身が共同設立者であるStop AAPI Hateが行ったヘイトクライムの調査について、様々なアジア系住民への差別の事例、および調査結果に基づく統計的分析を紹介し、女性や高齢者といったより弱い立場のセグメントが攻撃の対象になりやすい傾向がある点などを指摘されました。その上で、Stop AAPI Hateによる米国政界への働きかけ等、具体的な活動についてお話しくださいました。
最後の発表者となったオミ名誉教授は、「人種とは何か」という視点から、人種に関する米国社会の議論におけるアジア系住民の扱いの変遷について論じた上で、社会の中で自らの立場が奪われていると感じる一部の白人がヘイトクライムをより深刻なものとしている現状、特定の人種の米国社会への貢献について歴史教育の中で教えることの是非に関する各州での議論等についてもお話しくださいました。
質疑応答では、他のエスニック・マイノリティとの協力や対立、白人ナショナリズム、アジア系米国人内部の対立、異文化理解のあり方等について視聴者から質問が寄せられ、西山先生、ジャン先生、オミ先生それぞれにご回答いただきました。
■SPF日米グループが2020年に行ったアジア系地方議員へのインタビュー動画シリーズ
https://www.spf.org/jpus-j/views-from-inside-america/
■笹川平和財団・米日カウンシル共催パネル講演会: リーダーシップの多様化:アジア系アメリカ人州議会議員が歩んできた道のりhttps://www.spf.org/seminar/list/20191212.html
https://www.spf.org/seminar/list/24185.html
■Stop AAPI Hate ウェブサイト
https://stopaapihate.org/