The Deep South Museum and Archives' Initiativeは、美術館や博物館、公文書館は芸術や文化を楽しむ場としてのみでなく、民主化、インクルージョン、ポリフォニーのための空間でもあるという信念のもと、社会政治的な公共空間を提供しようとする画期的な試みです。タイ深南部での紛争は深刻さを増していますが、バンコクをはじめタイ深南部以外の多くの地域では紛争の存在すら知られていないことが問題視されています。紛争の解決には、タイ国内の人々がまずその存在を知り、解決に向けた後押しをすることが重要です。このプロジェクトでは、コレクション、展示、教育活動等によって、タイ深南部地域以外の人々にも紛争の状況を伝え、その記憶を保存・回復し、更には人々が不処罰の文化に立ち向かっていくための証拠を提供する事を目指しています。
『Tak bai 2004: Taste of Memories』は、
タクバイ事件[1]の16人の被害者の家族及びイスラム教指導者の記憶と経験を、写真を通して描くというユニークな試みを通して、今尚紛争の続くタイ深南部の人々、特に紛争に直接影響を受けた人々とそれ以外の地域に住む人々の間の対話を促進することを目的としています。本プロジェクトでは、『Tak bai 2004: Taste of Memories』のハードコピー版をタイの各種学校、大学、関連団体、図書館、その他個人に配布する予定ですが、オンライン版は右側のボタンよりダウンロード頂けます。ぜひご覧ください。
笹川平和財団は、タイ深南部での紛争解決に向け、これからも様々な取り組みを進めてまいります。