インドネシア共和国 国家強靭性研究所(LEMHANAS RI)の代表団の訪問
2026年6月8日、インドネシア共和国国家強靭性研究所(LEMHANNAS RI)のアチェ・ハサン・シャジリ総裁をはじめとする代表団が、笹川平和財団を訪問しました。
第1グループ(戦略対話・交流促進担当)では、「戦略的日・イラン関係構築」事業における若手人材育成活動の一環として、公募による選抜を経た9人の日本人学生を対象に以下のプログラムを実施いたしました。
このプログラム実施中に参加学生が感じたことや考えたことを、2回に分けて発信します。
本記事ではPart 2と題し、カタールおよびオマーンで過ごした6日分の学生レポートを掲載します。※Part1(SIR訪日研修同行4日分)はこちら。
なお、発信された内容は参加学生個人の所感であり、当財団の意見を示すものではありません。
また、本プログラムの開催報告はこちら。
アルジャジーラ研究センターでの講義の様子
2月2日の夜に羽田空港を発ち、2月3日の早朝にドーハ空港に到着しました。この日は、Al Jazeera Centre for Studiesでイランの情勢やガザ・シリア・イエメンの情勢について講義を受けました。その後、Al Jazeera Media Instituteで重信メイさんに施設内をご案内いただき、Al Jazeera Englishのスタジオも見学させていただきました。ここでは、その中で特に印象に残った言葉を二つ紹介します。
1. BalanceではなくImpartiality(公平性)
これは、重信さんが大事にしている価値観としてお話しされていました。メディアとして現地の人の声を届けるとき、強い者と弱い者に同じチャンスを与えることは、Balanceとしては良いかもしれないけれど、Impartial(公平)であるとは言えない、というふうに語っていたのが強く印象に残りました。
2. 実際にその国に行って、見て、話して、感じるものは、国外から見えていたものと全く異なるものです。
これは、Fatimaさんという研究員の方が講義の最後におっしゃっていた言葉です。どんなことにも当てはまる言葉ですが、これこそが私が今回の研修に参加する意味だと思っています。
研修初日にこのようなお話を伺えたことで、自分の中の考えや知識が整理され、今後の研修で得られる学びをより充実させられると感じています。明日からの研修もとても楽しみです!
Al Jazeeraの社食。特にお魚のフリッターがおいしかったです。
Al Jazeera Englishのスタジオの様子
Al Jazeera Media Instituteの中のスタジオ。充実した設備にテンションあがりました。
日本人学生がオマーン人学生に折り紙の折り方を教える様子
図書館の入り口の写真
王宮の写真
スークで売られているスパイス達
スルタンカブースグランドモスク
石油・ガスエキシビジョンセンターでの水力発電に関する展示
マトラフォート
オマーンの街並み
午前中に行ったカフェ。カタールで訪れたカフェやレストラン、ホテルでは、フィリピン人を初めとした移民労働者を多く見かけました。
昨日カタールのホテルに到着したのは深夜2時。オマーンでの疲れが残っていたので、午前中のFreeTimeはゆったりと過ごしました。
私たちは海岸へ向かった一行とは別行動をとり、ホテル近くのカフェまで散歩に出かけました。金曜の午前中は礼拝の時間のため、多くの店は閉まっていましたが、南アジア系移民のスーパーや一部のカフェは営業していました。高級ホテルが立ち並ぶ区画と移民が生活するエリアが隣り合う光景を目にし、国内の貧富の差を実感しました。
午後からは再び全員で行動し、イスラム美術館を訪れました。カタールの国立美術館でありながら、イラン・トルコ・エジプトなど他国の文化財が惜しみなく展示されている点に、この国の文化的包容力を感じました。世界史で学んだ断片的な知識が目の前で繋がっていく感覚が楽しかったです。
その後は徒歩でスーク・ワキーフへ。スーク中心部の広く整然とした通りは、私がこれまで勝手に抱いていた「中東のスーク」のイメージとは異なり、どこかヨーロッパを思わせる雰囲気でした。スークの近くではデーツフェスティバルが開催されていました。夜はシリア・レバノン料理を堪能しな
がら夜景を背に語らい、一日を締めくくりました。
イスラム美術館から海沿いを歩いてスークへ向かう途中、ダウ船が何艘も行き来しているのが見えました。
ディナーのコース料理。キャプサと呼ばれるメイン料理をはじめ、ひよこ豆のスープやディップ、サラダやパンをいただきました。
アラグチ外相との集合写真。滅多にない貴重で光栄な機会
この日は、アルジャジーラ・フォーラムの初日でした。ドーハの高級住宅街の人工島The Pearlにあるホテルで開催されており、青い海に映える美しい会場に胸を高鳴らせながら入場しました。入場資格をめぐるトラブルもありましたが、笹川平和財団のネットワークのおかげで無事参加でき、この研修への有難みを改めて感じました。さらに、イランのアラグチ外相とわずかに言葉を交わす機会も設けられ、なんと写真まで撮らせていただきました。本当にお忙しい中、少し話した後風のように去っていったのを覚えています。大変貴重な機会をいただきました。
フォーラムでは、パレスチナ西岸地区・ガザの和平案や、アラブ諸国の役割が主な議題でした。各国の大統領や外務大臣、大学教授らがスピーカーとして登壇し、示唆に富んだ議論が交わされました。日本では、主流メディアがこれほどの論客を招き、この話題を数日かけて正面から扱うイベント場はほとんど存在しないでしょう。
また、欧米・日本のメディアがイスラエルのガザ侵攻を「ジェノサイド」と慎重に括弧付きで報じるか、あるいはその言葉自体を避けるかする中、このフォーラムはジェノサイドであるという前提のもと、今後アラブ諸国や国際社会がいかに行動すべきかという議論に 軸足を置いていました。その姿勢の違いが鮮烈でした。
講演の合間には、各国のジャーナリストや政府関係者と直接言葉を交わし、連絡先を交換する機会もありました。アジアからの参加者が少ない中、日本の学生への関心を示してくださる方も多く、貴重な出会いの場にもなりました。
美しいホテル。一泊5万円~
著名人がインタビューされる例の背景で、それっぽく
アルジャジーラ・フォーラム内部。音響も設備もさすがに立派。
世界の機窓から
研修最終日は、Al Jazeera Forum, 丸紅訪問、Georgetown University in Qatarでの講義にキャンパスツアーと、実に濃密な1日でした。とりわけ大学でのMehran Kamrava教授の講義は、研修とフォーラムの総括として大変勉強になったので、ここではその大学について語りたいと思います。
私たちが訪問したGeorgetown University in Qatarは、Education Cityという区画に位置し、他大学や研究機関との近接性、巨大なNational Libraryの恩恵にも預かる研究環境です。吹き抜けの食堂に各国の国旗が掲げられ、スルタン・カブース大学とは一味違う、(当たり前ですが)「西洋的」な雰囲気に満ちていました。Kamrava教授も「この大学においてタブーはなく、政権批判もできる」と紹介していた通り、学問の自由という価値を積極的にアピールしようという気概が伝わってきます。ちなみに World Bankによると、カタールの教育投資は、直近2020年のデータでは政府支出の9.3%、高い時には2008年の15.1%を占めており、構内を案内してくれた学生も奨学金ありきで選りすぐりの学生が集まってくると言っていました。公的資金に支
えられた快適な研究環境は、日本の大学院生として胸躍るものでした。
学生さんに「絶対に行ったほうがいい」と勧められた国立図書館も開放感があって、家族連れの姿も見られました。名残惜しさを振り切って駆け足で空港へ向かい、機内へ。上空から見えたドバイが美しかったです。
くらげを裏返したようなライトと食堂。歴代在校生の国籍が掲げられている。いまなら日本人1号になれるよ!!
国立図書館。大学図書館の圧倒的学習環境とは異なるが、登録不要・完全無料の開かれた設備でこどもたちも楽しそうでした。
世界の司書さんが歓喜しそうな自動配架システム導入済み。