【登壇報告】アンタルヤ外交フォーラム
2025年4月11日(金)~13日(日)に、トルコ外務省が主催する「アンタルヤ外交フォーラム(Antalya Diplomacy Forum)」がトルコ共和国アンタルヤで開かれ、11日のADF-Panel” Geostrategic Dynamics in Asia-Pacific”に当財団の角南理事長が登壇しました。
第1グループ(戦略対話・交流促進担当)では、「戦略的日・イラン関係構築」事業における人材交流活動の一環として、公募による選抜を経た8人の日本人学生を2025年2月13日から2月22日までの10日間にわたりイランに派遣しました。この滞在中に参加学生が感じたことや考えたことを、2回に分けて発信します。
本記事ではPart 1と題し、前半5日分を掲載します。※Part2(後半5日分)はこちら。
なお、発信された内容は発信者個人の所感であり、当財団の意見を示すものではありません。
アルジャジーラ報道デスクでアナウンサー体験!私は早口すぎるかもしれない...
アルジャジーラでいただいた大量のおみやげ。 抜群のホスピタリティにメディアとしての余裕を感じる
印象的なロゴとのワンショットがとってもお気に入り!
スークワキーフのランプ屋さん。 色合いがかわいくて思わずパシャリ
聖なる戦争博物館の外観
一方、ここから徒歩圏内のブックガーデンにはペルシア語だけでなく、英語、ドイツ語、フランス語の本が並び、日本も含めた世界中の書籍の翻訳版がありました。反欧米的とされ、米国から経済制裁を受けている国とは思えないほど様々な本が売られているという平穏に出会えました。
犠牲者の名を冠した標識の展示
テヘラン最初の昼食、クビデ・カバブ
書店に並ぶ色とりどりの本
今日はSIRでの3つの講義と、日本側からの発表及び議論があった。それぞれイランの対外政策、世界遺産、経済に関するものであったが、経済に関する講義が一番印象に残っている。それは、第一次トランプ政権時の「最大限の圧力」では、EUや日本が主たる輸出先だったが、現在は中国やトルコ等のグルーバルサウスが取って替わっているというものだ。さらに輸出製品の多角化を進め、非石油輸出が50%以上である点から、イランが制裁を生き延びようとしていることが読み取れた。
続く我々の発表は、外交、災害、文化、社会の4つのテーマで発表した。私の担当した外交パートでは、日米同盟とそれを基にした日イラン関係について発表した。SIRの学生はプレゼンを傾聴し、またそれに対する彼らの質問は鋭いものであり、真剣に日イラン関係を考えてくれていると感じた。その後の議論では、日イラン関係のみならず。ガザの問題等についても意見を交わし、彼らの深い洞察力に感嘆した。最後には日本側からお土産を渡し、喜ばしい締めくくりとなった。
朝から夕方までしっかり議論した後、イマームザーデを訪れた。巨大かつ青を基調としたモスクは声が出なくなるほど美しかった。
政治パート発表直前
SIR(国際関係学院)にて
SIR学生や教授にお土産の手ぬぐいを渡す (日イランの友好の一助になれば、、)
イマームザーデにて(見てください!この美しい青!!)
在イラン塚田大使と撮って頂いた写真
また、大使館で働かれている方々の、日本の持つ国際力や長所を軸にして二国間関係を見る視点や、他の地域での職務経験に基づく多角的な視野などあらゆる面でお話に深みを感じ、将来のロールモデルを見つけることが出来ました。
この研修を通して、沢山の素敵なイランの人々と交流することができ、大好きな友達もたくさん出来ました!今後この研修のような人的交流なども促進し、日本とイラン双方への広報活動を活発化出来れば、より一層二国間関係に良い影響を及ぼすことが出来るのではないかと思っています。
大使館でのレセプション
イランで最も高いMilad Tower
タワーからのテヘランの街並み
今日は、ありがたいことにことさら忙しく、三つの機関を訪問しました。IPIS(Institute of Political and International Studies)、ECO(Economic Cooperation Organization)、イラン外務省です。それぞれの場所で貴重な対話をすることができました。
中でも特に印象的だったのは、イラン外務省で東アジア地域を担当されているAli Asghar Mohammadiさんとの質疑です。Mohammadiさんは、イランをめぐる重要なアクターとしてしばしばあげられる諸国家(中国、ロシア、あるいはアメリカ)のみならず、日本の周辺国や、オセアニア諸国にも言及し、多角的な議論を紹介されました。グローバル社会のリアリティを垣間見ることができたように思います。
表敬訪問の後は、National Museum(=国立博物館)を訪れました。時間が押していたために駆け足での見学でしたが、ペルシアの歴史的な豊かさや、ペルシア文字やアラビア文字の美しい装飾が印象的でした。
博物館の後は、皆で少しだけ街を歩きました。観光地でも政府機関でもない、テヘランのありふれた街並みを歩く機会は案外少なく、貴重な時間でした。凄まじい交通量には圧倒されましたが、テヘランの日常にわずかでも近づけたように思えます。
ECOでの講義風景
イラン外務省にて
イランの街角(夕方の風景)
博物館のネコ