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第1グループ(戦略対話・交流促進担当)

「戦史叢書:インパール作戦」抜粋版の英文書籍発表

第二次世界大戦中のインド北東部における日本軍の活動に関する新たな研究へ
ニューデリーで出版記念イベントを開催

コミュニケーション企画部広報課 高原聡子


2023.02.08
英文書籍「The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India」の出版記念イベントをニューデリーで開催

英文書籍「The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India」の出版記念イベントをニューデリーで開催

 2022年12月15日、笹川平和財団(SPF)はインドのKW出版社、インパール平和資料館とともに英文書籍「The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India」の出版記念イベントを、ニューデリーで開催しました。

 SPFのアジア・イスラム事業グループによる「インパール平和資料館支援」事業の一環で制作された本書は、1968年に防衛庁防衛研修所戦史研究室(当時)から出版されたインパール作戦に関する日本側の公式記録である「戦史叢書:インパール作戦」の抜粋版を、英訳したものです。

英文書籍「The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India」

書籍全編は2023年春に公開予定

 戦史叢書で英語に翻訳されたものはごくわずかで、日本以外の研究者の多くはこの資料にアクセスすることができていません。その結果、第二次世界大戦のインパール作戦に関する既存の英語資料の大半は、イギリスと連合国の視点や経験が中心となっており、日本の視点は十分に反映されていないのが現状です。

 こうした背景から、SPFは防衛大学校国際関係学科の等松春夫教授をはじめとする日本の学者や専門家と協力し、インパール及びコヒマの戦いにおけるインド北東部の日本の軍事行動に焦点を当てた本書を制作しました。出版記念イベントはニューデリーのほか、コルカタとインパールでも開催され、日本とインドの研究者、ジャーナリスト、政府関係者をはじめとする有識者が参加しました。

インパール平和資料館の活動に続けて

 「インパール平和資料館」は、第二次世界大戦の激戦地だったインド北東部マニプール州インパールで2019年6月に設立されました。同館は、日本財団が建物などのハード面を、笹川平和財団が展示コンセプトを中心とするソフト面を支援し、「平和と和解」を主要テーマに、歴史を後世に伝えるものとして現地の民間団体「マニプール観光協会」が運営しています。資料館では、インパールの戦いにおける地元コミュニティの経験を記録するとともに、1940年代から現代までのマニプール州の豊かな文化の多様性を称えるために、丁寧にキュレーションされた展示物を備えています。

 今回の「戦史叢書」英訳プロジェクトは、このインパール平和資料館事業から展開されたものです。デリーでのイベントの冒頭、インパール平和資料館の館長を務めるハオバム・ジョイレンバ氏からスピーチがあり、書籍の出版を記念するとともに、資料館が3周年を迎えたことや、同館が「平和と和解」のシンボルとなっていることを語りました。

 続いて、在インド日本国大使館の河津邦彦次席公使及びSPFの角南篤理事長が挨拶しました。河津次席公使は2022年が日印国交樹立70年であることに触れたうえで、「今回のイベントが未来に向けた両国の強い結びつきを象徴するものとなり、書籍が世界中の多くの研究者によって参照され、歴史を理解するための資料として活用されること」に期待を示しました。

 また、今回の書籍出版にあたり、角南理事長は「戦争の記憶は徐々に薄れつつあるが、新しい世代は過去の教訓を学び、それを繰り返さないようにしなければならない」とコメントしました。「当時のさまざまな関係者の記憶を把握しなければ、現代の視点でも歴史を正しく知ることができない 」との考えを示し、インド北東部における戦争の歴史の研究において、本書籍が今後、より総合的な視点を加えることに期待を示しました。
在インド日本国大使館の河津邦彦次席公使
在インド日本国大使館の河津邦彦次席公使
SPFの角南篤理事長
SPFの角南篤理事長

日本からの視点を世界中の研究者と共有

 続いて、本書の監修・編集を務めた防衛大学校の等松春夫教授が、2022年に日印国交樹立70周年を迎えたなかで本書を出版した意義について語りました。

 インパール平和資料館設立後に発足した書籍制作の背景として、「インパールとコヒマの戦いについては、世界的に広く普及している英語の書籍がたくさんあるものの、基本的には連合国側、主にイギリス側から書かれたものであり、日本の文献や日本人の証言に言及しているものはあまりない」と話しました。

 3年前にSPFからインパール平和資料館と連携したプロジェクトを立ち上げる案が挙がった際、オーストラリアやオランダで同様の翻訳プロジェクトが行われていたこともあり、同じ資料を世界中の研究者が利用できるようにこの翻訳プロジェクトを提案したとコメントしました。
SPF、KW出版社とインパール平和資料館の共催による出版記念イベント
SPF、KW出版社とインパール平和資料館の共催による出版記念イベント
防衛大学校の等松春夫教授
防衛大学校の等松春夫教授
 プロジェクトを進めるなかで感じたこととして、「重要な資料へのアクセスという点では、大きな格差があることが分かった。世界中の多くの人々が英語の資料にアクセスできる一方、日本語を読むことができ、日本のメディアや学術界においてインパールとコヒマの戦いについてどのような情報が出ているかを把握できる人はごくわずか」であると指摘し、「そのため、このような重要な日本語の資料を日本人以外の読者や研究者がアクセスできるようにする努力をしなければならないと思った」と書籍制作の背景を説明しました。

 また、インパールとコヒマの戦いに焦点を当てた戦史叢書の巻は1968年に出版されたこともあり、その間の数十年間に起こったこのテーマに関する学問と研究の発展を、英語の読者に理解してもらう重要性も指摘しました。そこで、この新しい英訳版では、日本の歴史学者によるエッセイや分析を含む充実した序論を設け、原典の翻訳を超えて戦史叢書の内容に対する批判的な文脈を提供したことも明かしました。 

今後の新たな研究や協力に向けて

 その後、等松教授に加え、元駐日インド大使のディーパ・ゴパラン・ワドワ氏、また、紛争解決の専門家で、インパール地域の歴史に詳しい研究者、作家でもあるヘマント・カトーチ氏(*)によるクロストークが行われました。

*著書に『The Battlefields of Imphal: The Second World War and North East India』(Routledge、2016)、『Imphal 1944: The Japanese Invasion of India』(Osprey/Bloomsbury、2018)など。
(左から)ディーパ・ゴパラン・ワドワ氏、等松春夫氏、ヘマント・カトーチ氏

(左から)ディーパ・ゴパラン・ワドワ氏、等松春夫氏、ヘマント・カトーチ氏

 ワドワ氏は、この書籍が「軍事専門家だけでなく、一般の人々にも多くの研究を促し、刺激になるでしょう」と話し、インド北東部における多くのシンクタンクや教育機関が、歴史の分析や現代社会への影響の考察にこの書籍が活用できると指摘しました。

 また、カトーチ氏は、こうした情報へのアクセスとインパール平和資料館の発展を通して、より多くの人物交流、特にマニプール州における共通の歴史を学ぼうとする日本の学生などとの交流の拡大につながることに期待を示しました。

 セッション後には大学教授、研究者やジャーナリストなど、インドの政治・外交分野に精通するさまざまな関係者との活発な意見交換が行われました。

 「The Battles of Imphal and Kohima: Japanese Operations in Northeast India」全編は2023年春に公開予定です。
(コミュニケーション企画部広報課 高原聡子)

【参考情報】
インパール平和資料館 いっそう充実へ
オープン1周年記念式典開かれる
https://www.spf.org/spfnews/information/20200625_02.html
 
激戦の地に開館した「インパール平和資料館」
https://www.spf.org/publications/zuiso/20190704_01.html

【Faces of SPF】躍動する女性たち(5)
インド北東部 融和こそ持続的発展のカギ 中村唯
https://www.spf.org/spfnews/information/women_5_01.html

インパール平和資料館支援事業(日本財団HP)
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/imphal

第1グループ(戦略対話・交流促進担当)
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