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「原体験」はニュージーランド留学

 米国の中西部、北はカナダと国境を接するミネソタ州で生まれた。「千の湖の州」という愛称があるほど美しい湖が多く、自然豊かな土地だ。そこから「美湖」と名付けられたという。高校生だった16歳のとき、ニュージーランドに留学しホームステイした。
 「私にとり原体験だといっていい。留学したときの仲間というのがタイやインドネシア、コスタリカ、チリなど沢山の国から来ていて、自分の世界が広がった。豊かな国もあれば貧しい国もあり、世界は広いなと実感しました。一緒に過ごした仲間が争うことも、ひもじい思いをすることもなく生きていける世界があったらいいなと、子供心に思いました」
 そうした思いを実現するためには、どういう仕事があるのだろう―。原体験の上に、上智大学文学部英文科に在籍中、将来は国連に入りたいという思いが芽生えた。選択科目で開発経済学や国際政治学などを履修しながら、「模擬国連」という国連会議のシミュレーションを通じて国際機関や国際問題について学ぶサークルにも参加した。卒業後、当時通産省の外郭団体だった貿易保険機構などを経て2000年7月、念願かなって国連開発計画(UNDP)の職員として採用され、中国事務所で3年間、環境保全プロジェクト、主に再生可能エネルギー普及プロジェクトに携わる。前川は貿易保険機構を辞めた後、国連職員に転身すべく布石を打っていた。英国の国立イースト・アングリア大学大学院で「環境と開発」を学び修士号を取得。在籍中に外務省のJPO派遣制度に応募し合格して、日本政府の費用負担による非正規職員として中国事務所に派遣された。
 「大学院へ行ったのは、JPOの選考試験を受けることを多分に意識してのことです。国連に入るにはいくつか方法がありますが、若手で入るとすれば、まずJPO制度で非正規職員として派遣され、一定期間経験を積んでから本採用の試験を受け正規職員になるというのが、一番近道かなと思った。JPOを受ける条件というのが、国連公用語が最低一つはできて、修士号、専門知識と経験があることだったので、修士を取るためにイギリスへ渡りました」
 中国では「地球規模の環境問題に取り組む開発途上国などに、多国間資金を供与する『地球環境ファシリティ』(GEF)という資金メカニズムがあり、この資金で再生可能エネルギーを普及するためのバイオマスのパイロットや内モンゴルに風力発電のための風車を立てるといった約25億円、5年のプロジェクトに携わりました。中国政府と一緒に実施し、私はプロジェクトマネージャーとして専門家を雇ってチームを作り、進捗状況や結果などを国連に報告していました」と話す。
 その後、UNDPの採用試験を受け、ニューヨークのUNDP本部で、企画官としてフィールドオフィスの労働環境やスタッフの満足度、ハラスメントなどの実態調査に従事。アフリカのルワンダへ異動となったのは2005年のことだ。希望していた。
 「ニューヨークも楽しいのですが、やはりフィールドに行きたかった。私は開発に携わっているのに、アフリカに行ったことがなかったですから」
ルワンダ・キガリの孤児院

ボランティア活動を行っていたルワンダ・キガリの孤児院で

 ポストはルワンダ事務所の常駐代表補佐、環境・エネルギー部長。「当時はルワンダ虐殺(1994年)から10年以上が経っていました。環境基本法が制定された直後で、環境影響評価を実施するための法整備などに取り組みました。広大な森林地域に、アフリカで一番古い1925年にできた国立公園があり、そこは世界に当時約800頭しかいなかったマウンテンゴリラの生息地域で、当時はルワンダ側の火山国立公園でレンジャーのトレーニングや機材の供与などもやりました」と振り返る。
 7年間の国連勤務は、休職し博士号を取得する過程で終わりを告げる。
 「国連職員は博士号が必須ではないのですが、上に行けば行くほどPh.D.をもっている人が多く、会議でも言うことが違う。自分もそのレベルに到達したいという気持ちがありました。もう少し深めたい面白いテーマがあるのだけれども、実務で忙しくしていて時間がなかったので、休職して大学院へ。でも休職期間中に博士課程が終わらず、時間が空いてしまうと国連に復帰するのも難しい。子供も生まれて、乳飲み子を連れて途上国へ行くのも大変なので、子育て期は日本で仕事をする方がいいということで今に至っています」
 東京大学大学院の新領域創成科学研究科で国際協力学を専攻した。その後、大阪大学大学院人間科学研究科で国際社会開発論を教えるなどし、2014年5月、笹川平和財団の職員となる。現在の海洋政策研究所は当時「シップ・アンド・オーシャン財団」で、2015年4月に笹川平和財団と合併し「海洋政策研究所」となった。前川は当初、笹川平和財団の「汎アジア基金」と「太平洋島嶼国基金」を合わせた「特別基金事業室」の室長であった。
 「特別基金事業は日越佐官級交流といった交流事業が主でしたが、室長という管理職にある意味徹していました。1年ほどで合併した際に海洋政策研究所に異動となり、専門分野的には海洋の方が合っているかなと、そのまま居着いてしまった感じです。共通点も多くありますが、海洋政策研究所はシンクタンクなので仕事の中身は研究です。会議の企画はありますが、それはあくまでも研究を実施していく上での発信であり、共同作業ということです。国連などで培った経験や知識、人脈、専門性を活かすことができていると思います」

求められる海洋学者の貢献

前川美湖
 前川は研究者であり、なおかつプログラムオフィサーに必要とされる調整・企画力を兼ね備えている点が目を見張る。
 「大学ではないので、研究と教育だけやっていればいいというわけでもなく、アジェンダを動かしていく企画力も必要ですし、海洋関係の方たちと円滑にコミュニケーションを取り調整してイベントを開催し、かつペーパーも出すということが求められる。研究者プラスアルファです」
 家庭との両立はやはり「大変で、いつも疲れている」と苦笑する。「でも笹川平和財団には、子育てをしながら仕事をしている女性が少なくないので、とても励みになります」と言う。「政府とNGO、国連ではいろいろなことへの配慮や気遣いから、発言などには一定の制約がありますが、海洋政策研究所は財団の研究機関ですので、海洋の保全、人類の長期的な生活のために本来やらなければいけないことを分析し、真っ当なことを言える自由があります。幸運な立場にある」とも評価する。
 著書はこれまでに「水の日本地図―水が映す人と自然」(共著、朝日新聞出版)などがあるが、「単著を書きたい。せっかく海洋問題に携わっているので、自分の集大成のような単著を書かなければいけないと思っています。研究者としての足跡を残したい」と、今後の抱負を語る。
 「海というのは、人類の科学では明らかにされていないところがまだまだ多く、『人間は深海を無視して、いきなり宇宙に行ってしまった』と言われるほど、未知の部分が多い。でも知らないから何もしないというのではなく、何か行動を起こさなければならず、そのためのある程度の情報はあるわけです。知識のギャップを埋めていくためにやらなければならないことは沢山あり、日本の海洋学者の貢献が大いに求められていると思います」
=敬称略
(シニアアドバイザー 青木伸行)
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