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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

マライタ州首相:オーストラリアのソロモン諸島介入は「腐敗」政府を守ることになる

(2021年11月30日、SBS/ABC/PACNEWS)


9分

抄訳

ソロモン諸島で最も人口の多い州のリーダーが、暴力的な抗議運動を受けたオーストラリアの兵士および警察官のソロモン諸島への配備は、歓迎できず、「腐敗」している政府を守るために使われていると述べた。
 
マナセ・ソガバレ首相に対する抗議が3名が死亡する暴動に発展し、首都のチャイナタウンでは多くの建物が焼け落ち、小売店は略奪にあった。
 
抗議への参加者の多くは、中央政府があるガダルカナル州との紛争の歴史を持つマライタ州出身者であり、ソガバレ政権による2019年の台湾から中国への外交関係切り替えに反対した。
 
マライタのダニエル・スイダニ州首相は、中国企業の同州での活動を禁止し、米国からの開発援助を受け入れた。
 
11月26日(金)、オーストラリアから100名の警察官と兵士、パプアニューギニアから50名の部隊がソロモン諸島に到着し支援したことで、群衆に圧倒されていた現地警察は落ち着きを取り戻したが、緊張は依然として高いままである。
 
スイダニ州首相はABC(※オーストラリア報道協会)に対し、「オーストラリアは支援を行えるがこのような形ではない。軍による介入は役に立っていない。」「この介入は、腐敗した首相の権力を維持することであり、良いものではない。」「オーストラリアは腐敗したリーダーシップを支えている。オーストラリアはこの者(※ママ)に権力を維持させるべきではない。」と述べた。

また同州首相はSBS(※Special Broadcasting Service, オーストラリアの公共放送局)に対し、「オーストラリア警察がここに来たとき、彼らがソガバレ(※ママ)が権力を守るための要請に基づいてここに来たことを我々は知っている。」「彼らは人々が好まない政府を守っている。オーストラリアは、人々に腐敗しているとみられている政府を支援しに来たことになる。」と述べた。
 
スコット・モリソン豪首相は、オーストラリアは「彼らの民主主義を妨害している」のではなく、ソロモン諸島の人々が平和的に状況を解決できるように安定した環境を提供することを望んでいると述べた。
 
しかし、スイダニ州首相は、外国の部隊の関与は、ソガバレ(※ママ)が解決が必要な全ての問題の解決を避けることになるとし、「対話が行われないだろうし、(ソガバレ首相は)ただ解決すべき全ての問題の解決を避けているだけだ。」「オーストラリア、パプアニューギニア、フィジーから部隊の支援を得るのではなく、国内で解決しなければならない問題だ。」と述べた。
 
さらに同州首相は、現地の人々の間には不満が積もってきており、故に人々は政府を変えることを望んでいるとし、「人々は、もはや政府のリーダーシップを信用できないと感じている。」と述べた。
 
11月29日(月)、オーストラリアのカレン・アンドリュース内務大臣は連邦議会において、ホニアラにおけるオーストラリアの支援の役割は、平和維持に対するものであるとし、「我々のソロモン諸島におけるミッションは明確だ。地域の安定の回復と人々と重要インフラを守るためにできることを全て行う。」「我々は、ソロモン諸島で発生している国内問題や政治的問題には関与しないことを明確にしている。」と述べた。
 
11月29日(月)、フィジーのバイニマラマ首相は50人の部隊を同30日(火)に派遣するとし、「治安維持に必要であれば、さらに120名を派遣する用意がある。」と述べた。
 
オーストラリア国立大学のケリン・ベーカー氏は、今回のオーストラリアの警察官と兵士の派遣は、「ソロモン諸島や広く太平洋地域にとって、オーストラリアが選択されるパートナーの一つであることを象徴している。地域におけるオーストラリアのソフト・パワーを示しているといえるだろう。」「これはすぐに積み上げられるものではなく、長い時間を要する。太平洋島嶼国各国の政府にとって選択肢があることが重要である。」「彼らは選択肢を持っていたい。中国に近づくことは、オーストラリアに立ち去って欲しいという意味ではない。」と述べた。
 
一方で、ソロモン諸島赤十字のクレメント・マヌリ事務局長はホニアラの食料不足を警告している。同事務局長は、人々が主食を購入する商店の多くが抗議活動により破壊されてしまい、食料が乏しくなってきているとし、「現在我々は国家災害管理局と協議を行っている。」「まだ明確ではないが、人口が多い地域では、すぐに食料が無くなるかもしれない。」と述べた。
(訳:塩澤英之主任研究員)

コメント

ソロモン諸島の暴動に関する前回、前々回の記事は次のとおりです。
 
ソロモン諸島暴動発生:ソガバレ首相、暴力的抗議活動に責任ある者を追跡し捕える
(2021年11月25日、SOLOMON TIMES ONLINE/ABC/PACNEWS)

 
ソロモン諸島首相、野党リーダーへ「不信任動議に対峙する準備は整っている。動く前にまず考えるべき。」(11月29日、SBM/PACNEWS)

昨日の記事でお伝えしたように、今回の事象には、次の3つの要素があると考えられます。
1.マライタの人々とホニアラ(ガダルカナル)の中央政府の対立
2.スイダニ・マライタ州首相とソガバレ首相の対立
3.中台関係
 
この中で2.について、スイダニ州首相は今回の暴動に発展した抗議活動の原因はソガバレ政権の腐敗にあるとし、ソガバレ首相の要請に基づく豪州の兵士と警察官の派遣は、この原因である腐敗した政権を守ることになると述べています。
 
これに対し、ソガバレ首相は、自身を退任させたいのであれば議会で決めるべきだとし、野党側は不信任動議を議会に提出しています。また、同首相は自国の警察の力では抑えきれないほどの暴動に発展したことから、治安の安定には外国の力が必要として、2017年に豪州と締結した二国間安全保障条約に基づき豪州に支援を要請しました。中国への外交関係切り替えの件もあり、ソガバレ首相と豪州には一定の距離があると考えられていましたが、非常時には豪州に支援を求める関係性があることが明らかとなりました。
 
※ソロモン諸島における主な事象(1998-2003)
1998年~2003年、マライタ住民とガダルカナル住民間の部族紛争
2003年、治安維持と安定のための豪州軍を中心とする太平洋諸島フォーラム(PIF)の枠組みにおけるソロモン諸島地域支援ミッション(RAMSI)の派遣
2014年、ソガバレ首相就任(3回目)
2017年、ソガバレ首相不信任決議成立により退任
2017年、RAMSI撤収、豪州・ソロモン諸島二国間安全保障条約締結(2018年発効)
2019年4月、RAMSI撤収後初の総選挙、ソガバレ首相選出・就任
       ソガバレ首相就任に反対する暴動発生
2019年9月、台湾から中国に外交関係切り替え
2021年11月、ソガバレ首相退任を求める抗議活動発生、暴動に発展
 
それぞれの立ち位置により異なる見方がありますが、今回の暴動では3名が犠牲になり、チャイナタウンを中心に商業施設が焼け落ちました。経済損失も食料不足も発生しています。このようにソロモン諸島には依然として安定と発展に関わるリスクが存在することが改めて確認されました。2017年のRAMSI撤収が正しかったのか、ソロモン諸島が自ら国内の安定を維持する能力があるのかなど、今後丁寧な検証が必要になると考えられます。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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