・ブーゲンビルの独特な(unique)状況の認識:両政府は、既存の和平合意や憲法規定に反映されているように、パプアニューギニア内においてブーゲンビルが他の州とは異なる(distinct)状況にあることを認める。
・国会の極めて重要な役割:この合意は、住民投票の結果を国民議会に提出するプロセスが、PNG議会(the National Parliament)とブーゲンビル議会(the Bougainville House of Representatives)の両議長の推薦による議事規定によって決定されると規定する。両議会は、このプロセスにおいて中心的な役割を担っていると認識されている。
・超党派議会委員会の重要性:この合意は、ブーゲンビル住民投票と住民投票後のプロセスに関し、第11代国会議員とパプアニューギニアのより広範な人々に対し、共同の重要なメッセージを発信するブーゲンビル超党派国会委員会の重要な役割を強調している。
・国民意識向上プログラム:両政府は、ブーゲンビル国民投票とその進展に関する国民意識向上プログラムにコミットする。
・合意された原則の下、両政府は、今後の道筋を示すスケジュールとともに、メラネシアの枠組みを共同で作成することを検討する。
・共同協議報告書(The Joint Consultation Report)と住民投票の結果は、超党派委員会の作業終了後、直ちに第11回国会に提出される。
パプアニューギニアに話を戻すと、1949年にオーストラリアが施政権を持つニューギニア島北東部の信託統治領ニューギニア(ブーゲンビル含む)とニューギニア島南東部のオーストラリア領パプアが、行政連合Territory of Papua and New Guineaとして統合され、1971年にパプアニューギニアとなり、1975年にパプアニューギニア独立国(Independent State of Papua New Guinea)として独立を果たしました。今年9月16日が独立50周年記念日となります。
ブーゲンビルは1920年の時点で旧ドイツ領ニューギニアとともにオーストラリアの施政権下の国際連盟委任統治領となり、第2次世界大戦後にはそのままオーストラリアが施政権を持つ信託統治領ニューギニアの一部となりました。戦後、信託統治領ニューギニア(Territory of New Guinea、ブーゲンビル含む)とオーストラリア領パプア(Territory of Papua)は国連非自治地域リストに掲載されましたが、1975年にパプアニューギニアの独立により両地域はリストから削除されました。このようにブーゲンビルは単独で信託統治領とされたことはなく、国連非自治地域リストにも個別に掲載されたことはありません。そのため、国連の枠組みにおいては、パプアニューギニアの独立により自治権の問題はすでに解決されたと見なされています。結果として、ブーゲンビルの独立問題は、ブーゲンビルと旧宗主国オーストラリアとの関係に属する問題ではなく、パプアニューギニアの国内問題として位置づけられます。