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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

サモア、16,000人のデング熱感染者を記録し学校閉鎖

(2025年7月29日、アピア、TALAMUA ONLINE/PACNEWS)


抄訳

今週、全国デング熱対策の一環として、サモアのすべての学校とその他の危険性の高い地域で燻蒸消毒作業が再開された。
 
これは先週の土曜日に行われた全国的なクリーンアップ・キャンペーンに加えて行われたもので、全国的なデング熱対策の一環として、村やコミュニティを動員して周囲の清掃や蚊の繁殖地の除去を行ったものである。
 
デング熱の感染爆発はこれまでに16,000人の感染者数を記録し、すべての学校が休校を強いられている。
 
ウルギアのトゥプア・タマセセ・メアオレ(TTM)病院小児科病棟のティト・カム副院長は、感染者数は増加の一途をたどっており、最も脆弱な年齢層は1歳から15歳であることから、すべての学校施設を適切に燻蒸消毒する間の休校を教育省に要請したと述べた。 また、以前は60人の患者を診察していたが、現在では1シフトあたり200人の患者を診察するようになったという。
 
同病院では週に300から400件の感染者数を記録しているが、彼の懸念は病院がほとんど薬を切らしていることだという。
 
彼は、熱の治療に広く使われているパパイヤの葉すなわちラウエシの混合物の使用を奨励しており、実際にこの自家製の治療薬を使った患者が回復している。
 
ラウエシ混合物は血液中の血小板を増やす働きがあるという。
 
ウルギア医師によれば、デング熱がピークに達すると、発熱、食欲不振、吐き気、腹痛、関節の痛み、出血などの臨床診断症状が集中する。また、外来病棟が24時間体制で稼働を開始したこと、この機会を利用し、早めに子供を病院に連れてきて治療を受けさせるよう市民に呼びかけている。
 
同医師によると、病院はなんとかやりくりしており、公衆衛生医を呼び寄せたり、上級医を待機させたりして対応しているとし、「診療所には120人の医師、外来には8人の医師がおり、彼らは8時間、時には12時間働いている」と述べた。
 
サバイイ島でも感染者が出ているが、ウポル島ほど深刻ではない。

コメント

太平洋島嶼地域では3~4年毎にデング熱が流行しますが、現在、サモア、トンガ、フィジー、クック諸島など南半球の国々で感染が広がっているようです。この記事にある1万6千人というのはサモアの人口の8%ほどになります。
 
みなさんもご存じのとおり、デング熱はヒトスジシマカやネッタイシマカが媒介する感染症で(マラリアはハマダラカ)、治療薬はなく、基本的に対処療法がおこなわれます。そのため、最も有効な感染拡大防止策は蚊を減らすことで、タイヤや空き缶の除去などで水たまりを減らすこと、草刈りなどが行われます。蚊が卵から成虫になるまで2週間ほどだそうです。
 
10年ほど前、私もフィジーでデング熱に感染したことがあります。デング熱には4つの型があり、同じ型に感染すると出血熱に移行し重症化するリスクが高まると聞いたことがあります。当時はタイプ2か3でした。
 
私が経験した症状は急激な発熱(例えば、37度程度から6時間で40度超まで上昇)、頭痛、関節痛、味覚の喪失などで、人によっては眼底痛もあるそうです。当時、フィジーでは病院に行っても、体がつらい中で待合室で何時間も待たされ、医者と数分話してタイレノール(アスピリンは厳禁)を処方されるだけであったため、自分で対応しました。17年ほど前のJICA専門家研修の際に教えていただいたのは、自分の体温を管理すること(特に41度を超えないように)。治療薬がないため解熱剤でコントロールするのですが、発熱は体の免疫系が戦っている状況なので耐えられるのであれば解熱剤を飲まない方が良い。しかし、体温が41度を超えそうになったり、きつくて耐えられない場合は飲んでよい(アスピリン系は厳禁)。飲まない場合はピークが2~3日で5日程度で収まっていくが、解熱剤をとると1週間以上かかるということ。私の場合は、仕事があったため解熱剤を飲まず、体温を記録しつつ水分を大量にとりながら、土日を挟んで5日で復帰しました。
 
しかし、きついのは収まってからでした。熱が収まってから、味覚の回復に2週間、また3週間以上倦怠感が続き、代謝異常も発生したように思います。倦怠感には血小板の減少が関係しているのではないかとのことでした。
 
今回の記事を読むと、単に解熱ではなく、血小板の減少への対応を踏まえた治療について述べられています。ラウエシについて、サモアのファアフェタイさん(元留学生で2023年8月の若手実務者フォーラムに参加)とトンガのファラホラ医師(同じく元留学生で昨年7月の太平洋島嶼国ウィークスに参加)に確認したところ、トンガではラウイレシというそうで、パパイヤのことでした(記事にもありますが)。民間療法としては、パパイヤの若い葉っぱを煮だして飲むそうです。
 
数年前、友人のヴィッキーさん(私の10歳上なのですが)から、突然入院したと「IV」の文字とともにFBに投稿があり、私は「ステージ4」と勘違いしてリアクションしてしまい、友人の間で慌ててしまったということがありました。実のところ「IV」はアイ・ヴィー=点滴のことで、デングに感染して入院し、治療を受けていたとのことでした。パラオでは点滴で対応していたそうです。
 
人の往来が増えていることから、しばらく感染拡大は続くと思われます。どこまで正確かわかりませんが、ネッタイシマカやヒトスジシマカは日中に活動する、黒い服に寄ってくる、お酒を飲むと刺されやすくなるなどといった話もあります。重症化するケースは少ないようですが、症状はきついので、現地に訪問される方は、体調管理とともに蚊に刺されないように注意した方が良いでしょう。
 
(2025年7月31日 塩澤英之 海洋政策研究所島嶼国・地域部部長)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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