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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

ソロモン諸島首相、野党リーダーへ「不信任動議に対峙する準備は整っている。動く前にまず考えるべき。」

(2021年11月29日、SBM/PACNEWS)


抄訳

ソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相は、11月29日(月)、国会において、自身に対する不信任動議に対峙する準備が整っているとし、マシュー・ウェール野党リーダーに対し、議会に不信任案を審議する前にまず考えるべきだと伝えた。
 
議会周辺からホニアラの中心部と東部まで広がり、商店、警察署、民間企業、学校を巻き込む暴動と略奪に発展した混乱した状況から一週間も経っていない今日、議会が再開された。※暴動が始まったのは11月24日(水)午後。
 
ウェール氏は、11月27日(土)、首相に対する不信任案決議に関する通告を提出したと発表した。
 
Aoke/Langalanga選出議員は、首相の謙虚さの欠如がソロモン諸島とりわけホニアラにおける多大な損失と苦痛を招いたとし、現状に対する政治的解決を求めていると述べた。
 
ウェール氏は、政治的解決がなければ、 たとえ外国の軍や警察がホニアラを管理下に置き秩序を維持するとしても、この悲劇的状況はくすぶり続けるだろうと述べた。
 
しかし、ソガバレ首相は議会において「我々は野党リーダーが提出した不信任動議に対峙する準備が整っている。」と述べ、議長に対し「あなたは議会における政府の支持を目の当たりにしている。したがって、野党リーダーは、議会で採決に移る前にまず考えるべきだ。」と述べた。
 
通常、動議が提出され議会で採決されるまで7日間を要する。
 
一方で、ソロモン諸島は公衆非常事態宣言を4カ月延長し、野党はこれに反対していない。
(訳:塩澤英之主任研究員)

コメント

11月24日(水)、ソロモン諸島首都ホニアラの議会前で発生したソガバレ首相退任を求める抗議活動は、ホニアラ市内に広がり暴動に発生し、同市内のチャイナタウンの店舗などが焼き打ちにあいました。本日11月29日(月)までの報道で、ソガバレ首相の要請により豪州から軍・警察の人員が派遣され、同首相はパプアニューギニアにも軍の派遣を要請しました。さらに、フィジーからも50名ほどが派遣される可能性があり、ソロモン諸島は近隣諸国の支援により秩序回復を図っています。一方、暴動によるチャイナタウンの炎上で、遺体が見つかっているほか、中国人系の小売店を中心に50店舗以上が炎上したようです。
 
※前回の記事はこちら。近年の簡単な流れを記述しています。
 
住民の暴動により首相退陣というのは民主的ではなく、首相は議会が決めるものだと発言しています。これを受け、野党側は今回の騒乱と損害の原因は首相にあるとして不信任動議を議会に提出しましたが、ウェール野党リーダーは、与党Our Partyから現職閣僚を含む3名が離党したものの不信任決議を成立させるためには11名ほど与党からの離脱者が必要と後述の記事の中で述べています。

筆者としては、今回の騒動には次の3要素があると考えています。
1.マライタの人々とホニアラ(ガダルカナル)の中央政府の対立
2.スイダニ・マライタ州首相とソガバレ首相の対立
3.中台関係
 
2017年4月のソガバレ首相選出以降、特にマライタ出身者には不満が蓄積し始め、2019年9月の強引な台湾との断交と中国との国交樹立で対立関係が鮮明になり、数週間前にあったスイダニ州首相をその地位から排除しようとする動きなど、マライタ側には不満が蓄積していったようです。今後、ソガバレ首相が政権を維持する場合、常にマライタの人々の不満はくすぶりつづけることになると考えられます。
 
ソロモン諸島は他部族国家で、人口は約61万人、その中でマライタ州は人口14万人抱える同国最大の州です。少なくともマライタ州と中央政府の和解が成立しない限り、国の安定は容易ではありません。
 
参考までに、11月26日午後から本日11月29日までのソロモン諸島情勢に関するPACNEWS記事タイトルを紹介します。
 
1. PM Sogavare loses two political supporters(11月26日、ISLAND SUN/PACNEWS)
  ソガバレ首相支持の与党議員2名離党
2. Solomon Islands PM reaches out to PNG(11月26日、NBC PNG/PACNEWS)
    ソロモン諸島首相PNGに支援要請
3. Solomons' Opposition Leader rejects accusations he incited unrest(11月26日、ABC/PACNEWS)
    野党リーダー、騒動煽動との非難を退ける
4. PNG Government to deploy PNGDF to Solomon Islands(11月26日、NBC PNG/PACNEWS)
    PNG政府、国防軍をソロモン諸島に派遣へ
5. Pray for Solomon Islands: Rabuka(11月26日、FIJI LIVE/PACNEWS)
    ソロモン諸島のために祈る:ランブカ元フィジー首相
6, Australian forces walking political "tightrope" in Solomons says former High Commissioner(11月26日、ABC/PACNEWS)
    元高等弁務官、豪軍はソロモンで政治的タイトロープを歩いている
7. Honiara as the smoke subsides(11月26日、THE INTERPRETER/PACNEWS)
    ホニアラ、煙り弱まる
8. Forum SG on the situation in the Solomon Islands(11月29日、PIFS/PACNEWS)
    太平洋諸島フォーラム議長、ソロモン諸島の状況についてコメント
9. Solomon Islands PM: Government intact(11月29日、SOLOMON STAR/PACNEWS)
    ソロモン諸島首相:議会は無傷
10. Wale files Motion of no confidence against PM Sogavare(11月29日、SOLOMON STAR/PACNEWS)
    ウェール氏、ソガバレ首相に対する不信任動議提出
11. More Australian police join Solomon Islands peacekeeping mission after charred bodies found(11月29日、9 NEWS/PACNEWS)
    焼死体発見を受け、ソロモン諸島の平和維持ミッションにさらに豪州警察参加
12. CBSI estimates $227 million minimum loss to the local economy due to the unrest(11月29日、SOLOMON STAR/PACNEWS)
    ソロモン中央銀行、今回の騒動による現地経済の損失は最低28百万米ドル(※同国GDP約1300百万米ドル)
13. Australia’s early intervention can help Solomon Islands but the roots of the conflict run deep(11月29日、THE GUARDIAN/PACNEWS)
    豪州の早期介入はソロモン諸島を助けるが、(同国における)対立の根は深い
14. 50 Fijian soldiers to head to Solomon Islands(11月29日、FBC NEWS/PACNEWS)
    フィジー軍兵士50名、ソロモン諸島へ
15. International community monitoring situation in Solomon Islands(11月29日、RNZ PACIFIC/PACNEWS)
    国際社会がソロモン諸島情勢をモニタリング
16. Solomon Islands PM says he’s prepared to face motion, tells Wale to think first before moving(11月29日、SBM/PACNEWS)※本記事
17. 'Too early' to comment on Australia's longer term support for Solomon Islands: Minister for the Pacific(11月29日、ABC/PACNEWS)
    豪太平洋担当大臣:豪州のソロモン諸島に対する長期支援についてコメントする時期ではない(※ソロモン諸島地域支援ミッション(RAMSI、2003-2017)のような常駐ミッションを念頭に)
18. Chinese families now homeless in Honiara(11月29日、SOLOMON STAR/PACNEWS)
    中国人家族、ホニアラでホームレスに
 
改めて今回の記事に戻ると、まずソガバレ首相の強さがよく現れていますが、ソガバレ政権が続く限りマライタの人々には不満が燻り続け、かといって暴動により首相が交代するということが正しいかどうか難しいところです。
 
次に、特にメラネシア地域では二者が対立している場合、仲介者が非常に重要になります。フィジーがクーデターによりPIFなど地域枠組みから離れた際、メラネシアの国々が対話を続けました。また、数年前のマライタとガダルカナルの和解も仲介者がいました。今回のどのような決着を迎えるにしても、仲介者が必要になるのではないでしょうか。ソロモン諸島の場合は英国が良いのかもしれません。
 
最後に、同国チャイナタウンの焼き打ちは、2006年頃にも総選挙の結果に不満を持った住民の暴動が切っかけとなり発生したように記憶しています。今回は50件以上が被害にあっており、より被害が大きいと思われます。このような国に対する投資というのはリスクがあることが分かります。もし現地政府が日本に投資を求めるような話があるのであれば、投資家を保護する協定をしっかり結ばなければならないでしょう。
 
ソロモン諸島の安定および地域の安定のために、再びソロモン諸島地域支援ミッション(RAMSI)のようなものが駐留するようになるのかどうかも含め、今後の推移を追う必要があります。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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