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ソロモン諸島暴動発生:ソガバレ首相、暴力的抗議活動に責任ある者を追跡し捕える

(2021年11月25日、SOLOMON TIMES ONLINE/ABC/PACNEWS)


12分

抄訳

全国に向けた臨時演説で、ソロモン諸島ソガバレ首相は、政府は11月24日(水)に発生した同政府を抗議する暴動に責任を有する者を追跡し捕えるとし、「政府調査機関は、今回の破壊活動の背後にいる者を追跡しており、その者たちは法の下で裁かれるだろう。誰も法の上に立つ者はいない。」「その者たちは、彼らが行った我々の民主主義の象徴を侵害した行動の結果に直面するだろう。」「私はソロモン諸島が暗い時代を越えたと考えていたが、今日(11月24日)の出来事は、我々はまだまだ長い道のりの途中にあるということを示している。」「我々の国は安全であり、政府は国を導き続けていく。」「ソロモン諸島の議会は神聖な機関であり民主主義の重要な象徴である。今日、民主主義の象徴が侵害されたことはとても悲しいことだ」と述べた。
 
また、同首相は、11月24日午後7時から36時間のロックダウンを実施する宣言に署名し、その期間、警察が調査を進めるとした。
 
一方で、11月24日(水)午後にソガバレ首相の辞任を求めて首都ホニアラに集まった大規模な群衆を解散させるため、ソロモン警察は催涙ガスとゴム弾を使用した。
 
1000人ほどの群衆が議会正門に集まる中、議員は議事を進めているが、各学校は休校となった。
 
現地ジャーナリストのジーナ・ケケア氏が豪ABCに対し、「抗議活動は多くのホニアラ市民を驚かせた。建物は投石され、議事堂脇の伝統的草ぶき屋根の小屋は炎に包まれ、そこで催涙ガスが放たれた。その際、女性政府職員が1名負傷し、抗議活動参加者数名が逮捕された」と伝えた。
 
ロイヤル・ソロモン諸島警察機動隊のスポークスマンであるジュアニタ・マタンガ氏は、記者会見で、「多くの人々」が首都ホニアラにある警察署を含む多くの建物を破壊したとし、「そのような行動を見ることは本当に悲しいことだ。」「我々にどのような違いがあるにせよ、それらの問題を解決する方法がある。」と述べた。
 
ジーナ・ケケア氏はまた、他のホニアラ住民が抗議活動に加わりつつあることから、「最悪はまだ来ていない」ようだと述べている。
 
ソロモン諸島ヘラルド紙は、その後、抗議を行っている人々は首都ホニアラにあるチャイナタウンの小売店など商業施設で略奪や破壊を行い、中国大使館に向け更新したと伝えた。
 
ソロモン諸島政府が外交関係を台湾から中国に切り替えた(2019年9月)ことを受け、中国は2020年9月、大使館を開設した。
 
マライタ州のダニエル・スイダニ州首相(Premier)は台湾との断交について強く批判を続けている。
 
マライタ選出の複数の国会議員は、11月23日(火)、スイダニ州首相とマライタ州政府に対し、支持者が暴力行為に加担することがないよう要請し、「リーダーとして、住民、我々の兄弟と息子たちを、潜在的に危険で暴力的な行動から読み戻す任務と道徳的義務を遂行せよ。」「我々は、マライタの良き人々に対し、マライタ人とソロモン諸島人の間にある血のつながった関係を尊重するよう要請する。」「村や家屋に留まり、新名方の不満を暴力に変えることで利点を得ようする政治的日和見主義者たちに利用されないようにして欲しい。」と述べた。
 
ケケア氏によれば、スイダニ州首相は「この抗議行動は、中央政府が人々の声を聞かなかった結果だ」と述べたという。
 
ケケア氏はまた、不満は2019年9月に中央政府が外交関係を台湾から中国に切り替えたときから始まっているとし、「これまで多くの出来事が発生してきており、それらが集約して今回の抗議行動に繋がっている」と伝えている。
 
豪ABCは、豪州政府はソロモン諸島の支援要請に応える準備があると伝えた。
 
駐ソロモン諸島豪州高等弁務官(大使)は、その声明で、「ホニアラで進行している状況は市民の暴動である。」
「注意し、安全なところに留まり、群衆を避けて欲しい。」と伝えた。
(訳:塩澤英之主任研究員)

コメント

11月24日、マライタの人々を中心とするソガバレ政権に対する不満が首都ホニアラにおける市民の暴動に発展しました。記事内の日付が正しければ、前日の11月23日にその兆候があったと読むことができます。
 
状況を把握するために、ソロモン諸島の背景や過去の経緯を簡単に列記します。
・ソロモン諸島は他部族で構成されている。
・1988年~1998年、ソロモン諸島北部に位置するパプアニューギニア・ブーゲンビルで独立をめぐる戦い
・1998年末~2003年、マライタ島住民とガダルカナル島住民間の部族紛争
・2003年、豪州軍を中心とするPIFによるソロモン諸島地域支援ミッション(RAMSI)派遣開始
・2014年、ソガバレ首相就任(2000-2001、2006-2007に続き、3回目)
・2017年、部族間和平(謝罪と受入)
・2017 年6月、RAMSI撤収
・2017年10月、ソガバレ首相不信任可決、ホウ首相就任
・2019年4月、RAMSI撤収後、初の総選挙
・2019年4月、ソガバレ首相選出(4回目)、これに抗議する住民の暴動発生
・2019年9月、 台湾と断交、中国と国交樹立
・2019年10月、マライタ州アウキ・コミュニケ、台湾との関係維持を主張
        マライタ州の独立を目指す動き
・2020年9月、 中国大使館開設
 
その後、新型コロナウイルスの世界的パンデミック、ソガバレ首相の権限強化の動き、中国から開発援助など関係強化、住民のワクチン拒否感などがあり、直近ではマライタ州において、スイダニ州首相に対する不信任案が出され否決されたという報道もありました。
 
この経緯を踏まえると、マライタの人々とガダルカナルの中央政府との間には潜在的に対立構造があり、2017年のRAMSI撤退により豪州の重しがなくなったこと、ソガバレ首相が主導する中央政府による強引な台湾から中国への国交切り替え、コロナ禍でのソガバレ首相の強権化、中央に反対し台湾との関係維持を主張するスイダニ州首相排除の動きなどがあり、マライタの人々を中心とする現在の状況に至ったと考えられます。
 
部族紛争のような段階になれば、PIF首脳が合意しているビケタワ宣言(2000)、ボイ宣言(2018)などに基づき、ソロモン諸島政府がPIFに対し支援を要請することで、地域支援ミッションの派遣が検討されると考えられますが、現在は豪高等弁務官の声明にあるように、市民の暴動の段階です。地域の安定に責務を有する豪州は、内政干渉を避けつつソロモン諸島の安定を図るため、ソロモン政府からの正式要請を待っているというのが、上記記事の状況でした。その後、昨日(11月25日)、ソガバレ首相の要請を受け、豪州が支援部隊を派遣しました。
 
上記記事から現時点(日本時間11月26日午前11時現在)までにPACNEWSが報じている関連記事のタイトルは次のとおりとなります。
 
1. Parliament building and police station burned down during protests in Solomon Islands(11/25, THE GUARDIAN/PACNEWS)
2. Looters defy lockdown orders in Solomon Islands(11/25, SOLOMON TIMES ONLINE /PACNEWS)
3. Solomon Islands Opposition Leader Wale calls on PM Sogavare to resign(11/25, SIBC/PACNEWS)
4. Solomon Islands’ slippery slide to self-implosion(11/25, DEVPOLICY.ORG /PACNEWS)※ソロモン出身のトランスフォーム・アコラウ博士の寄稿記事
5. Australia sends troops and police to Solomon Islands as unrest grows(11/26, THE GUARDIAN/PACNEWS)
6. Australian Federal Police personnel touch down in Honiara(11/26, SOLOMON TIMES ONLINE/PACNEWS)
7. “Parliament right place to unseat me”: Solomon Islands PM Sogavare(11/26, SOLOMON TIMES ONLINE/PACNEWS)
8. Fiji offers support to Australia's operation in the Solomon Islands(11/26, FIJI GOVT/PACNEWS)
9. Australia ‘does not take a position’ on internal matters within Solomon Islands(11/26, SKY NEWS/PACNEWS)
10. Pacific Islands Minister confirms ‘concerns’ for Australian businesses in Solomon Islands(11/26, SKY NEWS /PACNEWS)
11. Solomon Islands Chamber of Commerce and Industry express concerns on Honiara situation(11/26, SOLOMON STAR/PACNEWS)
 
現在、メラネシア地域では来月12月12日にニューカレドニア独立の是非を問う住民投票のフランス政府の実施強硬姿勢に対し先住民カナックの不満が高まりつつあり、隣国バヌアツではカナックの人々を支持する動き、現状安定はしているもののパプアニューギニアでは同国政府と同ブーゲンビル自治州政府の2019住民投票結果(独立賛成98%)に対する協議があるなど、不安定要素があります。また、パプアニューギニアとフィジーは来年総選挙があります。さらに石油価格高騰による電気代や物価の上昇、新型コロナウイルスに関連する政治や社会状況なども不安定要因となっている可能性があります。
 
筆者の個人的な感触では、メラネシア地域の空気感が1990年代末から2000年代半ばに戻っているようであり、今後もソロモン諸島およびメラネシア諸国の動向を注意深く追う必要があります。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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