パラオ台湾トラベルバブルに関する記事です。関連記事は
こちら。
この記事からは、次の情報が読み取れます。
1. 4月1日、110人の台湾人観光客がパラオを訪問、ツアー期間は5日間。
2. パラオは週16便、年間訪問者数10万人が目標。
3. 台湾人観光客は搭乗前にコロナ検査が必要、パラオから戻った後も自己管理期間あり。
4. 台湾人観光客は、パラオでは団体行動を行い、現地住民との交流はしない。
5. 台湾がパラオに対し、資機材供与などコロナ対策支援を続けている。
6. 米国はパラオに対し、PPE・検査資機材供与、技術支援、ワクチン接種などの支援を続けている。
7. パラオ側はリスクを認識している。(上記記事中の「不便」は感染による不便ではなく、予防措置導入による「不便」を意味する)。
8. パラオはワクチン接種による集団免疫獲得を視野に入れている。
9. ウィップス大統領は、民間部門活性化によるパラオ経済の再生をめざしている。
4月8日朝、当財団による「持続型観光による島嶼社会の復興」事業のパラオ側協力者とオンラインで話す機会がありました。今回のトラベルバブルにより観光部門が再開したことで、多忙な様子ながらも表情は明るく、言葉の端々から現地経済が息を吹き返し始めているとの印象を受けました。
この台湾トラベルバベルでは、パラオ入国者に対する新型コロナウイルス検疫を免除しています。そのため、パラオ国内では国が予防ガイドラインを導入し、各部署はソーシャルディスタンシング、マスクの着用、体温の計測など、1年前から感染者が発生した国々で行っている基本対応を行っています。ウィップス大統領が述べた「不便」というのは、経済再生のために、国民一人一人にこのようなガイドラインに沿った対応を求めることも含まれています。
台湾からのフライトはすでに2便到着したとのことですが、パラオ側はいわゆる「バブル」状態に急に変えるのではなく、予防措置の妥当性を検証しながら、慎重に受け入れを拡大していきたいとのことでした。
太平洋島嶼地域では、昨年7月、仏領ポリネシアがフランス本土との観光を再開しました。その結果、同領土内では、本年3月上旬時点の累計で、新型コロナウイルスの感染者数が18,000人を超え、死者数は140人を超えました。なお、フランス国内の感染拡大を受け、本年2月から仏領ポリネシアは観光客受入を停止しています。
今回のパラオの場合は、検査能力の確保、住民のワクチン接種、予防措置の導入と住民への協力要請、台湾人観光客の行動制限(団体行動を要請する、現地住民との交流を認めないなど)などの対策を行い、台湾側も台湾内での感染拡大を防ぐとともに渡航前に検査を義務づけています。ただし、リスクはゼロではないため、トラベルバブル開始から2週間後にあたる4月15日以降に、現地の人々の健康状態に変化がないか注視していく必要があります。
本年1月に誕生したウィップス政権は行政改革を推進し、一方で経済再生の取り組みを活発化させています。同政権の今後の動向が注目されます。