◆日本のシーレーンとして最重要な場所がマラッカ・シンガポール海峡であることは、これまた日本人の常識に近い。その航行安全にわが国は相当協力してきているが、海賊・テロ対策という新たな課題も出現。今後の協力のあり方を志村氏とともに考えてみよう。
◆本誌二度目の登場となる真山氏は、海上保安庁が警察であって軍隊でないとの法制度的位置付けも一旦有事となったら意味をなさなくなり武力紛争の当事者あるいは軍事目標になりうることを指摘し、法制的整備の必要性を説く。少々飛躍するが、関連して思い出したのが次の指摘。「国土を戦場にして戦う場合の有事法制よりも、国土を戦場にしないための戦力造成と有事法制を優先するのが世界の常識」であり、そもそも「国土を戦場にすることは国防の失敗である」(松村劭、海から見た日本の防衛、PHP新書)。それにしても、文末の「海上保安官の安全確保のためにも」との一節が胸に響く。(了)
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