Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第73号(2003.08.20発行)

第73号(2003.08.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原 裕幸

◆日本海側の竹野スノーケリングセンターは海中公園関係者の間では良く知られた存在だが、本庄ペーパーが記す一町一川という箱庭のような森・川・海との触れ合いが何ともイイ感じ。複数の町や県にまたがって流れる川を軸にして広域的な環境を総合的な系として捉えることが肝要で、いわゆる「流域圏」という視点である。それにしても編集陣が知らないだけであって、全国津々浦々ではひょっとしてエコ・ツーリズムがかなり浸透してきているのでは?

◆柵瀬ペーパーを読んで大会社が海洋教育?と不思議に思う向きも多いだろうが、カニ護岸などはその仕組みのPRなしには効果と意義が伝わらず、不評の直立護岸も緩傾斜化だけでなく工夫次第であることが分かる。しかもカニときたら子供にとっては格好の海洋教育の生きた教材だ。日用品を使った採水器の製作も楽しそう。

◆関連しての紹介。使い終わった大型の牛乳パックの口を開いてたっぷり水を入れ、縦長の側面の上の方に小さな穴を開ける。と、水が短い弧を描いて垂れ落ちる。次に底の方に小さな穴を開けると、上の穴からの水の落下点より遠くまで水が届く。つまり子供に水圧の力を考えさせる手作り教材。これ、編集子が実際20年前にアメリカで仕入れたhand-madeteaching materialの一つ。

◆ドイツにおける洋上風力発電の法制度を簡潔に紹介した行政法の権威である成田氏のペーパー。デンマーク、オランダ、西ドイツ(当時)間の北海大陸棚事件で国際司法裁判所判決(1969)で確定したドイツの管轄海域が、北海では見慣れた海洋石油鉱区と見まごうような風車の洋上立地許可区域で示されているのには驚いた。そして「海洋施設令」なる国内法制はわが国も見習うべきでは。しかも12基の風力発電実験プロジェクトが沖合45km、水深30mの海域とは。いささか遠いことに目を見張らされるが、これまた日本もしっかりしなくては。(了)

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