Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第71号(2003.07.20発行)

第71号(2003.07.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原 裕幸

◆7対3の関係。いわずと知れた地球表面の海洋と陸地の割合。したがって「地球は水球」。ところが、その3割しかない陸地面積のうち、7割が砂漠や荒地、草原や農地で、「緑の地球」といっても森林面積は3割しかなく、しかも日本について見てみれば国土の7割(67%)が森林。これはブラジルやフィンランドと並んで世界のトップクラスで、カナダでさえ50%、アメリカ30%、イギリスにいたっては10%にしかすぎないとのこと。ちなみに日本の国土の7割を占める森林のうち、3割は国有林で7割が民有林とのこと(矢部三雄、森の力、講談社+α新書)。もちろん、海洋の方は海面の私有が認められていないので基本的に10割が国有財産というわけである。

◆わが国は世界6位のEEZ面積を有する「海洋国家」だが、実は「森林国家」でもあることを認識させられる。矢部氏によれば、21世紀は「森林の世紀」だという。われわれ海洋関係者は「海洋の世紀」だと考えている。そういえば、世の中では21世紀は「環境の世紀」、「水の世紀」とも言われている。いずれも指摘の通りだし、いずれも海洋が主要な鍵を握っている、と思わずつぶやいてしまう。

◆海洋は水が主体であることから説き起こして強力なリーダーシップが必要に至るまで畳み掛けてくるような木下ペーパー、子供達自らが学んだという心洗われる思いの白石ぺーパー、大学院レベルの教育問題を高い見地から論じる小池ペーパー。3編ともウーンと唸って拝読させていただいた。ちょっと詳しめの豆知識インフォーメーションも刺身のつまにでもしながら、『海の日』にちなんで、海洋問題だけとは言わないまでも、森と水問題等にも敬意を表しながら、頭の中を七・三くらいに割り振って、国民皆で考えるようにしたいものである。(了)

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