Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第63号(2003.03.20発行)

第63号(2003.03.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原 裕幸

◆浮体構造物を想定した循環型社会実現のためのエコ・プラットフォーム構想を提案する細田ペーパー。社会の仕組みを根底から改革するこうした大型プロジェクトを新世紀は求めていると言えそうだが、最初の一歩はどうするか、それ以降の手順と段階はどうか、所要予算の確保と事業の推進責任体制をどう形成するか、といった難題を乗り越えていくために衆知を結集していきたいものだ。

◆その浮体構造物についての法制問題を改めて寺前ペーパーは論じている。かの我妻博士も今日の船舶vs建築物論争は夢想だにしなかったであろう。ところで、「船とは、水、空または陸を航行する一定の建築物」というくだりは、空=飛行船、陸=水陸両用車、建築物=人工的な施設・構造物の総称というイメージ?それとももっと奇想天外な...??

◆編集子の記憶では、メガフロートPhaseIの時期に現場視察した際、四角形のフロート上の簡易オフィス内に、航行水域:限定沿海、最大乗船人員:○○(記憶定かならず)名、と示した船舶の認定表示が額縁に収まって壁に掲げられていた。消防法および建築基準法と船舶関係法とのギクシャクした適用関係と関連法規の未整備が、新しい試みの意欲をそいでしまうような、見えざる足かせにならないように。

◆タイトルに一瞬ドキッとさせられる博士課程在籍の合田氏の投稿は、読み始めると多くの人々が知らない事柄を指摘して、フームと思わせる。果たして、競合相手にやらずもがなの塩を送ってしまったのか、それ以外のところでは別の塩を得ているのか、わが国海運産業の在り方如何?当事者の業界、行政の方々からの論議などを期待したい。(了)

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