Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第59号(2003.01.20発行)

第59号(2003.01.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者 ((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆北方四島、尖閣列島そして日本海の竹島問題は、わが国が抱える隣接国との間の重要な領土問題・境界線問題の一つ。大原ペーパーにあるように、政府の取り組み度合いと国民の認識度合いからすれば、その順位は北方四島が抜きん出て高く、次いで尖閣列島、はるかに低いのが竹島ではなかろうか。(もっとも、1月7日に島根県のホームページの「竹島関係」の項をクリックしたら4,162,590番目だった!!!)参考文献としては、芹田健太郎(神戸大学大学院教授)著「島の領有と経済水域の境界画定」(有信堂、1999年)、「日本の領土」(中公叢書、2002年)、田村清三郎著「島根県竹島の新研究〔復刻版〕」(島根県発行、平成9年第3刷)、をオススメしたい。ちなみに本文中の竹島周辺想定境界線を記した図の出典に記したように、アメリカが20年以上も前に日本海のこうしたマップを作成していた事実には舌を巻く。

◆わが国の水産行政は大きな転換期を迎えている。水産基本法の制定とならんで海岸部における漁港・漁村整備と海域部における漁場整備を一体的に進めるための新法ができた。長野ペーパーは整備と利用ならびに管理における点から面への転換として説明している。今後は具体的施策に注目していきたい。

◆ハンディキャップを持つ人もそうでない人と同じように海の恩恵を享受し海と接することは当然のことである。そのための幅広い運動が全国で進んでいる。組織としてもYachtAid Japan(東京)や、HandicappedScubaAssociation(大阪)、日本バリアフリーダイビング協会(沖縄)などがあるが、各地にはもっともっと多くの運動体があるに違いない。玉垣ペーパーの結びの一文は誰の心にも静かな感動をもたらしてくれる。年令も性別も人種も、そして障害の有無も関係なく、成熟社会の証として、自然に人々が融合して生活していくようにしたいものだ。〔年末に本稿を書いたが、元旦の読売新聞が1面の大半を割いて「尖閣3島国が借り上げ」との写真入り記事と社会面での半ページの関連記事を大々的に掲載した。多くの方々の目に触れたと思うが、同紙面に掲載された3つの領土問題の表が非常に参考となるので紹介しておく。〕(了)

第59号(2003.01.20発行)のその他の記事

ページトップ