Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第51号(2002.09.20発行)

第51号(2002.09.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者 ((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆羽田空港の拡張問題は、以前、航空政策/船舶航行への影響/首都圏新空港の立地問題という三つの視点から本誌でも特集を組んだことがあるが(No.16、2001.4.5)、今回はこれに続いて、煮詰まってきた建設工法に焦点を当てて再び特集として編集した。

◆本件については、土木系と造船系の学界同士、業界同士の熾烈なつば競り合いが多くのメディアでも取り上げられている。翻ってみれば、両者の関係は、海洋構造物の形式ひいてはプロジェクトの性格そのものについて、関西国際空港の建設計画時点以来、長い間関係者の世界を二分してきたといえる。

◆しかし、ビジネス上の泥臭い競争もさることながら、技術の世界の切磋琢磨が世の中の前進と進歩を育んでいくことは間違いないはずで、いずれの工法であっても、全国各地で海域利用の促進に貢献していってもらいたいものである。また、そのようにさせる事業プロジェクトの推進、海洋産業の振興が一層強化されるべきであろう。

◆小泉総理の北朝鮮訪問のニュースが駆け巡り、長野県の田中知事の再選が報道されるなかで、「環境・開発サミット(WSSD:WorldSummit on SustainableDevelopment)」が南アフリカのヨハネスブルクで開催された。そこでの主要課題である貧困の解決と食糧確保、地球環境の保全と両立した開発のどれにも、再生産資源を多く包蔵する海洋・沿岸域の開発利用が大いに寄与することを、もっともっと内外の多くの人々に知ってもらいたいという願いは、世界の海洋関係者共通の思いであろう。(了)

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