Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第39号(2002.03.20発行)

第39号(2002.03.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者 ((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆Behind the CurtainTour。アメリカでよく見る通常料金より高い値段がついた水族館のガイド付き舞台裏見学コース。魚の飼育や世話、水槽の水や餌の確保、全体の管理などにどれだけのバックアップ施設とシステムがあり、どのようなスタッフの苦労がこれを支えているかを見せる。日本でもようやく目にするようになってきたが、もっともっと普及してよい。最近の静脈物流論議に接するたびに、数十年も前に最初に目にしたこの「カーテンの裏見せます」という公然とした掲示の鮮烈な印象が脳裏に浮かぶ。そう、舞台裏も表舞台と同様に正面から見据えなければいけない。

◆「物流も同じであろう。製品用素材や半製品、完成品を運ぶという表の流通だけでなく、廃棄物やリサイクル物品を積極的に運ぶという裏の流通。これらはコインの両面ではなかろうか。しかし、その静脈物流は、新しい貨物であり急がない貨物であって、従来の輸送の概念とは異なる取り組みが必要か。

◆さらに運航体制の改革と戻りの航海を空荷ではなく積荷のスワップを、そしてもちろん起点と終点の港における陸上輸送との合理的接続が重要との指摘。内航海運と港湾をめぐる、久保、小瀬両氏の論調は内航海運も正念場を迎えていることをひしひしと感じさせる。

◆北九州の港湾戦略で、一層の企業誘致に加えて東アジアのロジスティックセンターを目指したハブポート構想や、エコタウン事業を中心とした環境産業を展開するという。内外の有力他港も同様に再生と活性化の戦略を立てていると思われるが、それらとの差別化と成果や如何。(了)

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