Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第35号(2002.01.20発行)

第35号(2002.01.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者 (横浜国立大学国際社会学研究科教授)◆来生 新

●昨年末、例年になく早い流氷の接近が報じられたが、新年の流氷の動きはどうなのであろうか。「流氷帯しらじらとあり果しれず」(丸茂良子)。紋別市長赤井邦男氏から、流氷をかけがえのない財産としてとらえ、流氷研究国際都市をめざす、北の海ならではの地域性豊かなオピニオンをいただいた。各地域でそれぞれの海の特性を積極的に生かす試みが成果をあげることを期待したい。

●本号では読者からの興味深い投稿を二編掲載することができた。メコン川の川イルカと環境保護を、地域の経済活動、地域活性化と一体のものとすべく活動して来たHAB21に敬意を表し、岩重慶一氏のご努力がより多くの人々の間で他の生命への思いやりを強め、新たな国際的連帯の力となるように応援したい。ポール・キルホ・パーク氏のアメリカからの投稿は、編集スタッフにとって予期せぬお年玉とも言うべき喜びであった。本誌のさまざまな記事が読者の反響を呼び、それがさらなる議論を呼ぶ形で、海に関する論考の輪を波状的に広げていくことは、本誌創刊の基本的なねらいである。真鍋、森下両氏の議論にかくも早く、外国から積極的なエールが送られて来た。海と陸をつなぐものは川であり、第一次産業である漁業は、水を通して海陸双方の環境に深くかかわらざるをえない。更なる議論の展開を期待したい。

●今年も海洋関連国際会議が目白押しである。日本が国際的な舞台で主導性を発揮しうる一助となるべく、本誌も微力を尽くすつもりである。(了)

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