Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第311号(2013.07.20発行)

第311号(2013.07.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集代表(総合地球環境学研究所名誉教授)◆秋道智彌

◆「海の日」を向かえ、全国各地でさまざまな取り組みがおこなわれた。東京大学海洋アライアンスと日本財団は共同シンポジウムを7月10~16日に開催した。メイン・テーマは日本海であった。韓国は日本海を東海であると主張する。日本列島は北の宗谷海峡から南の対馬海峡までが海に面しているので、日本海と称することに違和感をもつ日本人はいない。朝鮮半島の東側にある海が韓国にとり東海であっても、北朝鮮やロシアにとりこの海は東海とは位置づけられまい。
◆上記のシンポジウムでも協力者として参加した富山県は、平成6年に通称「逆さ地図」を作成・公表した。この地図をみると、日本海は半閉鎖性の海であることがよくわかる。富山県は日本海をめぐる交流拠点の形成を目指してきた。県には国際・日本海政策課があり、その事業の推進母体として日本海学推進機構(公財)が設置されている。私もその運営委員を仰せつかっている。
◆この6月に韓国の鬱陵島(韓国語名のウルルンド)で日中韓の研究者による「山と海の生態系」に関する国際ワークショップがあり、私も参加した。会議の後、竹島(韓国語名でドクド)を短時間ではあったが訪問する機会を得た。現場でみる竹島は、日本で周知していたイメージとまったく異なっていた。断崖絶壁の竹島は主要な東島と西島からなる。島は数万羽以上とおぼしき数のウミネコ営巣地となっていた。人間としては、韓国軍兵士と、大挙して訪れる韓国人観光客だけであった。
◆この4月26日、第2期の海洋基本法が閣議決定された。本号で山本一太海洋政策担当大臣が指摘されているように、この5年間に海洋に関する状況はたいへん流動的に変化してきた。領有問題だけでなく、エネルギー問題、安全保障、沿岸管理など、わが国が柔軟に取り組むべき課題は山積している。その課題解決にむけての思いを「海の日」に新たにしたい。本号から誌名もOcean Newsletterとして新たな船出だ。(秋道)

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