Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第22号(2001.07.05発行)

第22号(2001.07.05 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者((社)海洋産業研究会常務理事)◆中原裕幸

◆沿岸域管理をめぐる議論をする場合、欧米諸国の政策事例が多く紹介されるが、中国、南北朝鮮を含む東南アジア11カ国による環境管理の視点からの多くのフィールドプロジェクトを実行中のPEMSEAのことは意外と知られていないのでは。英語の原文を大幅に圧縮して掲載したので、ホームページ(www.pemsea.org)を是非一度覗いていただきたい。マニラの同事務所ビルの前には12本の参加国の国旗掲揚ポールがあり、残りの1本は未加盟の日本のためという。隣人に学びながらコミュニティの一員となるべき時期がきているのではなかろうか。

◆1492年のコロンブスの航海の船団規模を知りたくなって調べたら、三隻で乗組員120人。ちなみに1498年に喜望峰からインド到達のヴァスコ・ダ・ガマ艦隊は4隻、170人。マゼランの場合は5隻、265人。もっとも19世紀に日本に開国を迫ったペリー艦隊もたった4ハイ。なお、大航海時代に先立つ1405~1430年の7次にわたる明代中国の鄭和によるインド洋、東アフリカへの大航海は約60隻、約27,000人(宮崎正勝、鄭和の南海大遠征、中公新書)。

◆陸の絹の道に対して海のシルクロードは陶磁の道でもある(三杉隆敏・榊原昭二編著、海のシルクロード事典、新潮選書の三杉氏による序文より)が、海は宗教も伝えた。女子大生秋元さんが投稿で綴った、その関わりを学ぶことの意義と意欲を大切にしたい。

◆東南アジアをキーワードに編集した今号では、"へだてる海からつなぐ海へ"そして"文化・文明を融合する海"という、21世紀の新しい海観の提示を予感させられた。読者諸兄の感想はいかが?(了)

第22号(2001.07.05発行)のその他の記事

ページトップ