2026年10月08日

第15巻2号

【論説】
〇「国際関係における戦略的島嶼:年月を通じて変化するその様相」
ケント・E・カルダー
執筆者は自身の提唱する「ユーラシア海事地政学」(北東アジアからインド洋を経てヨーロッパに至るシーレーンの重要性)に則り、島嶼の持つ戦略的かつ時間的な意味合いを、歴史の視点から論じる。

〇「1978年の大量中国漁船による尖閣諸島での領海侵犯事件と日本の政治団体などによる灯台建設」
ロバート・エルドリッヂ
『沖縄問題の起源』『尖閣問題の起源』などの多数の著作がある執筆者が、中国による尖閣諸島侵出と、1978年以降の日本の民間人による尖閣諸島実効的支配の動きについて論じる。

【インサイト】
〇「アジア太平洋地域における安全保障秩序の形成と将来-第1列島線正面とメラネシア地域正面を中心に-」
三輪芳明
2019年、ソロモン諸島は、経済支援と投資を優先した中国との関係構築を巡って、台湾と断交し中国と国交を樹立した。執筆者はこの事態を受けてソロモン諸島国へ特命全権大使として赴任しており、太平洋の島嶼国家を侵食しようとする中国の激しい政治的活動を目前にした。本稿ではそのリアルな国際政治について解説している。

〇「金門事件と中国海警の『法執行』:台湾離島周辺における管轄権挑戦の新常態」
陳育正
台湾の安全保障の研究者である執筆者は、習近平主席の台湾への軍事侵攻発言を背景に、金門島周辺の台湾の警戒線を越えて中国海警船がたびたび侵入してくるようになった件について、口実とされた漁船事故の真相とともに論じている。

〇「領土・主権展示館ゲートウェイホールのオープンについて」
齋藤康平
2025年11月に虎ノ門の「領土・主権展示館」に新施設「ゲートウェイホール」がオープンした。内閣官房の担当者である執筆者が、その狙いを解説している。

【コラム】
〇「竹島資料室の活動について」
島根県竹島資料室
2007年4月に島根県が開設した「竹島資料室」は、日本国政府が、韓国による島根県隠岐市竹島の長きに渡る不法占拠という事態から眼を背けている間も、竹島関係の歴史的公文書を収集・公開し、「竹島問題研究会」を置いて研究成果を積み上げるなど継続的な活動を真摯に続けてきた。ここでは「竹島資料室」の歴史と、最近になって収集に成功した江戸期の貴重な竹島渡海の一次資料について、説明と紹介を行っている。

〇「グリーンランド再考」
髙井晋
MAGAのための「力による平和」を主張するトランプ大統領のグリーンランの買収の発言から始まった、グリーンランドをめぐる欧米間の葛藤について論じている。

目次


1 論説


「国際関係における戦略的島嶼:年月を通じて変化するその様相」 試し読みする(PDF)
ケント・E・カルダー(ジョンズホプキンズ大学SAISライシャワー東アジア研究所長)


「1978年の大量中国漁船による尖閣諸島での領海侵犯事件と日本の政治団体などによる灯台建設」 試し読みする(PDF)
ロバート・エルドリッヂ(エルドリッヂ研究所代表)



2 インサイト


「アジア太平洋地域における安全保障秩序の形成と将来-第1列島線正面とメラネシア地域正面を中心に-」 試し読みする(PDF)
三輪芳明(前ソロモン国駐箚日本大使)


「金門事件と中国海警の『法執行』:台湾離島周辺における管轄権挑戦の新常態」 試し読みする(PDF)
陳育正(台湾国防大学副教授)


「領土・主権展示館ゲートウェイホールのオープンについて」 試し読みする(PDF)
齋藤康平(内閣官房領土・主権企画対策調整室企画官)



3 島嶼問題コラム


「竹島資料室の活動について」 試し読みする(PDF)
島根県竹島資料室


「グリーンランド問題再考」 試し読みする(PDF)
髙井晉(日本安全保障戦略研究所長)





編集後記

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