3. 産業

概要
北方領土周辺の水域は寒流の親潮(千島海流)と暖流の黒潮(日本海流)が交錯しているため、水産物が非常に豊富で、世界三大漁場の1つとされ戦前から水産業が盛んであった。主な水産物は、昆布、鮭、鱒(ます)、鱈(たら)、スケソウダラ、タラバガニ、ナマコなどである。水産業のほか、国後島(くなしりとう)と択捉島(えとろふとう)では、林業(針葉樹類)、魚類の孵化事業(鮭、鱒)、鉱業(硫黄、金、銀)などが行われていた(Ref.1)。

漁業経営を大別すれば、出稼ぎ漁業と土着漁業の2つに分けられる。一般的に出稼ぎ漁業は会社や個人の直営が多く、大規模であった。一方、土着の漁業は、函館、根室方面や地元在住の海産商人の仕込みを受ける仕込み経営と、極小規模の自営とが存在した(Ref.2)。

インデックス
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Ref.1外務省『われらの北方領土』2019年版
Ref.2:北海道千島調査所編『千島調査書』領土復帰北方漁業対策本部, 1956年(昭和14-16年の調査)pp.46-47