色丹島

日露漁業等の会社が経営しているカニや捕鯨漁業以外は、いずれも零細な土着事業者が営んでおり、海産商人による仕込経営、または協同組合を中心とした個人経営者がその大多数を占めていた(Ref.1)。

色丹島の鱈(タラ)漁業は、例年島全体の50%以上を占める水揚げを記録し、ほとんどが製品化されており、その品質は高く評価されていた。また、島の全漁業者の生活を主に支えていたのは海藻漁業である。なかでも海苔漁業は「千島のり」と呼ばれて、3.2尺×1.6尺の超大判に漉かれ、漁業者1戸平均1,000枚以上生産されていた(Ref.2)。


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色丹神社鯨骨鳥居・昭和10年
写真提供:千島歯舞諸島居住者連盟

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Ref.1:北海道総務部領土復帰北方漁業対策本部『戦前における歯舞・色丹・国後・択捉諸島の概況』(1958年)pp.31-32
Ref.2:領土復帰北方漁業対策本部『色丹島及び歯舞諸島調査書』(1956年)p.20


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