2024年03月31日

第13巻2号

第13巻2号は、日中関係と海洋秩序をテーマに、台湾、尖閣諸島をめぐる問題を論じている。

論説は、日本政府が台湾を国家として承認した場合、その行為は1972 年日中共同声明 3 項に反するのかどうかを明らかにする『1972年日中共同声明3項の意味』、また、2023年6月に中国の全国人民代表大会で採択された対外関係法が、第2次世界大戦の終結以降の国際秩序を自国の思惑通りに修正しようという中国の法律戦の一例であることを、新法の条文の一部を検証しつつ論じている『中国の新たな対外関係法―中国独特のルールに基づく国際秩序の変革』の2本を掲載している。
インサイトでは、尖閣石垣島航路の開始年代を14世紀中期以前と推測し、琉球貿易と尖閣航路について論じた『鎌倉時代の尖閣航路から室町時代の波照間南洋大交易へ』、また、2010年の尖閣諸島沖で海上保安庁巡視船が領海侵犯の中国漁船に体当たりされるという事件を取り上げ、日本の対応にあまりにも多くの問題があったことを、国際法の視点から指摘する『尖閣諸島沖中国漁船船長逮捕事件について』、さらに、島嶼研究ジャーナル13巻1号に掲載された論説『韓国の竹島不法占拠と新聞報道』の追補である『別表「竹島問題に関する記事一覧」』の3本を掲載した。
コラムでは、『国際判例紹介(17)サイガ号事件(1977 年及び1999年国際海洋法裁判所判決)』を掲載した。サイガ号事件とは、西アフリカの国家「ギニア」のEEZ 内で、カリブ海の島嶼国「セント・ビンセント及びグレナディーン諸島」の洋上給油船サイガ号が他国漁船へ給油したことを、ギニアが国内法違反であるとして船を連行し、乗員を抑留、積荷を没収した行為について、セント・ビンセントが国際海洋法裁判所に提訴した事件である。

目次


1 論説


1972 年日中共同声明3項の意味 試し読みする(PDF)
佐古田 彰


中国の新たな対外関係法―中国独特のルールに基づく国際秩序の変革 試し読みする(PDF)
ラウル(ピート)・ペドロゾ



2 インサイト


鎌倉時代の尖閣航路から室町時代の波照間南洋大交易へ 試し読みする(PDF)
いしゐのぞむ


尖閣諸島沖中国漁船船長逮捕事件について 試し読みする(PDF)
三好正弘


韓国の竹島不法占拠と新聞報道(別表) 試し読みする(PDF)
藤井 賢二



3 島嶼問題コラム


サイガ号事件事件 試し読みする(PDF)
髙井 晉






編集後記

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