【イベント参加報告】社会課題解決に向けた資金の流れ最前線 - AVPN 国際会議2023
2023年6月20日-22日。マレーシア、クアラルンプールで開催されたAVPN(アジアン・ベンチャー・フィランソロピー・ネットワーク)の年次総会に笹川平和財団ジェンダーイノベーション事業グループが参加。フィランソロピーのあり方、社会課題解決の資金の流れの動向についてレポート。
東南アジアの持続可能な発展に重要な役割を果たす、女性の社会進出。なかでも起業は、特に農村部において女性が経済力を得るためのほぼ唯一の手段となる。起業を支援する組織の数々が、出資者など多様なステークホルダーと協働し女性の可能性を広げている。
起業エコシステムに影響力を持つ起業家支援組織がジェンダー視点を実装していることが、東南アジア諸国の働く女性たちを取り巻く、さまざまな課題を解決するには必要不可欠なのではないか。そんな想いから、笹川平和財団はオーストラリア外務省やNGOと協力し、起業家支援組織向けにジェンダー視点導入の指南書「ジェンダー・レンズ・インキュベーション&アクセラレーション(GLIA)ツールキット」を開発し、2020年に発表した。
【インタビューの様子】
これまでの記事では、東南アジア諸国で試験的にツールキットを導入し実践した起業家支援組織にインタビューを行ってきた。GLIAツールキットの各国での更なる普及を目的とした取り組みとして、地域に根差した起業家支援組織に対しGLIAトレーニングを提供する「トレイン・ザ・トレーナー・プログラム(トレーナー向けトレーニング)」がある。今回は、当プログラムを企画運営する笹川平和財団、トレーナーを育成するygap(オーストラリア)、ygapの研修を受けフィリピンの起業家支援組織にGLIA研修を行うVillgro(フィリピン)に、フィリピンでのGLIAツールキットの普及活動に取り組んでみてどうだったか、一般社団法人Earth Company共同代表/濱川 知宏が話を聞いてみた。
【Community of Practice 研修の様子】
【トレイン・ザ・トレーナー・プログラム 全体ミーティングの様子】
Audrey:ツールキット開発当初から、東南アジア諸国それぞれの社会・文化的環境に適したものにしたいと思っていました。ジェンダーの課題は社会的に構築されるものなので、ジェンダー視点の取り入れ方も文化によって違って当然ですよね。ygapはフィリピンに拠点がありませんし、Villgroのようにフィリピンの現場に根差した組織がGLIAツールキットの導入を働きかけることが効果的です。ジェンダー視点強化に取り組む、地域の起業家支援組織のパートナーシップ強化とエコシステム構築が、TTTには期待できると思います。
【VillgroによるGLIAツールキットの研修を受ける フィリピンの起業家支援組織UPGRADE】