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  • 映像が語るインド北東部 山形国際ドキュメンタリー映画祭で特集
第1グループ(戦略対話・交流促進担当)

映像が語るインド北東部

山形国際ドキュメンタリー映画祭で特集
アジア事業グループ 「記憶と記録」事業

シニアアドバイザー 青木伸行


2019.10.29
11分
 「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」―。今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭(10月10日―17日)では、笹川平和財団の企画協力により、インド北東部の作品と監督をフィーチャーした特集が初めて組まれ、11日から4日間にわたり計16本が上映されました。台風19号の襲来にもかかわらず劇場に足を運び、スクリーンに見入るドキュメンタリー映画ファンたちの目に、インド北東部は新鮮に映り、この地域がもつ文化的な多様性と複雑さを印象づけたようです。
 山形国際ドキュメンタリー映画祭は1989年、アジア初のドキュメンタリーに特化した映画祭として始まり、2年に1度開催されています。30年間の歩みとともに、国際的な評価も高まり続けています。今回は期間中、107作品が上映され、インターナショナル・コンペティションへのエントリーは、130カ国・地域から2371作品にも上りました。
 笹川平和財団のアジア事業グループは、「記憶と記録」「持続的発展Ⅱ」の2事業を柱に、地政学的に極めて重要な位置にありながら長年、インドの辺境・周縁地域として扱われ、多民族、多言語、多宗教という多様な文化と、複雑な歴史をもつ北東部を支援しています。「記憶と記録」事業の主な目的は、共通する歴史を見出して共有し、それを記録して次世代に伝えることで、多様なこの地域に融和と信頼醸成を促し、多文化共存に貢献する―ということにあります(詳しくはこちら)。
 そして、「記憶と記録」事業の一環として10月10日、メガラヤ州のセント・アンソニー・カレッジに創設されたのが、インド北東部のドキュメンタリー映画や記録映像などを集めた視聴覚アーカイブです。これに収められているうちの16作品が、今回の映画祭で上映されたわけです。
 

インド北東部の映画が上映されたシアターの前で

 インド北東部特集のパンフレットでは、こう紹介されました。
 「(北東部と)インド本土とのつながりは『ニワトリの首』と呼ばれる幅わずか22キロの細長い土地しかない。分離独立の時代から、インド政府は、この細い首から先が切断されるおそれに気が気でない。(中略)政治紛争の一方で、ここは地理的にも文明伝承の架け橋として、無数の民族文化の歴史的交差点であり続けてきた。200以上の言語、何十という民族、山岳地帯の民から平野部の文化まで…。インド北東部はまさに多様性の小宇宙だ」

多彩で深遠な作品

 山形市の秋を彩る映画祭の幕開けを告げる10日夕の開会式では、映画祭に出席するため来日した諸外国の監督とともに、インド北東部特集と、主要な監督であるピンキー・ブラフマ・チョウドリー、アリバム・シャム・シャルマ、ハオバム・パバン・クマール、タルン・バルティアの各氏らが紹介されました。13人の監督がそれぞれ手掛けた16本の作品は、映画館「ソラリス」と山形美術館の2カ所で上映され、監督を招いてのトークやシンポジウムも行われました。
 作品の一部を紹介すると、チョウドリー監督の「秋のお話」は1997年の作品で、舞台はアッサム州ボドランド。先住民族ボド族の独立運動は武装闘争化し、コミュニティは暴力による恐怖と不安で崩壊の危機に瀕した。それでも毎年秋になると、ボド族の村人たちは夜空の下で、伝説と神話に基づいた民族劇を演じる―。
 インド北東部を代表する監督であり、これまでに14本の劇映画、31本の短編・記録映画を製作しているシャルマ監督は、「マニプールの蘭」「ライハラオバの踊り」で、マニプール州の花をはじめとする自然、伝統的な音楽と踊りにスポットを当てています。また、アルナチャルプラデシュ州のブータンに近い山岳地に暮らし、チベット仏教を信仰するモンパ族の暮らしなどを収めた「アルナーチャル州モンパの民」は、記録としても貴重なものです。
 クマール監督の作品は「浮島に生きる人」。インド北東部最大の淡水湖に点在する浮島に暮らす漁民と、漁民の生活排水によって湖水が汚染されているとして家々に火を放ち、重機で破壊するマニプール州政府との対立を撮影したものです。
 バルティア監督は「めんどりが鳴くとき」「禁止」の2作品を通じ、カーシ族の母系社会に斬り込んでいます。

シンポジウムで語るバルティア、チョウドリー、クマール、シャルマ監督(写真左から)

トークもあり、観客からの質問に熱心に答えた

 13日のシンポジウムでシャルマ監督は、「インド北東部8州の中のマニプール州だけでも、約40の異なる言語と民族が存在し、それぞれの文化を主張しアイデンティティを大事にしています。それをマニプール人としてフィルムで表現したかった」と語りました。
 司会を務めたバルティア監督は「ジェンダーの問題も重要になってきているなど、アイデンティティが変わってきており、ドキュメンタリー映画にも変化がみられる」と水を向けました。チョウドリー監督は「北東部の人々は様々な問題について話し始めており、ドキュメンタリー映画が多様な問題を取り上げていることの現れだと思う。いろいろな形の映画が出てきており、変わってきている」と指摘。クマール監督は「北東部のどの州でも、教育とトレーニングを受けたフィルムメーカーが、沢山の映画を作り始めています。過去5年間を見ると、そういった変化が起こっている」と述べました。
 また、視聴覚アーカイブについて、バルティア監督は「ドキュメンタリー映像以外にも写真やニュースリールなどすべて保存する。アーカイブは公開で、オンラインでも提供できます。笹川平和財団の尽力で収蔵され、こうした動きが始められたわけです。アーカイブがどんどん大きくなり、ドキュメンタリー映像がいっそう重要な役割をもつよう願っています」と、意義を強調しました。
 観客の反応はどうだったか。
 「インドの映画といえばボリウッドのイメージしかなく、北東部と、そのドキュメンタリー映画については知らず、鑑賞したのは初めてです。ノンフィクションにフィクションの技法を織り交ぜた『秋のお話』は、とても印象的で、北東部が多様性と複雑さに満ちた場所だということが、少し分かりました」(東京の会社員)
 「伝統的な儀式や舞踊、お祭りなどが印象深かった。インド(本土)とは違いますね。地域社会が抱える問題の一端も垣間見ることができました」(香港の女性)
 新たな発見があったようです。
 

藤岡朝子理事

【山形国際ドキュメンタリー映画祭、藤岡朝子理事の話】作品には驚くほどのディテールがある。儀式性や文化のヒダの中に、沢山の意味合いがあり、作品に映されている情報の価値はものすごいと思います。山形国際ドキュメンタリー映画祭の使命のひとつには、知られていない地域の文化、世界における文化の多様性を伝えていくということがあります。社会変革や自身の権利獲得をテーマにした映画を、これまで比較的多く上映してきました。当初からアジアにも力を入れてきた。インド北東部の映画はこの映画祭にピッタリだったと思います。
また、お招きした監督の方々は、日本に来て違う視点で自分たちのコミュニティを振り返ることで、創作意欲が掻き立てられたようです。今回が彼らの次なる文化運動の始まりになると思います。
 

中村唯主任研究員

【笹川平和財団アジア事業グループ、中村唯主任研究員の話】インド北東部のように、これだけ多様で複雑な地域のことを伝え、理解してもらうのに、ドキュメンタリー映像は、最もパワフルなメディアだと痛感し、この分野に注目しました。その中で、山形国際ドキュメンタリー映画祭が、インド北東部はじめ、ドキュメンタリー映画作家にとって、いかに特別な映画祭であるかを痛感しました。ご縁あって、理事の藤岡朝子さんに、2年前から現地に足を運んで頂き、ドキュメンタリー映画ワークショップを行うなど交流を続けてきましたが、その成果として、映画やその背景にある文脈が丁寧に紡がれ、インド北東部への深い洞察などが詰まった特集プログラムを上映できることになったと思っています。単なる地域紹介に終わらず、深遠で、ユニークな特集になったのは、やはり山形ドキュメンタリー映画祭だからこそ、と感動しました。自分と異なる「他者」とどう共存していくか、「ナショナリズム」やグローバル化の中で、自らのアイデンティティとどのように折り合いをつけていくか、インド北東部映画の持つメッセージは今日の日本人にも普遍的な問いを投げかけていると思います。今回の取り組みは、インド北東部で大きな反響を呼び、たくさんのメディアが取り上げました。参加した監督たちからも、インド本国でも是非上映したいという声が聞かれましたし、北東部で山形をモデルに、質の高いドキュメンタリー映画祭を実現したいとの声も上がりました。今後は、インド北東部映画を日本内外で上映する機会をさらに増やすことができればと考えています。

第1グループ(戦略対話・交流促進担当) 南アジア地域
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