第1グループ(戦略対話・交流促進担当)
第1グループ(戦略対話・交流促進担当)
東アジアの「男性性」について専門家と意見交換を行いました
2019.03.20
4分
笹川平和財団(SPF)・アジアの人口動態事業グループでは、日本とアジアのジェンダー平等を促進するため、男性の役割を再考することを目的とした事業を2017年度から行っております。本事業の一環として、東京、ソウル、台北、上海、香港における20歳から60歳の男性計5,000名を対象として、それぞれの都市の男性性に関するアンケート調査を実施しました。調査では、家庭や職場における性別役割分担意識の意識や行動などについて質問しました。その解析結果をまとめた分析レポート(暫定版)について、ジェンダー専門家7名から意見を聴取するため、2月20日に当財団で意見交換会を行いました。

意見交換会ではまず、「新しい男性の役割に関する提言」研究会の主要メンバー3名から、日本の男性性の現状、分析レポートの概要、分析レポートの結果の解釈に関する試論が発表され、東アジア5都市の男性性に関する議論を行う上で前提となる枠組みが示されました。その後、昼食を挟んで、台北、香港、上海、ソウル4都市の男性性の現状について、専門家から報告とコメントが行われました。最後に、男性性の歴史的背景や経済的・政治的・宗教的要素の関係、兵役が男性性に及ぼす影響、分析レポートの結果について、活発な質疑応答と議論が展開されました。
今回の意見交換会では、東アジア地域内の男性性比較というユニークな取り組みと、その意外な結果について、意義が高く評価されました。他方で、文化的・経済的・政治的な状況や階級・世代の違いなどを考慮した、更なる分析の必要性が指摘されました。また、調査対象都市全体の特性を、西欧を含む他の地域と比較することで、新しい発見が生まれる可能性も示唆されました。
本事業では、意見交換会の成果を現在準備中の調査報告書に反映させ、今年7月を目途に公表する予定です。
関係資料
コンセプトノート&プログラム(英語版)(464.4KB)
東アジア5都市の男性性に関する意見交換会 参加者一覧(49.3KB)