笹川平和財団は、2026年3月11日、ユースメンタルヘルス(
子ども・若者の心の健康)をテーマとする国会議員勉強会を開催しました。
本勉強会は、日本および米国が共通して直面する社会課題であるユースメンタルヘルスを対話テーマとして位置づけ、日米議会対話の実現につなげることを目的とした取り組みの一環で実施したものです。将来的には、対話を契機に両国の議員同士が「顔の見える」関係を育み、相互理解と信頼を土台とした中長期的な人的つながりを創出することで、日米議会間ネットワークの強化に寄与することを目指しています。
本会合には、自見はなこ参議院議員をはじめ、超党派の国会議員が参加しました。米国からはミッチ・プリンスタイン氏(ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授、元米国心理学会 心理学戦略・統合担当最高責任者)およびエヴァ・テルザー氏(ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授)の2名がオンラインで参加し、ユースメンタルヘルスをめぐる最新の研究知見や政策的論点について報告しました。
意見交換では、子ども・若者の脳発達の特性や、SNSやAIをはじめとするデジタル環境がメンタルヘルスに及ぼす影響について議論しました。
特に、発達段階とデジタル技術の設計・利用のあり方との関係に焦点が当てられ、
- 思春期は他者からの承認や社会的評価に敏感である一方、衝動抑制や判断を担う脳機能の成熟が途上にあること
- 「いいね」や通知、アルゴリズムによる情報提示が、自己評価や不安感、比較意識に影響を及ぼし得ること
- デジタル機器の利用が睡眠や日常生活に影響を与え、依存的な利用につながるリスクがあること
- 一方で、学習支援や孤立の緩和など、デジタル技術が持つ肯定的側面も存在すること
- プライバシー保護や安全性を高めたSNSプラットフォームの開発等が試みられていること
といった点が主な論点として共有されました。
制度や社会的背景には違いがあるものの、ユースメンタルヘルスをめぐる課題には日米両国に共通点が多く、国を越えた視点で検討していく必要性が確認され、将来的な日米議会間対話に向けた問題意識が醸成されました。