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シンポジウム 講演会録

【トランプ時代の女性と政治】
女性の政治参画に新たなうねり

特任調査役 青木伸行


2018.07.23
10分

  「トランプ時代の女性と政治」をテーマにしたパネルディスカッションが17日、笹川平和財団ビル(東京都港区)の国際会議場で開かれました。トランプ政権下での米中間選挙を11月に控え、予備選に立候補した女性の数が大幅に増加した背景や、女性議員を増やし、政治分野でジェンダー平等を推進するための方策と取り組みについて議論されました。
 パネルディスカッションには、女性の政治参画と女性リーダーの育成をトレーニングなどを通じ支援する、米国の「マイン・ザ・ギャップ」の共同創設者クリスティン・ハフェート、ジェシカ・グラウンズ両氏、申琪榮(シンキヨン)・お茶の水女子大学准教授、渡辺靖・慶応義塾大学教授が登壇しました。モデレーターは三浦まり・上智大学教授が務めました。

中間選挙、女性立候補者が大幅増

 中間選挙では、上院(定数100議席)のうちの35議席、下院は全435議席が改選され、現在は民主、共和両党のそれぞれの候補者を決める予備選が続いています。
笹川平和財団の茶野順子常務理事

笹川平和財団の茶野順子常務理事

 笹川平和財団の茶野順子常務理事は開会の挨拶で「トランプ大統領の就任式(2017年1月20日)の翌日に、全米と世界の国々で、女性を中心としたデモンストレーション『ウイメンズマーチ』が実行され、大変注目を浴びました。これは女性の権利をはじめとする人権の大切さを呼びかけ、トランプ大統領の言動について抗議するものでした」と振り返りました。
そのうえで「トランプ政権が成立して、はや2年目になりました。そして、今年は中間選挙の年です。これまでにないくらいの女性が立候補しています。下院では472名、上院では57名です。これまでに一番女性の立候補が多かった年といわれる2012年の選挙と比べても、下院で174名、上院では21名も多いという結果になっています。州知事選も行われますけれども、78名という記録的に高い数字の女性が立候補しています」と、女性の立候補者が大幅に増加した状況を説明しました。

 その理由として、茶野氏は「大多数の立候補者が民主党であるということから、これはトランプ政権に対するフラストレーションだという論調が主流を占めていますが、反トランプというだけではない大きな変化が起ころうとしており、そのうねりに女性たちが積極的に立ち向かおうとしているのかもしれません」と指摘しました。

「マイン・ザ・ギャップ」の共同創設者、クリスティン・ハフェート氏(写真左)とジェシカ・グラウンズ氏

「マイン・ザ・ギャップ」の共同創設者、クリスティン・ハフェート氏(写真左)とジェシカ・グラウンズ氏

申琪榮・お茶の水女子大学准教授

申琪榮・お茶の水女子大学准教授

 グラウンズ氏も「トランプ大統領への反動として、多くの女性が出馬しようという動きに出た」との見方を示しました。
また、米国では1980年代に女性議員が飛躍的に増え、1990年代になり「女性であってもリーダーシップを発揮することができるという意識が芽生えた」とし、「その革命は今も米国で進行中です」と語りました。

 そして「米国は女性の政治進出においては世界で102位、日本は158位です。両国とも他の国に比べ選出されている女性が少ない。米議会では女性は20%ほどで、約80%が男性です。まだ多くの変化が必要です」と強調しました。

 中間選挙で女性の立候補者が増えた要因として、申氏は「女性から見た場合、医療や保健、教育といった政策が、トランプ政権になって後退したということがある。これは危険だ、と思った女性たちが怒り、社会の雰囲気をつくったのだと思う。政治の意思決定のレベルを変え、そのためには女性がリーダーにならなければならないということに、自然につながったのではないか」との見解を示しました。

政治参画への障害

 女性の政治参画を促進するうえでの問題点も論議されました。グラウンズ氏は、2007年に「ランニング・スタート」という非政府組織(NGO)を立ち上げ、これまでに約1万5千人の若い女性をトレーニングしてきました。そうした経験を踏まえ「女性は、出馬する適格性が自分にあると感じない。適格だと考える女性は、男性に比べ3分の1だといわれています。より多くの女性を出馬させたいと思っても、女性自身がそう思っていなければ意味がないのです。政策や法律を変えるには女性が必要で、研修などを通じ、女性にリーダーシップを発揮するよう触発することが大事です」と語りました。

渡辺靖・慶応大学教授

渡辺靖・慶応大学教授

 一方、渡辺氏は「中間選挙で女性候補者が増えている背景として、医療保険や教育に対する米国民の関心が高くなっており、こういった問題では女性への信頼が高いこともあるのではないか、といわれている」と指摘しました。こうした見方はしかし、「社会全体にあるジェンダーバイアス(性差別・偏見)を反映しているのではないか。安全保障などに関しては、女性はあまり信用できないというジェンダーバイアスもあるだろう。実際は、女性にも外交・安全保障の素晴らしい専門家がたくさんいる」との認識を示しました。

 さらに、2016年の大統領選で、トランプ氏に敗北したヒラリー・クリントン氏を引き合いに出し、「クリントン氏に対する批判のひとつに、ひじょうに挑戦的で政治的な野心が強いということがあった。これにもジェンダーバイアスがあると思う。政治的に野心的で挑戦的な男性はたくさんいるが、大して問題にされない。女性が政治的野心を抱くとなると、望ましくないことだと判断される」と付け加えました。

 ハフェ-ト氏は「世界でも米国でも、女性には同じ障害があり、同じ課題に直面しています。それは資金調達や政党へのアクセス、自信の欠如などです。こうした課題を克服するために、マイン・ザ・ギャップを設立した」と述べました。
 

効果的なトレーニング

 三浦氏は、米国では女性のリーダーシップのトレーニングが極めて盛んだとし、その理由として「欧州は米国より女性議員が多いのですが、欧州の場合は政党が組織立ってトレーニングをしています。また、議員や閣僚などの一定数を女性に割り当てるクオータ制があるために、女性が増えることができる。しかし、米国と日本にはありません。したがって、米国では民間団体が主体となって効果的なトレーニングを実施し、議員のなり手を増やすということに力が注がれています」と解説しました。
三浦まり・上智大学教授

三浦まり・上智大学教授

 これを受け、クラウンズ氏は①選挙運動資金の調達②政党へのアクセスや演説の仕方など、スキルの習得③触発や鼓舞、刺激④リーダーとなる適格性と自信―について、トレーニングすることが効果的だと指摘しました。

 具体的な事例としてクラウンズ氏は、14歳から18歳の若い女性を毎年、首都ワシントンへ招き、1週間のトレーニングを実施していることを紹介。「女性議員などに会って話を聞くことにより、若い女性たちは『私でもできるかもしれない』と思うわけです。お手本を提供する。1週間トレーニングをすると自信をもち始め、政治を通じ変化をもたらすことができると認識します。トレーニングは全体のパズルのひとつのピースにすぎないが、強力なピースです」と語りました。

 ハフェート氏は「トレーニングによって身につけたスキルというものは、実際に発揮し実践できなければ意味がないということも重要です」と補足しました。

日本では今年5月、選挙で男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に求める「政治分野における男女共同参画推進法」が、成立しました。

 こうした中で三浦、申両氏は7月13日から3日間、「女性政治リーダー・トレーニング合宿」を都内のホテルで行いました。笹川平和財団が共催したこの合宿には、政治家を目指す28人の女性が参加し、選挙運動などについて学びました。

 グラウンズ、ハフェ-ト両氏も講師として招かれました。両氏の目に、日本でのトレーニングと政治参画を志す日本の女性たちは、どのように映ったのでしょうか。
パネル講演会でグラウンズ氏は「今回いらした女性の能力に感銘を受けました。いろいろな問題について、関心も自信も示していました。私も大変勇気づけられた」と語りました。

 ハフェ-ト氏も「日本では、しっかり取り上げられていない問題があり、女性たちには政治に参加したいという渇望があるのだと思います。力強い女性がいるということが分かりました。ダムみたいなもので、近々決壊するでしょう。米国ではすでに、トランプ政権が誕生してからダムが決壊し、大きな流れが生れているわけです。日本でも政治参画への意欲が高まっていることを、見ることができました」と話しました。
(特任調査役 青木伸行)

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