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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

日本の核廃水(nuclear wastewater)を薄めることは解決策ではない-米海洋研究所、福島の太平洋への投棄計画の中止を求める

(2022年12月21日、スバ、PACNEWS)


抄訳

※元記事はこちら。
https://pina.com.fj/2022/12/21/diluting-japans-nuclear-wastewater-not-the-solution-u-s-marine-labs-call-for-stop-to-fukushima-dumping-plans-for-pacific/
 
 
世界最高の海洋研究所を率いる世界的な科学者は、日本が来年、福島第一原子力発電所事故による130万トン以上の放射能汚染水を太平洋に放出する計画を中止するよう呼び掛けた。
 
100以上の研究所が加盟する米国海洋研究所協会(NAML)は、今月発表したポジションペーパーで反対を表明した。日本の安全宣言を裏付ける十分かつ正確な科学的データが欠けており、放射能汚染水を放出することへの深刻な懸念を示すデータは豊富にあるとしている。
 
彼らは日本政府と国際原子力機関(IAEA)の科学者に対し、太平洋諸島フォーラムの専門家パネルが推奨する選択肢をより完全かつ適切に検討するよう求めている。
 
同パネルは、太平洋諸島フォーラムのメンバーが日本および東京電力関係者との協議において助けとなるよう、昨年、同フォーラムによって任命された。COP27のリリースでは、太平洋諸島フォーラム事務局長は、放流で水の安全性を確認するというこれまでのフォーラムの立場から、放流以外の選択肢を検討するという立場への変更を示唆した。
 
ヘンリー・プナPIF事務局長は、エジプトで開催されていたCOP27において、日本の福島原子力発電所から太平洋に放出されようとしている放射能汚染水について、ケン・ベッセラー博士(Dr Ken Buesseler)と会談した。同博士は、ウッズホール海洋研究所の主任研究員である。
 
海洋における放射性元素の動態や分布(※the fate and distribution of radioactive elements in the ocean)を研究する海洋放射化学者で、彼の研究室では、福島第一原子力発電所から放出された放射能の影響などの災害や、チェルノブイリやマーシャル諸島での核実験など、それ以前の原因から放出された放射能に対して活発に活動している。2022年9月以降、福島の廃水計画に関する日本・PIF会議の報告はない。
 
同博士は、「我々は、公共政策の決定、規制、行動は、環境と人間の健康に関する我々の科学的理解における関連する進歩に歩調を合わせ、それを利用する必要があると信じている。今回の場合、政策決定者は利用可能な科学を十分に活用しておらず、この汚染水を太平洋に放出する最終決定を下す前に、活用すべきだと考える。NAMLのメンバーは、放射能汚染水やその他の汚染物質の投棄場所として海洋を利用することへの懸念で一致している。なぜなら、そのような行為は、我々の地球の長期的な健康と持続可能性に負の影響を及ぼす可能性があるからだ。」と述べた。
 
またベッセラー博士は、「私たちは日本政府に対し、前例にとらわれない放射能汚染水の太平洋への放出計画を中止し、より広い科学界と協力して、海洋生物、人間の健康、そして生態学的、経済的、文化的に貴重な海洋資源に依存する地域社会を守るための他のアプローチを追求するよう要請する」と述べた。
 
太平洋は、地球上で最も大きな連続した水域であり、世界の漁場の70%を含む、生態学的、経済的、文化的に価値のある生物の最大のバイオマスを含んでいる。気候変動、資源の乱獲、汚染などを含む、さまざまなストレス要因により、世界中の海洋生態系の健全性が低下していることが報告されている。
 
この提案されている汚染水の放出計画は、海洋生態系の健全性と生命と生活を海洋生態系に依存する人々にとって、国境を越え、世代を超えて懸念される問題である、と論文で述べている。
 
 
さらにベッセラー博士は、「私たちは、各タンクの放射性核種含有量、放射性核種を除去するために使用される多核種除去設備(高度液体処理システム)(ALPS)に関する重要なデータ(critical data)がないこと、そして汚染された廃水の放出に際して『希釈が汚染に対する解決策 』という仮定について、懸念を有している。」とし、「希釈の根本的な根拠は、有機結合、生物濃縮、生物濃縮という生物学的プロセスの現実と、局所的な海底堆積物への蓄積を無視している。蓄積された廃棄冷却水に含まれる放射性核種の多くは、半減期が数十年から数百年に及び、その悪影響はDNA損傷や細胞ストレスから、アサリ、カキ、カニ、ロブスター、エビ、魚など影響を受けた海洋生物を食べた人の発がんリスク上昇にまで及ぶとされている。さらに、多核種除去設備(ALPS)が、影響を受けた廃液に含まれる60種類以上の放射性核種(その一部は人を含む生物の特定の組織、腺、臓器、代謝経路に親和性を持つ)をほぼ完全に除去できるかどうかが、重大なデータ(critical data)がないため、依然として深刻な懸念として残っている。」と述べた。
 
東京電力と日本政府によって提供された裏付けデータは不十分であり、場合によっては、不正確である。サンプリングプロトコル、統計デザイン、サンプル分析、仮定に瑕疵があり、その結果、安全性の結論に欠陥をもたらし、廃棄に対するより良い代替アプローチのより徹底的な評価を妨げるのである。放射性廃棄物を安全に封じ込め、貯蔵し、処分するという問題に対処するためのあらゆるアプローチが十分に検討されておらず、海洋投棄の代替案は、より詳細に、広範な科学的厳密さをもって検討されるべきである。

コメント

本記事は、本日配信されたPACNEWS第2部のトップに掲載されたものです。私は本件について詳しくありませんが、太平洋島嶼地域で配信されているニュースに掲載されていることから、地域の人々の理解に影響を及ぼすものと考え、今回、このBreaking News from the Pacific Islandsに掲載させていただきました。

日本語訳に不安があるので、抄訳トップに元記事のリンクを張っています。意味が分かりにくい場合、原文に当たっていただくようお願いいたします。

これまで日本側は処理水(treated water)と説明してきていますが、本記事で科学者は「wastewater」「contaminated wastewater」と表現しています。ALPSシステムにより高度に処理されたとしても核物質が残っているということで、このような表現を続けているように思われます。また、この記事では、懸念されている内容がより具体的に述べられています。

2週間ほど前、フィジーでPACNEWS配信元の太平洋諸島ニュース協会を訪問し、編集長と意見交換をしました。そこで日本からの情報発信で期待するものとして、日本太平洋島嶼国関係、インド太平洋、先進国連携、災害や気候変動に関するものがあげられましたが、「特に」としてこのALPS汚染処理水について情報が欲しいと強調していました。

政府間では丁寧に情報が共有されており、いくつかの国の外務省などでは日本政府による説明を理解し、信頼していると聞きましたが、PINAによれば、特に市民社会(CSO)、女性グループ、青年グループなど住民レベルに恐怖感があり、その原因は人々が理解できる言葉で情報が伝わっていないからだとのことでした。

本記事の科学的内容とはずれてしまいますが、PINAはPACNEWSの論説(Op-Ed)を通じて、日本政府から住民に対してわかりやすい言葉で丁寧に説明し、住民から反応を受け、その反応に対しさらに論説を通じてメッセージを出す、そのやり取りが人々の懸念を和らげていくと述べ、そのためであれば喜んで協力するとのことでした。

まずは本記事で指摘された部分(critical dataが欠けているという点など)に対する回答が必要かもしれません。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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