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太平洋島嶼地域ブレーキングニュース 研究員の解説付きPACNEWS厳選記事

マーシャル諸島、
フォーラムへの参加を見合わせ

(2022年7月12日、マジュロ、MARSHALL ISLAND JOURNAL/RNZ PACIFIC/PACNEWS)


抄訳

マーシャル諸島のデビッド・カブア大統領は、2月に行われた太平洋諸島フォーラム(PIF)脱退の法的措置の取消しに関する取り組みが同国政府メンバーによって阻止されなければ、今週行われる(コロナ後)初の対面のPIFサミットに出席していたはずであった。
 
地域政治における重要な時期に - 中国と米国、オーストラリアや日本を含むパートナーによる地政学的な動き(manoeuvering)がある中で - マーシャル諸島は、国内の法的手続きを解決できない自身の能力によってスバでのテーブルにつくことができないでいる。
 
2021年2月に採択されたニティジェラ(国会)決議35は、今年初めに大統領が和解とPIF残留を求める熱烈な声明を発表し国会議長が取り消そうとしたにもかかわらず、存続が許された。昨年採択された決議は、マーシャル諸島のPIF非難を支持し、昨年3月上旬に提出された(※ママ)PIFからの脱退を通告する政府の書簡を支持するものであった。
 
マーシャル諸島は、(2005 PIF協定保管国である)フィジーへの脱退通達書簡の提出から1年間の期限が今年3月10日に切れ、この北太平洋地域の国の加盟は法的に終了した。
 
ケネス・ケリー同国国会議長は「2022年3月現在、我々はPIFメンバーではない。PIFメンバーではないので、我々は参加しない方がいい。そうでなければ、憲法違反になる。」と述べた。
 
今年2月中旬、カブア大統領はナウルのエニミア大統領に3ページの書簡を送り、ミクロネシア地域の指導者にフォーラムとの和解を促した。
 
ミクロネシア地域の5カ国(キリバス、ナウル、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ)は、同地域からの事務局長候補が受け入れられなかった場合、フォーラムから脱退することで先に合意していた。現フォーラム事務局長のヘンリー・プナ氏は、9対8の激戦の末、ミクロネシア地域の候補であったジェラルド・ザキオス駐米マーシャル諸島大使を抑えて指名を勝ち取った。
 
カブア大統領は本年2月、ミクロネシア諸国首脳に対し、「『パシフィック・ウェイ』の本質は、共通の利益のために目的をもって統一的に行動し、理解の橋をかけ、強い友情と親善の絆を育み、人々と国家の間に平和的共存を実現することにある。」と語った。
 
この状況下でフォーラムを去ることは、「フォーラムの魂に心理的打撃を与え、、、長期的な集団的利益にとって非生産的なことになりかねない」とし、フォーラムに残る条件としてプナ事務局長の退任を要求したことは、カブア大統領にとって好ましいことではなかった。
 
カブア大統領の言葉を政府の方針として有効にするため、ケリー議長は2月、カブア大統領がエニミア大統領に書簡を送った翌日、2021年の(PIF脱退)決議を無効にする決議35を提出した。
(※注:上記では、「Resolution 35, adopted in February 2021」とあり決議35を2021年2月のPIF脱退に関する決議としているが、ここでは「introduced Resolution 35 to rescind the 2021 resolution」とあり決議35を2021年脱退決議を取り消す決議としている)
 
しかし、この議長決議は委員会と外務省によって全面的に書き換えられ、先の決議の取り消しに関する記述はすべて削除され、代わりに離脱決定の数カ月の「一時停止」のみに国会の賛同を表明するものとなっていた。この書き換えに怒ったケリー議長は、PIF脱退決議を残したまま、同決議を取り消す決議を撤回した。
 
これを受けて、5月にマーシャルアイランド・ジャーナル紙が「マーシャル諸島を動かしているのはどの派閥か」と、この件に関する社説の見出しをつけた。
 
ケリー議長は、「私はフォーラムに残ることを支持してきており、問題を解決しようと試みた。」「この政府の外交方針がどうなっているかは知らないが、私の意見としては、フォーラムと協力して、パートナーを支援すべきだ。」と述べた。
 
また、ケリー議長はこのフォーラムは18カ国とパートナーを代表しているとし、「残念ながら、我々は自分たちの中で争っている」、「誰かが(プナを選んだ投票に)腹を立てたからと言って、フォーラムを脱退すべきではなかった。脱退するのではなく、残って修正すべきだった。私たちは今、議場の外にいる。私たちはそこからどんな利益を得たのだろうか?」と、マーシャル諸島のリーダーたちに語った。
 
マジュロの多数の関係者によると、米国をはじめとするマーシャル諸島の主要な同盟国は、同フォーラムに残留するよう促していたという。米国、日本、オーストラリアとの密接な関係に加え、マーシャル諸島は台湾との外交関係を維持している4つの太平洋島嶼国のうちの1つであり、米国とその同盟国にとって、この地域における中国との競争は重要な側面である。
 
皮肉なことに、1980年代半ば、アマタ・カブア初代大統領の時代に、マーシャル諸島がフォーラムに加盟するのは、当時発展しつつあった米国との自由連合政治関係の不確実性から、難しいプロセスだった。最初の加盟申請から、1987年にマーシャル諸島とミクロネシア連邦の両方が正会員として承認されるまで、7年の歳月を要した。
 
現在、マーシャル諸島は、初代大統領の息子であるデビッド・カブア大統領の任期中にPIFから離脱しており、この重要な地域組織からのゆっくりとした離脱の動きは、政府内で起きているリーダーシップの問題を示している。
 
マジュロの政府関係者によると、この1週間の大統領と議長の話し合いにより、来月の通常国会でフォーラム加盟のための立法上のハードルを解決することで合意したと言われている。

コメント

昨日(2022年7月11日)のキリバスPIF脱退に関するコメントで触れた、議会における脱退決議の問題がマーシャル諸島で発生しました。また、マーシャル諸島の正式脱退通告は2021年2月下旬ではなく3月10日であったことが判明しました。
 
ここでは決議35を2021年 PIF脱退決議として扱いますが、本記事を読むと、本年2月に正式脱退通告が発効するはずであったミクロネシア連邦が、米国の取り組み(プナ事務局長を退任させ、別のポストに付けるという調整など)を受け、他のミクロネシア諸国首脳に働きかけ、脱退手続きを6月まで一時停止することとなりました(ミクロネシア諸国首脳、PIF事務局長の6月までの退任を期待(2月14日、ポンペイ、ABC/PACNEWS))。
 
本年3月には、マーシャル諸島のカブア大統領が、正当な手続きで選ばれたプナ事務局長を退任させることは望まないと発言しました。対外的にはミクロネシア諸国が一致しているように見えましたが、実際には口頭のやり取りであり、公式の手続きは曖昧であったことが分かります。
 
昨日(7/11)に取り上げたキリバスのマーマウ大統領の書簡からは、同国がミクロネシア大統領サミット(MPS)における2020年10月の共同声明(Mekreos Communique:事務局長職に関する紳士協定が守られない場合、PIFを脱退するなど含む)と、同声明を支持し5か国がPIFを脱退するとした2022年2月のMPS共同声明に基づいて国内手続きを進めたことが推察され、同大統領はMPSとしてこれらの共同声明の内容を取り消すとの正式合意はなされておらず、依然として有効との立場であることが分かりました。
 
マーシャル諸島の今回のケースは、ケリー議長のプライドの問題だと考えられます。本年2月時点では、脱退手続き(マーシャル諸島の場合、決議35)を取り消すのではなく6月まで一時停止するという話でしたが、ケリー議長はその時点で「決議35を取消す決議」案を作っており、これが外務省や国内委員会が「6月まで一時停止する」と書き換えたことは当然のことです。
 
繰り返しになりますが、本年2月の段階ではMPSの共同声明に基づき、あくまでも「プナ氏の退任」が脱退回避の最低条件であり、米国が調整し6月に退任する道筋をつけたので、6月に本当に退任となるか慎重に見極めるため、ミクロネシア諸国はそれぞれ脱退手続きの取消ではなく、一時停止という対応を取りました。キリバスの場合は、脱退回避の最低条件が満たされていないため、そのまま7月付で脱退したという立場になります。
 
マーシャル諸島の場合は、本来は決議35を一時停止する決議を本年3月10日までに成立させ、6月のスバ協定案合意の後に、決議35を取り消す決議を通さなければなりませんでした。しかし、上記の修正に対して議長が憤慨し、修正決議案を廃棄してしまったため、2021年3月10日にフィジー外務省に提出されたPIF脱退通達は効力を維持したままとなり、法的には本年3月10日にマーシャル諸島はPIFを脱退していたことになります。
 
PIF加盟資格については、1990年以前の情報を見ると、太平洋島嶼国が独立することで加盟が認められており、PIFに加盟することが独立国としてのステータスの1つとなっていました(その後にまとめられた2000年PIF事務局設立協定ではなく、2021年8月にフィジーが批准し成立した2005年PIF協定ではterritoryは準メンバーと記載されています。2017年に加盟が認められた仏領2地域は2000年協定下で加盟したことになります)。
 
マーシャル諸島は1979年に自主憲法を制定し自治政府を樹立しましたが、米国自由連合国として独立したのは1986年であるため、1987年にPIFへの加盟が認められました。ちなみに、非自治地域リストについては、米国との自由連合盟約締結後も国連によるモニタリングが行われ、1990年にリストから削除されたという経緯があります。
 
さて、マーシャル諸島の場合は、あくまでも国内の法的手続きの問題であるため、いずれ解消されると考えられますが、マーシャル諸島が復帰するためには全ての加盟国・地域が承認しなければなりません。その場合、マーシャル国内における決議35の破棄もしくは(既に脱退期限を過ぎたため決議35が意味をなさない場合)PIF再加盟決議があり、次のPIFサミットもしくは臨時サミットにおいて全加盟国・地域に承認されなければならないため、復帰には時間がかかる可能性があります。
(塩澤英之主任研究員)

海洋政策研究所(島嶼国・地域部)
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